『「女子」という呪い』日本版#MeTooを応援する本!連載「生きづらい女子たちへ」に書下ろしを加え書籍化
集英社クリエイティブは、雨宮処凛さん著『「女子」という呪い』を集英社より刊行しました。本書は、WEB imidas(ウェブ イミダス)の人気連載「生きづらい女子たちへ」に書下ろしを加えて書籍化したものです。
すべての生きづらい「女子」たちにエールを送る!
この国で「女子」でいることは、かなりしんどい。
「男以上に成功するな」「女はいいよな」「女はバカだ」「男の浮気は笑って許せ」「早く結婚しろ」「早く産め」「家事も育児も女の仕事」「男より稼ぐな」「若くてかわいいが女の価値」…こんな呪いの言葉を投げつけられたり、なのに常に女子力を求められる。上から目線で評価され、「女なんだから」と我慢させられる。これはもう、呪われているとしか思えない!
本書は、この理不尽さと生きづらさを「なんだか変じゃない?」と問いかけ、解決のヒントを探るエッセイ集です。こんな「オッサン社会」にもの申し、リアルに闘う女子たちにエールを送ります。
『「女子」という呪い』 一部抜粋
メディアでたまに目にする、「夫の不倫に謝罪する」妻。
「頑張れ」「努力しろ」と言うわりには、「でも、男以上に成功するな」というダブルスタンダードを要求する社会。「女子力」とか「女性の活躍」という言葉への違和感。「そんなこと言ってるとモテないぞ」「お前は女の本当の幸せを知らない」などと余計なことを言ってくるオッサン。
子育てする男性が「イクメン」と言われ、介護をすれば「ケアメン」と名付けられ持ち上げられるのに、女が仕事して子育てして家事してその上介護までしても誰も名付けてもくれないし褒めてもくれないという現実。
仕事ができる女は時に「女のくせに」「女だてらに」と揶揄され、場合によっては「女を武器にしたのでは」なんて勘繰られもする。「女を使う女」は軽蔑される一方で、女らしい気配りや身ぎれいさは当然のように要求される。
セクハラには「場の空気」を壊さないよう笑顔であしらう技術まで求められ、それが「大人の女のたしなみ」みたいに誤解されている。「無知」を装おうことを求められ、なぜかいつも男に「上から目線」で「評価」され、点数をつけられたりしている。
このようなことが、私が思う「〈女子〉という呪い」である。
本書の構成
序:すべての生きづらい女子たちへ
1 オッサン社会にもの申す
紫式部の時代にもあった無知装いプレー問題とは?/キレる女性議員、のんきな「ちょいワルジジ」/ 藤原紀香結婚会見の怪/40代単身フリーランス(私)、入居審査に落ちる/理想の結婚相手は「おしん」だとさ 他
2 女子たちのリアルな日常
「迷惑マイレージ」を貯めて孤独死に備える/アラフォー世代、おひとり女子のリアル/女地獄における比較地獄/必殺!困った時のフランス人/化粧する女、化粧する男 他
3 「呪い」と闘う女たち
AVで処女喪失したあの子の死/メンヘラ双六を上がった女/彼女がレズ風俗に行った理由/セーラー服歌人・鳥居との出会い 他
4 「女子」という呪いを解く方法
雨宮処凛さん プロフィール
著者の雨宮処凛(あまみや・かりん)さんは、1975年、北海道生まれ。作家、活動家。
バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ!難民化する若者たち』は、JCJ賞受賞。
著書に『一億総貧困時代』など多数。