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『それ、なんで流行ってるの? 隠れたニーズを見つけるインサイト思考』ヒット商品から学ぶヒットの方程式

『それ、なんで流行ってるの? 隠れたニーズを見つけるインサイト思考』ヒット商品から学ぶヒットの方程式

『それ、なんで流行ってるの? 隠れたニーズを見つけるインサイト思考』ヒット商品から学ぶヒットの方程式

ディスカヴァー・トゥエンティワンは、博報堂若者研究所リーダー・原田曜平さん著『それ、なんで流行ってるの? 隠れたニーズを見つけるインサイト思考』を刊行しました。

 

「インスタ映え」「カープ女子」「爆買い」『君の名は。』『うんこ漢字ドリル』「ハンドスピナー」…ヒット商品から学ぶヒットの方程式

2017新語・流行語 年間大賞「インスタ映え」「忖度」は、なぜここまで流行ったのか、その理由を説明できますか?

「マイルドヤンキー」「さとり世代」を生んだ、テレビでもおなじみの人気マーケターが教えます!

モノがあふれ、消費者心理も複雑化している時代。昔と比べて商品やサービスが売れなくなり、広告の効きが悪くなっていることから、広告も商品開発も、過激な表現や新奇性に走ったコピーライティングで人目をひこうとしがちです。

しかし本来重要なのは、消費者心理のツボを見つけて、それに沿った提案や発信をしていくことではないでしょうか。

世の中のヒット商品や流行事象に共通していること――それは、売り手側・発信側の「売りたいもの・伝えたいこと」と、世間の「欲しいもの・気になっていたこと」が一致していることです。

消費者不在のものづくりに陥らずに、世間の「そう、それが欲しかった!」という隠れたニーズを引き出すにはどうすればいいか。

そこで役に立つのが、インサイトという考え方です。インサイトとは、直訳すると「洞察」。
広告・マーケティング業界では、それだけで講演や研修が組まれたり、本が書かれたりするくらい重要な概念とされています。

本書では、「インスタ映え」など昨今のヒット商品や流行事象を題材に、消費者のインサイトの見つけ方について、一般にもわかりやすい平易な言葉で明かしていきます。

 

売れる商品には「実は……」が不可欠

「SNSムラ社会で生きている彼らが忙しい自慢・徹夜自慢したいとき、ツイッターにテキストでそのことをそのまま書くとウザがられるので、その代替手段としてレッドブルの写真を「レッドブルなう」という言葉とともにインスタグラムに投稿する方法が使われるようになった。これなら間接的な自慢をする手法として嫌味が薄れ、『いいね!』も押されやすい」

レッドブルという商品がズバッとついている若者のインサイトを説明しているわけですが、これを聞くと「なるほど」と腹落ちする人も多いのではないでしょうか。そして、多くの人がこのことを誰かに伝えたくなると思います。「レッドブルが若い人に人気な理由を知ってる? それって、実は……」と。

大切なのはここです。インサイトをついている商品は皆、魅力的な「実は……」を持っていることが多いのです。豆知識、ウンチクといってもよいでしょう。そして魅力的な豆知識には伝達力があります。伝達力があるということは、広告費を払うことなく、消費者が自発的に宣伝してくれるということでもあります。こうして伝達されていく商品は、当然売れる確率が高くなります。

潜在ニーズが顕在化された瞬間、人はそれを、まだそれに気づいていない他の人に伝えたくなるのです。

 

「自分ごと化」させる視点こそインサイトである

今まで気づかなかった嗜好にハッと気づかせる(インサイトを見出す)ことで、商品との強い結びつきを新しく発見する、いわば「消費者との新しい架け橋を作る」のが、インサイトの効果です。これが実現できれば、ターゲット(消費者)は消費へと動きます。

どんなにユニークな表現やコピーが載っている広告でも、見た人に「自分とは無関係」と思われたらアウト。その広告は消費者に絶対に刺さりません。そういう意味では、相手に「自分ごと化」させる視座を与えるのが、インサイトの力といえます。

一例を挙げます。「環境にやさしい」というキャッチコピーはよく聞きますし、「環境に
やさしく」あることに異論のある人はあまりいないでしょう。

しかし、全地球的視点で環境問題を「自分ごと化」できる人は、そう多くはありません。

多くの人は環境に優しい商品よりも、日々1円でも安い商品を買い求めます。家計をあずかる主婦からすれば、単なるイメージとして「環境にやさしい」と謳う商品よりは、目に見えて「財布にやさしい」商品に手が伸びるでしょう。

