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『逆さに吊るされた男』地下鉄サリン実行犯/死刑囚との十年を超える交流、実体験をもとに世紀の大事件を描く衝撃の私小説

『逆さに吊るされた男』地下鉄サリン実行犯/死刑囚との十年を超える交流、実体験をもとに世紀の大事件を描く衝撃の私小説

『逆さに吊るされた男』地下鉄サリン実行犯/死刑囚との十年を超える交流、実体験をもとに世紀の大事件を描く衝撃の私小説

田口ランディさんの小説『逆さに吊るされた男』が河出書房新社より刊行されました。

 

地下鉄サリン実行犯/死刑囚との十年を超える交流をもとに完成された衝撃の私小説

1995年3月20日、東京都心部の地下鉄の車内において猛毒サリンが撒布され、死者13名、6000名超の被害者を出したテロが発生。その後、麻原彰晃を教祖とするオウム真理教の一連の犯行が明らかになり、日本を、世界を震撼させました。

著者の田口ランディさんは、実際に、この地下鉄サリン事件実行犯で「殺人マシン」とマスコミに命名された林泰男死刑囚(2008年確定)と、15年近く拘置所の認めた「外部交流者」として、面会や文通を通し交流を重ねてきました。

確定死刑囚の交流者はごく少数に限られる中で、この稀有な体験をもつ著者にしか書きえない「私小説」が完成しました。

かつて、引きこもりの末に餓死した兄を描いた小説『コンセント』で社会現象を巻き起こした田口さんの、真骨頂とも言える作品です。

主人公は作家・羽鳥よう子。「加害者よりの人間」となることへの葛藤を胸に抱きつつ、個人と個人として死刑囚Yと真摯に向き合いながら、主人公自身の問題としてオウム真理教事件を捉えなおした圧巻のラストを、是非その目で目撃ください。

 

『逆さに吊るされた男』の内容

オウム真理教とは何だったのか、私だけが、真実に辿りつけるはず――

地下鉄サリン事件の実行犯で確定死刑囚Yの望みで、外部交流者となった作家・羽鳥よう子。

贖罪の日々を送るYと、拘置所での面会や手紙のやりとりを重ねるうち、羽鳥はこんなに穏やかそうなYが《なぜ、殺人マシンとまで呼ばれるほどの罪を犯したのか》という疑問を抱く。

《警察も、マスコミも、世間も、間違った解釈でオウム真理教事件を過去のものにしてしまった。Yとの出会いは運命。私だけが、事件の真実に辿りつけるはず――》

関係者に会い、教義を学ぶうち、そう確信した羽鳥は、ついにYとの交流をもとに『逆さに吊るされた男』と題した小説を書きだし、独自のオウム解釈にのめり込むのだったが……。

 

田口ランディさん プロフィール

著者の田口ランディさんは、1959年、東京生まれ。

2000年、長篇小説『コンセント』を発表。以来、社会問題や人間の心をテーマに、フィクションとノンフィクションを往還しながら幅広い執筆活動を続けている。作品は映画化や各国語に翻訳され、海外でも高い評価を得ている。2001年、『できればムカつかずに生きたい』で婦人公論文芸賞を受賞。

小説に『アンテナ』『モザイク』『被爆のマリア』『マアジナル』『サンカーラ』『ゾーンにて』『リクと白の王国』『指鬘物語』など、エッセイ/ノンフィクションに『生きなおすのにもってこいの日』『ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ』『いのちのエール』『生きてるって、幸せー!』など多数。

 

 


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