気になる本、おススメの本を紹介

B O O K P O O H

『MONEY もう一度学ぶお金のしくみ』これが「お金」の正体だ!経済書の全米ベストセラー作家が描く、お金のしくみの教科書

『MONEY もう一度学ぶお金のしくみ』これが「お金」の正体だ!経済書の全米ベストセラー作家が描く、お金のしくみの教科書

『MONEY もう一度学ぶお金のしくみ』これが「お金」の正体だ!経済書の全米ベストセラー作家が描く、お金のしくみの教科書

東洋館出版社は、チャールズ・ウィーランさん著『MONEY もう一度学ぶお金のしくみ』(訳:山形浩生さん・守岡桜さん)を12月18日に刊行します。

「インフレ/デフレ」「恐慌の原因」「銀行の役割」「ビットコイン」など、一般常識とされつつも、実は多くのひとがよく分かっていない、お金に関することがらを、わかりやすく親しみやすい筆致で描いています。

ケインズ、クルーグマン、ピケティ、アカロフなど、名だたる経済学者の著書を翻訳してきた山形浩生さんが、「お金の起源から最新の時事まで。平易でスタンダード、非常に堅実な入門書」(訳者解説より)と太鼓判を押しています。

 

「お金」の本当のしくみを知っていますか?

・お金の価値を保証しているのはだれ?
・インフレ・デフレ、どっちがいい?  それとも物価変動がないのが理想的?
・為替って面倒。ユーロみたいに通貨を全部まとめられないの?
・長引く日本の不況に対して、政府はどんな景気対策を行ってきたの?
・ビットコインでお金のあり方はがらっと変わるの?

→本書を読めば、全部説明できるようになります。

生きていく上で、なくてはならない「お金」。価値あるものとして、その重要性は誰しも知っています。
しかし、「私たちの懐にあるただの紙切れが、なぜそのような価値をもつのか」、その本当のしくみを知っている人は、意外にも多くありません。

そのバックボーンには、いったいどのような力学が働いているのでしょうか?
日常のちょっとした買い物から、アメリカ、ヨーロッパ、日本を舞台とした世界経済を動かす「お金」と「その流れ」のしくみがすべてわかります。
そして、お金のしくみがわかれば、世の中がわかるようになります!

10章ではなんと「日本」を取り上げ、バブル期以降の日本の経済政策を分析しています。アベノミクスをはじめとする日本の経済政策がどのように海外から評価されているのか、その点も本書の大きな見所です。

 

お金にまつわる「思い込み」を払拭する

以下では、本書のユニークな語り口の一例として、インフレとデフレに関する部分を紹介します。

インフレはしばしば、それ自体が悪い現象として語られます。しかし本書によると、インフレとは商品に対してお金の価値が下がる現象であり、それ自体に善し悪しがあるわけではありません。
状況や受け手の立場によって、インフレもデフレもその意味や利害が変わってくるのです。そうした視点を持つことができれば、日本や世界の経済状況を、これまでと全く違った視点で見ることができるようになるはずです。

実際に著者は、その視点のもと、1章を割いて日本の状況を解説しています。そこで語られる日本のデフレ状況やインフレ目標を定めた金融・財政政策の評価や今後の展望について、ぜひ新しい視点にたって自分でも考察してみてください。

 

ハイパーインフレは社会を破壊する

第二次世界大戦中、ナチスドイツはイギリス政府に揺さぶりをかける狡猾な作戦をしかけました。

この策略はロケット砲、銃、その他、従来の軍備はまったく使いません。兵器となったのは偽造貨幣です。捕虜たちはポンド紙幣(その後、ドル紙幣)の偽造に協力させられました。目的はイギリスに偽造紙幣を大量に流入させて、イギリスポンドへの信頼、ひいては経済全般への信頼をそこなうことにありました。