たとえば、「冷房の設定温度を上げれば使用電力が減るから、地球温暖化を止められる」というより、「設定温度を△℃上げると、年間の電気代が◯円節約される」、あるいは「自然素材だから環境負荷が低い」というよりも、「自然素材だから肌荒れしにくい」――そう言われたら、「自分ごと化」されます。

その際のインサイトは、「電気料金を節約したい」「手肌が荒れるのをなんとかしたい」になります。もちろん、加えて地球環境に良いとなおさら良いと誰もが思いますが、一番のポイントがそこではない、という意味です。

自分ごと化は消費者を動かします。買わせます。行動させます。広告の役割は「自分ごと化」を促せるかどうかに集約されているといってよいのかもしれません。

いや、広告に限らず、すべての商品・サービスに自分ごと化は必要です。書籍だってドラマだって電化製品だって、自分と関係あると思わなければ人は買うはずもありませんし、以前に比べて日本人に金銭的・精神的余裕が減っているので、関係ないものはより買わなくなってきていると思います。

「自分ごと化」は人を動かそうとする際に確実に押さえておかなければならないポイントで、そのために最も大切なのがインサイトなのです。

 

本書の構成

第1章 「マイルドヤンキー」「さとり世代」はなぜ流行語になったのか?
 「マイルドヤンキー」はこうして生まれた
 「そう、それ!」と言わせたものが、心をつかむ
 トランプが大統領になれた理由
 80年前の名著と小池都知事の「アウフヘーベン」
 現代の若者が「忖度」から汲みとったニュアンスとは
 絶対NGだったはずの掛け合わせ『うんこ漢字ドリル』
 ハンドスピナーが流行った本当の理由
 なぜ「大量購入」ではなく「爆買い」なのか
 「カープ女子」「インスタ映え」「ブラック企業」はなぜウケたのか
 流行語大賞のターゲットは「一般のオジサン」

第2章 ヒット商品に共通する、ひとつの法則
 「売りたいもの」と「欲しいもの」は違う
 トホホな地方創生
 2つのテレビ局を分けた明暗
 『逃げ恥』はなぜ中高生に支持されたのか
 『君の名は。』が若者に刺さった理由
 ビール業界にはもっと商機がある?
 「そう、それ!」とは「インサイト」のこと
 「伝え方」の前にインサイトを掘れ
 売れる商品には「実は……」が不可欠
 お笑い芸人はインサイト探しのプロ
 日本のインサイトが世界を動かす
 マンダムの整髪料が東南アジアで成功した理由
 絵文字や「片づけの魔法」は欧米人のインサイトをつく
 日本人のインサイト発見力は世界最強!?

第3章 クリエイティブ・ブリーフを作ってみよう
 クリエイティブ・ブリーフとは何か
 クリエイティブ・ブリーフは「憲法」である
 クリエイティブ・ブリーフの実例――牛乳のCM
 インサイトとは、まだ気づかれていない需要
 『笑ゥせぇるすまん』は顧客のインサイトをつくプロフェッショナル
 「自分ごと化」させる視点こそインサイトである
 インサイトは「氷山の海面下部分」
 「プロポジション」を構成する5つの要素
 インサイトが9割、伝え方は1割

第4章 インサイトを見つけるには
 さまざまな調査方法
 まっさらな状態から仮説を立てる
 上っ面インサイトには要注意
 人はウソをつく
 インサイトを見つけるために養うべき4つの力
 インサイトを引き出すインタビュー ①ビーンボール法
 インサイトを引き出すインタビュー ②ラポール形成法

コラム インサイトをつく要素

第5章 若者のインサイトを探る
 若者インサイト (1)プチ個性
 間接自慢 ~叩かれない程度に自己アピールしたい
 若者インサイト (2)母息子ニーズ
 若者インサイト (3)「サイコーにちょうどいい」

巻末付録 若者トレンドにみる「インサイトフル」な事例

 

原田曜平さん プロフィール

著者の原田曜平(はらだ・ようへい)さんは、1977年東京生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。国内外の若者研究及びマーケティングを続けている。

2003年JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『さとり世代 盗んだバイクで走り出さない若者たち』(角川oneテーマ21)、『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎新書)、『パリピ経済 パーティーピープルが市場を動かす』(新潮新書)など多数。

 

 


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