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『ものの見方が変わる 座右の寓話』古今東西の寓話を知り、寓話を自分の「武器」にする

『ものの見方が変わる 座右の寓話』古今東西の寓話を知り、寓話を自分の「武器」にする

『ものの見方が変わる 座右の寓話』古今東西の寓話を知り、寓話を自分の「武器」にする

ディスカヴァー・トゥエンティワンより、戸田智弘さん著『ものの見方が変わる 座右の寓話』が刊行されました。

 

『座右の寓話』が寓話の良さを教えてくれる!

「寓話」について、あなたはどんなイメージを持たれているでしょうか?

寓話には「教訓」「真理」というキーワードがセットであることから、小難しく感じたり、はたまたウンチクのようで、ハードルや嫌悪感を感じたりする方も多いのではないでしょうか。
また、聞いたことのある話も多く、「もう知ってるよ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

寓話の目的は教訓や真理を伝えることです。
そのため引用されることも多く、確かに、聞き飽きていたり、お高くとまっている感は否めません。

しかし、本来寓話とは、「話の面白さに気をとられているうちに、いつの間にか人間や世界、人生についての認識が深まっていくもの」です。

また、世間に広まった寓話の一部は途中で話が終わっていたり、間違った解釈がされているものが見受けられます。
本書は、本の装丁と内容で、寓話の本来の良さを引き出し、楽しく教訓を教えてくれる&教えられる一冊です。

 

持ち歩きたくなる装丁

かわいい装丁ですが、本を手に取ったら、まずはカバーを外してみてください。
現代的なイラストカバーとは裏腹に、「〇〇全集」のような信頼感のあるデザインが登場します。

もちろん、描かれている内容は、本書の中に登場する寓話をモチーフにしたイラストです。(『猿と井戸の月』(No.40)と『水車小屋の男』(No.42))

持ち歩いて読みたくなる内容ですので、カバーをつけるもよし、外すもよし、自分の好みの装丁を選んでください。

 

読みやすい寓話とほっとするデザイン

本書で紹介される寓話は、2分程度で話せる(読める)長さになっています。

さらに、耳で聞いても理解できるような心地の良い言葉・表現を使っているため、話がスッと頭に入ってきます。
また、かわいいイラストもちりばめられており、楽しみながら読めるようなデザインになっています。

 

寓話を知っている人にも新しい発見がある

「北風と太陽」という寓話をご存知でしょうか。
知らない、と答えた方の中にも、北風と太陽が、旅人の上着を脱がせるための勝負をする、という内容に覚えのある方は多いのではないでしょうか。

しかしこの話は半分(以下)でしかありません。

 
【寓話:北風と太陽 (2) 】
北風と太陽が彼らの力について言い争っていた。
議論ばかりしていても仕方がないので、勝負をしようという話になった。
最初の勝負は、旅人の帽子をとることだ。
はじめに、太陽が旅人を照りつけると、旅人は日差しを避けようと帽子を深くかぶり、けっして脱ごうとはしなかった。
今度は、北風が思いっきり強く、ビューと吹いた。
すると、旅人の帽子は簡単に吹き飛んでしまった。

次の勝負は、旅人の上着を脱がすことだ。
はじめに、北風がありったけの力で、ビューッと吹きつけた。
しかし、旅人はふるえあがって、着ものをしっかり両手で押さえるばかりだった。
今度は、太陽が旅人を照らした。
すると、旅人は上着を脱いで、気持ち良さそうにのびをした。

【教訓】
「状況に適した手段を選ぶ」
この話の教訓は、何事においてもそのつど適切な手段を選ぶことが肝要であるということだ。
旅人の帽子をとるには北風が適していた、上着を脱がせるには太陽が適していたということだ。
要するに臨機応変の大切さを説いている。

一般的に、年をとればとるほど素直さは消えていく。逆に、頑固さは増すばかりである。
「人の意見は四〇まで」(四〇歳をすぎた人に意見をしても効き目がないこと)ということわざがあるくらいだ。
臨機応変であるためには頑固であってはならない。

社会で成功している人や組織ほど、自信を持っているという意味で頑固である。
しかし、過去にうまくいったからといって、これからもずっとうまくいくとは限らない。
成功は人を頑固にする。 成功の記憶はときに耳栓になる。
まわりの環境が変わってしまっているのに、過去の勝ちパターンにしがみつくことはよくあることだ。時が変われば、選ぶべき手段が違って当然である。
熟慮のうえ、適切な手段を選ばなければならない。

(pp.64-65 No.16 北風と太陽(2) より引用)

 

寓話を自分の「武器」にする

寓話は、教訓や真理といった堅苦しいことを、わかりやすい形で伝えられる力を持っています。
そのため、仕事や人生において、非常に強力な武器となる素養があります。

本書で紹介される寓話は、2分程度で話せる長さとわかりやすい言葉・表現を使っているため、学校の授業や会社の朝礼に最適な形となっています。

押しつけがましさのない深い話で、上司や同僚、生徒を驚かせてみてはいかがでしょうか。

 

本書の目次

第1章 視点と視野と視座 

第2章 幅広い認識としなやかな思考

第3章 思慮深さと正しい判断

第4章 聡明さと創造的な仕事

第5章 強い組織の精神

第6章 働く姿勢と働く意味

第7章 正義の心と共同体

第8章 科学技術と社会の関わり

第9章 人生の道理と「有り難う」

第10章 欲望との付き合い方

第11章 学びの心得と学ぶ理由

第12章 挑戦と持続可能性

第13章 自分の物語の描き方

第14章 生と死のつながり

第15章 どんなときでも「ものは考えよう」

 

戸田智弘さん プロフィール

著者の戸田智弘(とだ・ともひろ)さんは、1960年愛知県生まれ。北海道大学工学部、法政大学社会学部卒業。

著書に『働く理由』『続・働く理由』『学び続ける理由』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『海外リタイア生活術』(平凡社新書)、『元気なNPOの育て方』(NHK生活人新書)、『就活の手帳』(あさ出版)、『「自分を変える」読書』(三笠書房)など。

 

ものの見方が変わる 座右の寓話
古今東西語り継がれてきた迷ったときのヒントが見つかる。
イソップ物語から中国古典まで仕事に人生に効く“深イイ話”88

寓話は人生の教訓や真理を伝えてくれるツールです。 教訓や真理は一見抽象的で分かりにくいものですが、物語のかたちをとることで自然とその教えを受け入れることができます。

本書はおなじみのイソップ寓話から世界の民話、古典、逸話など古今東西語り継がれてきた77の寓話を集め、その解説を載せました。 解説には一般的に語られる解釈に加え、通説とは異なる視点や現代的に見直した解釈など多面的に物事をとらえられるようにしました。

本書は自らの仕事や人生についての考えを深めるのにはもちろん、スピーチやプレゼンなどの話の材料としても使えます。 そのために、すべての寓話は長くとも2分以内で話せるようにまとめ、表現も聞いて分かるように改めました。 朝礼やブログなどで話のネタに困っている方のネタ帳としても活用できるでしょう。

77の寓話はそれぞれ15の章に分類されています。
きっと今の悩みや現状に合った寓話が見つかるはずです。

 


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