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『WOMAN』恋愛、仕事、結婚、育児……阿部真央さん、MINMIさんらが「ミュージシャンとして、ひとりの女性として」

『WOMAN』恋愛、仕事、結婚、育児……阿部真央さん、MINMIさんらが「ミュージシャンとして、ひとりの女性として」

『WOMAN』恋愛、仕事、結婚、育児……阿部真央さん、MINMIさんらが「ミュージシャンとして、ひとりの女性として」

リットーミュージックは、6人の女性アーティストが自身の生き方を語る書籍『WOMAN 女性アーティスト6人が語る、恋愛、家族、そして音楽』(文:上野三樹さん、高橋美穂さん)を12月20日に刊行します。

 

阿部真央さん、MINMIさんらが「ミュージシャンとして、ひとりの女性として」自身の生き方を語る、すべての女性に伝えたい「ゆずれない想い」

女性アーティスト6人が、自らの「音楽人生」と「女の人生」をクロスさせながら語るオムニバス形式の本書『WOMAN』では、次のようなテーマについて話を聞いています。

●両親、特に母親からどのような愛情を受け、育てられてきたか?
●音楽との出会い、アマチュア時代の活動など
●初恋や彼氏との付き合い
●アマチュア時代の活動やデビューについて
●女性バンドの結束
●音源制作やライブなどの音楽活動
●恋愛事情と理想の家庭像、結婚、出産のタイミング
●子育てとミュージシャン活動の両立
●働く女性、子育て中の女性、音楽を志す女性へのメッセージ

本書に登場するアーティストは、阿部真央さん、坂本美雨さん、渡辺敦子さん、ノマアキコさん、JILLさん、MINMIさんの6人。20~30代という、女性にとっての結婚や出産の適齢期に、ソロ・アーティストやバンドで活躍してきました。

ミュージシャン活動には先々まで決まっているツアーやリリースなどがあり、産休・育休というタイミングを見つけることも、子育てしながら活動をするのも並大抵の労力ではありません。

それでも彼女たちは多くのファンが待つステージへ上がり、素晴らしい音楽を届け続けています。家族と協力し合って育児と活動を両立している人、シングルマザーとして奮闘する人、故郷に拠点を移して音楽を発信する人、後進の育成を続けつつ児童支援事業を立ち上げた人、子育てが一段落して再び厳しい自己鍛錬に励む人……。それぞれに状況は異なれども、生き甲斐である音楽やファンのため、大事な家族を守るために。

「アーティストだけど、ひとりの女性」。

前向きな生き方や言葉から、元気を分けてもらえたり、ちょっと気持ちが軽くなったり、もう少し好きなことを続けてみようと思ったり、そんなビタミンになれるような一冊です。

 

登場するアーティストと本文よりの抜粋

 
■阿部真央さん

別に子供を産んだから女性としてレベルが上がるとか、そんなこと一切思わないです。それでも私にとって出産は、自分という人間をようやく認めてあげられるような大事な経験でした。もともと自信がそんなにないタイプの人間なんですけど、これからの将来を考えた時に“私はこの子をちゃんと産むことができたんだ”という事実が私を支えてくれると思うんです。

 
■坂本美雨さん

アルバム『Sing with me』は子供だけではなく、お母さんたちにも聴いて笑顔になってほしくて作ったんです。自分も子育てを始めて息が詰まるような瞬間もありましたけど、歌に助けられてきました。既存の歌だけじゃなく、何でもかんでも歌に乗せて、メロディに乗せて。“うんちがもーれた♪ またゲロはーいた♪(笑)”って歌うだけで、“大したことない!”って気持ちになる。そういう歌の力を日常の中で切実に感じているんです。

 
■渡辺敦子さん(PRINCESS PRINCESS)

まわりから「女性バンドが大成しない理由は男関係だ」って言われてたんですよ。それでポシャっちゃいけないと気をつけてた……っていうか、洗脳されてたのかな(笑)。私も好きな人がいても結婚しようとは思わなかった。良くも悪くもバンドと結婚してたんだよね。それくらいプリプリを愛してたっていうか……気持ち悪いっていう人もいるかもしれないけど(笑)。もし解散しなかったら、誰も結婚していなかったかもね。それか、“結婚しながらも、うまくやりくりしようね”って話になってたのかもしれない。

 
■ノマアキコさん(トーキョーキラー、PIGGY BANKS、ex.GO!GO!7188)

