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『美術手帖』11月号はアートをとおしてジェンダーやセクシュアリティを考える

『美術手帖』11月号はアートをとおしてジェンダーやセクシュアリティを考える ▲『美術手帖』11月号表紙 森栄喜+工藤司《Wedding Politics》(2013) (c) Eiki Mori and Tsukasa Kudo

『美術手帖』11月号はアートをとおしてジェンダーやセクシュアリティを考える ▲『美術手帖』11月号表紙 森栄喜+工藤司《Wedding Politics》(2013) (c) Eiki Mori and Tsukasa Kudo

自分の生き方や働き方、恋愛、結婚などを考えるうえで、誰にとっても身近である「性」の問題。固定概念に縛られず、より自由な性を生きるにはどうすればいいのか?

アートを通してこの普遍的なテーマを考える、『美術手帖』11月号が10月17日、美術出版社より発売されます。

 

『美術手帖』11月号の特集は「GENDER IS OVER!?」 アートにおけるジェンダーやセクシュアリティをとりあげる

アニカ・イ、サイモン・フジワラといった国際的に注目を集めるアーティストをはじめ、ジェンダーやセクシュアリティへの視点を含む作品を発表している、ミヤギフトシさん、サエボーグさん、森栄喜さんといった気鋭の日本人アーティストのインタビューを掲載。

また、会田誠さん×柴田英里さん×白田秀彰さんの鼎談では、アーティストである会田さんと柴田さん、そして『性表現規制の文化史』の著者で法学者の白田さんが、「アートとポルノ」をテーマに語り合います。

SNSなどでたびたび「炎上」する性的な表現とその規制をめぐる問題に、様々な視点を与えています。

現在台北で開催中の、アジアの美術館で初となるLGBTQをテーマにした展覧会「光・合作用──アジアのLGBTQと現代美術」のレポートも収録。

 
また、ジェンダーやセクシュアリティとアートの関わりについて、わかりやすく歴史と理論を解説する入門的な2本の論考
「フェミニズムとアート」(岡部あおみさん=文)、「クィア理論とアート」(松井みどりさん=文)など、コラムや論考も多数掲載。

近年日本でも、「多様性」という言葉とともに、LGBTQ(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・クィア)といった性的マイノリティの人々の権利をめぐる議論が活発化しています。

また社会における女性の活躍や、性別にかかわらずあらゆる人が従来の規範にとらわれない働き方を模索する動きも見られます。

いっぽうで、性差やセクシュアリティによる差別や、制度的な不平等が今なお根強いのも、現在の社会的状況だと言えるでしょう。

わたしたちの日常において、ジェンダーやセクシュアリティ、性差といったテーマは、生き方と深く結びつく重要なテーマです。
本特集は、このような「性」について、アートをとおして改めて考える内容になっています。

 

第二特集には、アーティストの奈良美智さんが登場

第二特集には、アーティストの奈良美智さんが登場。

北海道白老町での「飛生(とびう)芸術祭」における個展と滞在制作、地元の人々との出会いと森づくりの活動などについて語ったロングインタビューを収録。

個展「飛生にて」の展覧会風景もたっぷり掲載されています。

「美術家としての成長じゃなくて、もっと人間的な、人生における成長」と語る、飛生での創作活動に迫る内容となっています。

 

美術手帖2017年11月号
特集
GENDER IS OVER!?
性をめぐるアートと想像力

現代を生きる私たちは、性に関する思い込みから、
どれだけ自由でいられるだろうか?
近年LGBTという言葉が広く知られるようになり、
女性や性的マイノリティに関する施策を進める企業も増えてきた。
いっぽうで世界各地での保守主義の台頭や、
SNS上での性差にまつわるトピックの炎上も目立つ。
そんないまこそ、アートをとおして、
ジェンダーやセクシュアリティについて改めて考えてみたい。
固定的なジェンダー規範には別れを告げながら、
いっぽうで「ジェンダー論なんてもう古いんじゃない?」という声には、
「本当にそうかな?」と疑問を投げかける。
私たちの性に関する考えを、揺るがし、広げ、ときに脅かし、
勇気づけてくれる、そんなアーティストたちの作品や表現を紹介する。

SPECIAL FEATURE
GENDER IS OVER!?
性をめぐるアートと想像力

PART1 アーティストの表現と実践に迫る
Gender and Sexuality in Art Now!
ジェンダーを揺さぶるアートの最前線
アニー・スプリンクル・アンド・ベス・スティーブンス/
ヘルナン・バス/ゲッラ・デ・ラ・パス/ケント・モンクマン/
サム・テイラー・ジョンソン/アドリアナ・ミノリーティ/
ポーリン・ボードリ/レナーテ・ロレンツ/エルムグリーン&ドラッグセット/
遠藤麻衣/レン・ハン/ブカ・ワルン/ユキ・キハラ

アーティスト・インタビュー
アニカ・イ
サイモン・フジワラ
ミヤギフトシ
サエボーグ
森栄喜
カシャ・フダコウスキ

最新展覧会&美術館レポート
「光・合作用──アジアのLGBTQと現代美術」展
「クィア・ブリティッシュ・アート1861-1967」展
「ゲイ美術館*」キュレーター ビルギッド・ボゾルト インタビュー

鼎談:会田誠×柴田英里×白田秀彰
アートとポルノ 性に関する表現を巡って

PART2 歴史と理論をより深く知る
フェミニズム+クィア・アート史入門
1.フェミニズムとアート 岡部あおみ=文
2.クィア理論とアート 松井みどり=文

対談:笠原美智子×小勝禮子
美術館とジェンダーをめぐる30年の戦い

コラム1:白でもなく、黒でもなく 蘆田裕史=文
コラム2:まだ-ここにないクィアネス:
ホセ・E・ムニョスが読むフェリックス・ゴンザレス=トレス
井芹真紀子=文
コラム3:なぜ女性の偉大な戦争画家がいなかったのか
──谷口富美枝の場合 北原恵=文
コラム4:未確定な「私」の物語:
ニュー・クィア・シネマと実験映像 松井みどり=文

論考:ロシア現代美術におけるフェミニズムとLGBT 鴻野わか菜=文
論考:アートは性に対してリベラルか?
──アートワールドの社会学 竹田恵子=文

SPECIAL FEATURE
奈良美智
飛生での森づくりと制作
天野太郎=聞き手・文

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ARTIST INTERVIEW
FX ハルソノ FX Harsono
廣田緑=聞き手

 


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