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『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』マサイ族の戦士がスマホを手にして闘う「怖ろしい」相手とは?

『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』マサイ族の戦士がスマホを手にして闘う「怖ろしい」相手とは?

『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』マサイ族の戦士がスマホを手にして闘う「怖ろしい」相手とは?

学研プラスより、ルカ・サンテさん&GO羽鳥さん著『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』が刊行されました。

 

ライオンを倒したマサイの戦士が怖れる「5つの脅威」

4月から進級する人、社会人になる人、または先日に成人式を迎えた人。現代日本で「一人前の大人」とはなかなか定義がややこしいのですが、世界にはとてもわかりやすい「一人前の基準」をもつ人たちがいます。

マサイ族です。

ケニア南部からタンザニア北部で暮らすマサイ族の男性は、基本的には「戦士」なのですが、そこで「一人前」と認められる条件は明確。

ライオンを倒すこと

ケニアのアンボセリに住むマサイ族のルカ・サンテさんによれば、ライオンを倒したことで「真の戦士」と認められるそうです。そのルカさんのライオンとの戦績は一勝無敗。……敗北は死を意味するので無敗で一安心。ともあれ、ルカさんの村には3勝した最強の戦士もいるそうです。

そんなライオンより強い、地上最強といえるマサイ族ですが……意外にも「怖いもの」がいくつかあります。

ここで、ロケットニュース24の「マサイ通信」や書籍『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』をもとに、ルカさんが明らかにしてきた「マサイの戦士が怖れるもの」を5つ、紹介します。

 

マサイ族が怖れるもの その1 野良ゾウ

ライオンを倒せるマサイ族ですが、実は草食動物のゾウのほうがもっと怖い。ライオンなら槍や刀で対抗できますが、暴れゾウが村に侵入すると手が付けられず、ひたすら家を破壊されてしまうのだそうです。

日本でも大型車の暴走事故にはヒヤっとさせられますが、ケニアのアンボセリにはガードレールなどありません。ゾウの「圧」は大型車どころではないのです。

 

マサイ族が怖れるもの その2 パケ死

ケニアのアンボセリでも通信インフラが整いつつあり、ルカさんはスマートフォンを使って写真やメッセージを日本に送っています。それをロケットニュース24の編集長・GO羽鳥さんが受け取って「マサイ通信」にしているのです。

ですが、大量の写真や動画を送ってしまうと、通信費もかさみます。ルカさんも何度か「パケ死」の恐怖を感じたそうです。それに充電するにも10キロ離れた町に出向き、ソーラー発電の設備を持っている人に頼むというから、スマホを普通に使うのも手間がかかります。

 

マサイ族が怖れるもの その3 不良役人

遊牧民のマサイ族は基本的に自由に暮らしているのですが、「マサイ通信」ではなんと、ケニアの警察や役人と衝突もレポートされています。

彼らが無法者というわけではありません。「勝手に自分たちの暮らしている土地を売却されそうになる」事態には、マサイ族でなくても抵抗するでしょう。

自由に生きるマサイ族の生活にも、目に見えない土地の区分けや法律が影響しています。彼らにとってそれらは、得体のしれない恐怖なのかもしれません。

 

マサイ族が怖れるもの その4 干ばつ

ルカさんのレポートによれば、アンボセリは近年まれにみる干ばつが続いているということです。

猛暑のときはひたすらに木陰でやりすごし、外出を避けるしかありません。そもそも飲み水がなければ、マサイ族も、家畜のヤギやウシたちも、死を待つことになります。

もしも井戸が壊れたら……? 神に祈って雨を待つか、給水車に頼る生活になるのです。ルカさんは明るくレポートしていますが、日常からして命がけなのです。

 

マサイ族が怖れるもの その5 カネ、仕事

いきなりせちがらい話なのですが、これが本当、本音。

遊牧民のマサイ族の仕事は、本来は家畜の世話や狩り、そして観光客のガイドや物産の販売です。しかし、干ばつや竜巻、野生動物と戦いながら大自然の中で生きることは、楽ではありません。

近代化が進む都市部に移住し、生きるために「就職という戦い方」を選ぶマサイ族も増えています。そのために自動車教習所に通い、クルマや重機の運転を学ぶこともあるのです。