結局この偽造計画はうまくいかなかったようですが、その理論自体は実にしっかりしたものでした。
およそ50年後、同様の計画がジンバブエで見事に進められました。通貨が国にあふれ、その価値は無に等しくなって、商人たちは紙幣を数えずに重さを量りだしました。2008年7月4日、ハイパーインフレが頂点に近づき、首都ハラレの酒場では、ビール一杯の値段が1000億ジンバブエドルになりました。1時間後には、同じ酒場の同じビールが1500億ドルになっていました。

ロバート・ムガベ氏の準独裁政権は、新しいお金を大量に生み出し、ある時点では史上最高額の紙幣を発行しました。100兆ドル紙幣です。

 

でも、インフレは大事な政策ツールにもなる

世界のお金の大部分は、もはや商品に紐付けられていません。ジンバブエは、良質な紙とインクが切れるまでとてつもない量の紙幣を発行できました。そして紙が切れても各紙幣にゼロを足すことはできました。

もっと先進的な経済では、お金はますます電子化されつつあります。財布の中には紙幣が2、3枚しかない人でも、当座預金口座には何万ドルも入っていたりします。
銀行口座に預けられた資金は電子記録としてしか現れないのに、100ドル札の束と同じ購買力を持ちます。

中央銀行の職員ひとりとノートパソコン、インターネット、濃いコーヒー入りのポットがあれば、ロバート・ムガベ氏が酷使した印刷機よりもはるかに多く新しいお金を生み出せます。

これはインフレの惨事にもなり得る――またはとても重要な政策ツールにもなります。法定通貨は商品貨幣にはできないやり方で、政策の柔軟性をもたらします。2008年の金融危機と闘うためにFRBが3兆ドルを生み出したのをご記憶でしょうか。

 

デフレでものが安く買える?そんな都合のいい話とは限らない

たしかにインフレはよろしくない。物価がぐんぐん上昇し、別の言い方をすると経済学者の考え方では、お金が価値をどんどん失います。
1杯目と2杯目の間にビールの値段が500億ドル上がって、頭にこない人がいるでしょううか。

ですが、デフレのほうがもっと悪いことになりかねません。穏やかなデフレでも、不都合な経済的反応の連鎖を起こしてしまいます。
杯を重ねるごとにビールの価格が下がるのは、なんとも結構なことだと思えるかもしれません。でもその時、自分の所得もおそらく下がっています。

まだ悲劇とはいえない――所得が下がり、いつも買うものの価格も下がるというだけです。でも借金の額は下がらないと想像してみましょう。給料が着実に下がる一方なのに、銀行は毎月同じ額の返済を期待します。

大恐慌へようこそ。

 

著者プロフィール

 
■著者:チャールズ・ウィーラン(Charles Wheelan)さん

ダートマス大学で公共政策と経済学を教える。著書に全米ベストセラーとなったNaked Economics(『経済学をまる裸にする』日本経済新聞出版社)とNaked Statistics(『統計学をまる裸にする』日本経済新聞出版社)がある。

 
■訳者:山形浩生(やまがた・ひろお)さん

評論家・翻訳家。大手調査会社に勤務するかたわら、科学、文化、経済からコンピュータまで広範な分野での翻訳、執筆活動を行う。

著書に『新教養主義宣言』『要するに』『訳者解説』ほか。訳書にケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』、ピケティ『21世紀の資本』、クルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』『さっさと不況を終わらせろ』、エアーズ『その数学が戦略を決める』、伊藤穰一/ハウ『9プリンシプルズ』、ほか多数。

 
■訳者:守岡桜(もりおか・さくら)さん

翻訳家。訳書にクルーグマン『国際経済学』、アカロフ&クラントン『アイデンティティ経済学』、ボルドリン&レヴァイン『〈反〉知的独占 特許と著作権の経済学』、ウェイド『人類のやっかいな遺産』、ほか多数。

 

MONEY もう一度学ぶお金のしくみ
「これが「お金」の正体だ! 」

全世界ベストセラー、『Naked Economics』著者による最新作!
お金のしくみと本質が、気軽に楽しくすらすらとわかる!

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です