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『目的なき人生を生きる』人生ずっとは、がんばれない。『小さな倫理学』の著者による「解放の哲学」

『目的なき人生を生きる』人生ずっとは、がんばれない。『小さな倫理学』の著者による「解放の哲学」

『目的なき人生を生きる』人生ずっとは、がんばれない。『小さな倫理学』の著者による「解放の哲学」

KADOKAWAより、山内志朗さん著『目的なき人生を生きる』(角川新書)が刊行されました。

 

人生に目的はない!『小さな倫理学』を唱える倫理学者が贈る「解放の哲学」

本書は、「人生に目的はない」と『小さな倫理学』を唱える倫理学者が反倫理を真面目に考えた「解放の倫理学」です。

 
人生を意味だらけだと思うと、「つまずきの石」につまずく。
死ぬまで競争?勘弁して。自己実現など、小賢しい。終活、就活、余計なお世話。
それでも世間はやかましい。

社会に煽られ、急かされ続ける人生を、一体いつまで過ごせばいいのか。
「それは何のためだ、何の役に立つ?」世間は「目的を持て!」とうるさい。
しかし、人は生まれる前にその問いを立てたのか、死ぬ直前にその問いを立てるのか?

「人生に目的はない」。そう考えた方が豊かな人生を過ごせると、反倫理を倫理学者が真面目に提示します。

 
■人生の答えはありそうだが、ないという形式でしか存在し得ない
■目的論と、その手下としての合理主義や功利主義
■「幸せ」とは道路標識のようなものでしかない
■人生に目的があったら、生きる必要などない。「なぜ」なしに元気を出せることが大事
■劣等感という城壁の中に閉じこもる限り、<私>という迷宮の中から出られない
■権力好きの本質は、他者から評価されること、褒められることや意識されることを何よりも求めることである
■弱みから目をそらせるのに効果的なのが戦いという作戦なのである
■意味がないというのは答えではなくて、出発点なのだ
■人生論にしても幸福論にしても、一枚からなる決定版の処方箋を求めようとしてしまう。そんなものはない、いやあっては困るのだ。
■後ろ向きに後ずさりしながら未来に向かおうとする
■<私>とは、光源ではなく、奈落、根底、暗闇、深淵なのだ
■友達の多い人は他人を攻撃することも得意な人だ
■現世において成功している者を来世においても成功させるために、つまり現実世界を二倍化するために宗教はあるのではない
■「全力」や「がんばる」ということは、人間を誤らせやすい。
■強すぎる感情は依存症だ。
■幸福な死に方をしなければ、幸福な生き方をしたことにはならないのか
■目的がないとは、予めないということであって、最初から最後まで、現実化しないということではない。目的は最後に現れるのである。
■倫理学は自分を見つけるための視点を得ることによって自分を作ることだ。
■目的は存在しない。目的は作るものだから。
■人生は評価されるためにあるのではない。それが「尊厳」ということの意味である

 

本書の目次

はじめに

第一章 ゴジラのために
1.ゴジラの悪夢
2.荒ぶる神々
3.人間の暴力性
4.平面人間
5.飢えた心

第二章 都会と倫理学
1.人混みに溺れる
2.満員電車の神社
3.何も見えない
4.自分自身とのケンカ
5.人生の意味

第三章 劣等感と城壁
1.劣等感と世界のデフォルト
2.権力がお好き
3.鍋奉行指南
4.布団の中の幽霊
5.哲学語り

第四章 〈私〉という迷宮
1.〈私〉とは何か
2.西田幾多郎
3.ノイラートの船
4.揺れ動く船
5.船の港

第五章 風の中の倫理学
1.言葉と肉体と風
2.概念の森の中で
3.がんばらない努力
4.かっこよさと徳
5.価値どろぼう

第六章 終わらない愛
1.愛するとは何か
2.哲学の始まり
3.世界の感触
4.レアリスムの呼吸
5.絆とは何か

第七章 ぐずぐずの倫理学
1.老いと孤独
2.救いとしての倫理学
3.倫理学と尺度
4.主人公のいない舞台
5.人生の〈しっぽ〉

第八章 倫理学の海
1.偶有性の海の中で
2.遙かな旅
3.スピノザ式
4.様々な坂道
5.存在の海

おわりに

 

山内志朗さん プロフィール

著者の山内志朗(やまうち・しろう)さんは、1957年生まれ。山形県出身。慶應義塾大学文学部教授。

東京大学大学院博士課程単位取得退学。新潟大学人文学部教授を経て現在に至る。専門は中世哲学だが、現代思想、現代社会論、コミュニケーション論、身体論、修験道、ミイラなどについても幅広く研究・発表している。

主な著書に『普遍論争 近代の源流としての』(平凡社ライブラリー)、『天使の記号学』(岩波書店)、『「誤読」の哲学 ドゥルーズ、フーコーから中世哲学へ』(青土社)、『小さな倫理学入門』(慶應義塾大学出版会)、『湯殿山の哲学――修験と花と存在と』(ぷねうま舎)など多数。

 

目的なき人生を生きる (角川新書)
社会に煽られ、急かされ続ける人生を、一体いつまで過ごせばいいのか。「それは何のためだ、何の役に立つ?」世間は「目的を持て!」とうるさい。しかし、人は生まれる前にその問いを立てたのか、死ぬ直前にその問いを立てるのか。「人生に目的はない」と『小さな倫理学』を唱える倫理学者が贈る、解放の哲学。

 


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