『ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち』ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロさんのインタビューを含む
株式会社アルクは、アメリカ文学研究者で翻訳家の柴田元幸さんが9人の作家との対話を綴った書籍『ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち』を重版し、11月24日に発売しました。
今年度ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんや、毎年ノーベル文学賞候補として話題となる村上春樹さんを含む9名の作家のインタビュー集です。
世界的作家が肉声で語る「小説の作法」 翻訳家・柴田元幸さんが敬愛する現代作家たちを訪ね、「声」を聴き、そして、翻訳
翻訳家でアメリカ文学研究者である柴田元幸さんが、作家たちを訪れ、小説の作法等について語ってもらったCD付きのインタビュー集です。
ポール・オースター、リチャード・パワーズ、レベッカ・ブラウン、スチュアート・ダイベック、T・R・ピアソンといった、柴田元幸さんが翻訳を行った作家から、カズオ・イシグロさん、アート・スピーゲルマンさん、シリ・ハストヴェットさん、そして、村上春樹さんまで計9人が登場します。
英語インタビューは、柴田元幸さんみずからが編集し翻訳しています。村上春樹さんを除く作家たちの肉声は付属のCDに収録されています。
この本が出来上がるまでに費やした時間は5年
柴田元幸さんが作家全員のインタビューを終えたのは2003年。出版社から著者側への1998年の原稿依頼から、実に5年の月日を費やしたインタビュー集となっています。
カズオ・イシグロさんのインタビューは、2001年のカズオ・イシグロさん来日時に行われたものです。
「我々はみな執事である」――カズオ・イシグロさんの“思想”に触れる
「我々はみな執事である」カズオ・イシグロさんの代表作『日の名残り』に因んだ、この印象的なフレーズについての質問を皮切りに、柴田元幸さんがイシグロ作品の世界観を掘り下げていきます。
インタビュー後半では、小説の伝統的ルールを破ることについて、カズオ・イシグロさんと柴田元幸さんの話は盛り上がりを見せます。
味わい深い英語教材でもある
本書のインタビューページの構成は、左ページが英文、右ページがそれを翻訳した日本語ページとなっています。
柴田元幸さんによる9名の現代作家のインタビュー集というオリジナリティあふれる企画、さらに、作家たちの言葉を味わいながら英語学習ができる教材となっています。
柴田元幸さん プロフィール
著者の柴田元幸さんは、アメリカ文学研究者、翻訳家。1954年東京生まれ。ポール・オースターやリチャード・パワーズ、レベッカ・ブラウンをはじめ、アメリカ文学の翻訳を数多く手掛ける。文芸誌『MONKEY』(スイッチ・パブリッシング)責任編集。
『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクスン』(上・下、新潮社)で日本翻訳文化賞、2017年には翻訳文化への貢献が認められ第6回早稲田大学坪内逍遥大賞を受賞。
月刊誌『ENGLISH JOURNAL』(アルク)にて「英米小説翻訳講座」を連載中。