妊娠がわかってからも、ツアーとイベントが残り十数本くらいはあったのかな。だから毎日、死んだおじいちゃんに「今日もライブでジャンプするけど、子供を守ってください」って祈っていました。だってあれだけライブ中に跳んで動き回ってる私が急にじっとして動かなくなるって、観てる人にとっては明らかにおかしいじゃないですか。だから覚悟をして、死んだおじいちゃんの助けを求めながら、やっていました。そんな時に主人は「この状況がわかってて赤ちゃんが来てくれたんだから、たぶん大丈夫だよ」って言ってくれて。そこで少し気が楽になった部分はありましたね。

 
■JILLさん(PERSONZ)

それまで私も夫も音楽業界やバンドの世界でしか生きてこなかった人たちが、子供ができたことによって幼稚園や小学校といった社会にまた戻っていくわけなんですけど、もう“人付き合いって何だっけ!?”って感じなんですよね(笑)。ママ友にしても“PERSONZのJILLだ!”って知ってる人も知らない人も当然いるわけなんですけど、見た目もずっとこのまんまだから(笑)、きっと“この人はいったい何なんだろう”と思ってる人もいたかもしれないです。だけど私は別に気にせずに幼稚園や小学校に堂々と行っていましたよ。だから娘がずっと言ってましたね「一番目立ってるの、ママだから!」って(笑)。

 
■MINMIさん

何度も、どっちかに絞ったらいいんじゃないかなって……仕事だけとか、子育てだけとかって思ったんですが、仕事に対して“ここまでやろう”っていうゴールは、今のところ“自分の体が健康である限り続けていこう”とは思っているんですね。だから、“このせめぎ合いの中でできる限りの仕事はしたいし、していくべきだ”って決めています。
 せめぎ合いは現在進行形ですけどね(笑)。でも、ライブをした時に“こんなに喜んでくれる人がいるんだ!”って思えるので、それが私もめちゃめちゃ幸せで、歌うという仕事で、経済的な意味だけではなく、生きている意味も感じさせてもらっています。せめぎ合ってやっていることで、女性の方に“「私も同じ」って思ってもらえているのかも”って思うと、自分も働きながら子育てしてる意味があるのかなって思えますしね。

 

WOMAN 女性アーティスト6人が語る、恋愛、家族、そして音楽
女であることも、音楽を続けることも、ゆずれない!
しなやかで、強い女性アーティストたちのストーリー

さまざまなジャンルの女性アーティスト6名が、ミュージシャンとしての自分と、一人の女性としての自分について語った半生記をオムニバス形式でまとめた一冊。少女時代に訪れた音楽との出会いからデビュー、恋愛と結婚や離婚、育児と音楽活動の両立……。しなやかで、強く時代を生き抜く“女性アーティスト”の言葉は、仕事で頑張る女性たち、子育てに奮闘するお母さん、音楽を志す女の子、すべての女性に勇気と元気を与えてくれるはず!

 
【「あとがき」より】
小さい頃のことから、どんな風にしてミュージシャンとして活躍する夢を叶えてきたのか、ひとりの女性としてどんな想いで歩んできたのかなど、こちらが投げかける質問に対して、みなさんが真摯に、そして勇気を持って答えてくださったことで、この本はとっても濃厚でスペシャルなものになりました。

それはこの本を読んでくださったあなたに対する「伝える覚悟」だったと思うのです。普段から音楽でメッセージを発し続けている彼女たちだからこその強さと優しさに満ちた、素晴らしい言葉たちを通じて、ちょっと気持ちが軽くなったり、自由になれたり、これからの未来が楽しみになったり、してもらえる内容になったんじゃないかなと自負しております。(上野三樹)

 
多少ミュージシャンと触れ合う機会の多い私でも「ミュージシャンって別世界の住人でしょ?」と思ってしまっているところはありました。でも、もしそうであったら、こんなに「伝わる」表現ができるわけがない。この表現の奥底には、現実という地に足を付けた「いち人間」としての生き方があるはず。――それを探りたくて、「伝わる」表現をしている女性ミュージシャンに会いにいきました。

音楽は夢、子供は現実――そう対比させることもできますが、このふたつには「無限大の可能性」という大きな共通点があります。それを、この本に登場するミュージシャンは、きっと知っているのでしょう。だからこそ、どちらも大切にし、素晴らしい音楽を奏で続けているのだと思います。(高橋美穂)

 


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