マサイ族の闘う相手はライオンでなく、現実の社会になっているのです。

そしてルカさんは、ライターとして、スマートフォンを武器に闘っています。

事実、ルカさんは原稿料を貯めて、壊れていた村の井戸を直しました。
ライオンよりも怖ろしい「パケ死」を乗り越えて、「カネと仕事」を手にし、「干ばつ」を倒したのです。

ロケットニュース24の編集長・GO羽鳥さんをして「こやつ、なかなかセンスある……!」と言わしめたレポートスキルで、ルカさんは今日も、生のマサイ族ライフを綴っています。

ウシをシメてその場で焼くマサイ式BBQ、広大なマサイ式トイレ、民族衣装とカジュアルを組み合わせた最新マサイ・ファッション、マサイの結婚生活、マサイの神様や幽霊、明日から使えるマー語(マサイ語)などなど……。

ネット連載「マサイ通信」や書籍『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』で積み重ねられたレポートの先には、ルカさん自身の、マサイ族の今後の課題と夢も描かれています。

人類史上初の、スマホで仕事して井戸を掘ったマサイ族、ルカ・サンテさんの伝説は、これからも続きます。

 

マサイのルカがスマホで井戸を掘る話
月間アクセス5000万PV超の人気ウェブサイト「ロケットニュース24」の人気連載「マサイ通信」が書籍化!

ケニアのアンボセリに住むマサイ族の青年ルカ・サンテが「原稿料で村の井戸を直す」べく、ありのままのマサイ生活をレポートする。
マサイ族の衣・食・住はもちろん、家畜や野生動物との悲喜劇、マサイ・オリンピックの模様、都会に住むマサイ族のライフスタイル、恋愛・結婚、神様や幽霊、観光とビジネス、仕事とカネ……。
ケニアからスマートフォンで送られてきた、ありのままの現代マサイ族を収録した。

はたして、ルカは原稿料を貯めて村の井戸を直せるのか?
そして、その目的を果たしたあとに見出した、ルカの「学びを直す」目標とは……!?

観光マサイでも、シティマサイでもない、スマートフォンを手にネット時代を生きる、新しいマサイ族の伝説が、ここに開幕する!

 
【目次より抜粋】

マサイのネットライター
どうやって原稿や写真を送るんだ?
パケ死と充電
マサイの村の水事情
生々しいカネの話

実録・マサイライフ24時
クイズ! ライオン探し
野良ゾウに気をつけろ!
竜巻が来た
ケニアではポリ袋禁止だぜ

マサイの食事はマメ食って寝る!
マサイの酒と二日酔い
マサイ族も歯が命

スヤァーーー……マサイのベッド
キリマンジャロ珈琲に砂糖をたっぷり
鼻から「クンッ」と吸うタバコ

マサイの戦士はライオンを倒せて一人前
最強戦士サイトゥートゥさん
ライオンを倒して弟が逮捕された事件
マサイの戦士200人VS武装警察300人
跳べ! マサイ・オリンピック

マサイのファッション
巻き布とアクセサリー
洋服のオシャレ・マサイ
いまどきのケニアギャル
マサイの109円カット

マサイの恋愛と結婚
マサイのイクメン戦士
マサイの結婚式

マサイの学校
マサイの天空神とケニアの幽霊
声に出して読みたい「マー語」

最強戦士の就職先
ケニアの教習所
マサイのバイクはSKYGO
チャイナマネーの現実

マサイの井戸
井戸復活のための貯金額
デカイ井戸を掘る前に……

ルカの「make Legend]とこれから

 
【出版社からのコメント】
マサイ族が、マサイ族のことを、マサイ族の井戸を直すために綴った真っ正直な生活レポートです。
ルカさんのスマートフォンから送られてきたレポートはおおらかにたくましく生きるマサイ族を伝えてくれます。豊かすぎる自然の恐ろしさや、変化するケニア事情への対応を迫られる姿は、まさに現実。
これはアフリカを支援しようという、国際的な開発援助や基金の話ではありません。
ロケットニュース24の「マサイ通信」と本書「マサイのルカがスマホで井戸を掘る話」は、マサイ族のルカさんに、ライター・著者として「マサイ族の生活を日本に伝える」仕事を依頼したのです。報酬は日本人と同じ原稿料に印税です。井戸が直るかどうかはルカさん次第。ルカさんは、ライター稼業で自分の夢をかなえることができるでしょうか?

 


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