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『こころの終末期医療』誰もが人生で一度は経験する、 終末期患者の魂の痛みに迫る

『こころの終末期医療』誰もが人生で一度は経験する、 終末期患者の魂の痛みに迫る

『こころの終末期医療』誰もが人生で一度は経験する、 終末期患者の魂の痛みに迫る

フォレスト出版より、入江吉正さん著『こころの終末期医療』が刊行されました。

著者はこれまでに脳梗塞などで3度の入院を繰り返し、その時に抱いた心の痛みについて葛藤してきました。そして、その正体を探り、脱出すべく、取材を試みました。スピリチュアルペインを乗り越えて安らかに亡くなられた方、そこから脱出できずに亡くなられた方……さらに、最期を看取る家族や医療スタッフまで、スピリチュアルペインというテーマを軸に悲喜こもごもストーリーが展開します。

 

もし、あなたが余命1年と宣告されたら……

人は死を意識した時に生じる痛みが存在します。治療後の痛みや後遺症で、今までできていたことができなくなってしまう身体的苦痛。治療費やこれからの生活に不安を抱く経済的苦痛、家族や周りの人に迷惑をかけてしまうという社会的苦痛です。

しかし、患者にとっての最も大きな痛みには、「魂の痛み=スピリチュアルペイン」というものがあります。スピリチュアルペインとは、

「死ぬことが怖くて不安でしょうがない」
「孤独でつらい」
「自分の世界が壊れたみたいで生きていることが苦しい」
「自分の生きる意味や価値がわからなくなった」
「なぜ自分だけこんなつらい苦しみを味わわなければならないのか」
「家族と二度と会えなくなると思うとつらい」

というような、心の内面にそった痛みです。

この本は、過去に3度、脳疾患の病気に襲われた老ジャーナリストの著者が、スピリチュアルペインを感じ、現在も半身不随の後遺症と闘いながら執筆を始めました。

「人はなぜスピリチュアルペインを抱くのか?」

「そして、それをどう乗り越えて生きていくのか?」

「また、どう死んでいくのか……」

自分自身も抱いたスピリチュアルペインから脱出を試みつつ、取材を通じながら、その本質に迫っていきます。

“もし、あなたが余命1年と宣告されたら……?”

誰もが人生の最期を迎えるまでに必ず抱くスピリチュアルペインに、どう立ち向かっていけばいいのでしょうか。

 

終末期患者と向き合う人たちは、彼らをどう導いていくのか?

このスピリチュアルペインについて、終末期医療の現場から聖路加国際病院のチャプレンのたちの話を聞いています。多くの終末期患者が抱いた葛藤、それをどう乗り越えていったのか、さらに現場のスタッフはどう対応していったのか、その家族についてなど、実際の話を通じてその克服法が紹介されています。

また、かつて著者が取材して出会った人たちから、スピリチュアルペインをどう乗り越えていったかも綴っています。

・参議院議員の三原じゅん子さん
・元横浜ベイスターズ投手の故・盛田幸妃さん
・女優の音無美紀子さん
・華道家の假屋崎省吾さん
・俳優の故・萩原流行さん
・元NHKアナウンサーの山川静夫さん
・日産GT-R開発者の水野和敏さん

人生に一度は必ず抱く魂の痛みを知るとともに、「いい人生だった」と言える生き方について考えさせられる一冊です。

 

本書の目次

まえがき 魂の痛みに立ち向かう旅へ

第一章  死に直面して初めて気づく魂の痛み

第二章  なぜ人はスピリチュアルペインという痛みを抱くのか?

第三章  スピリチュアルケアに向けての旅

第四章  スピリチュアルケアの現場から心の救いを見つける

第五章  心の安寧と幸福を求めて

あとがき 旅の終わりに

 

入江吉正さん プロフィール

著者の入江吉正(いりえ・よしまさ)さんは、1952年佐賀県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務ののち、雑誌編集者に。『月刊文藝春秋』(文藝春秋)、『週刊ポスト』の記者を経て、現在フリージャーナリスト。『月刊文藝春秋』記者時代、同誌2000年12月号で「『バスジャック少年』両親の手記」を発表し、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞スクープ賞」を受賞。

2度の脳疾患で死の瀬戸際に立たされ、さらに3度目の脳梗塞により半身麻痺を患い、現在も療養しながら精力的に取材・執筆活動を続けている。

著書に『死への扉~東海大安楽死殺人』(新潮社)、『早期発見~「シグナル」を見逃すな!』『お医者さんが教える気になる病気のサイン』(以上、大空出版)、『ある日、わが子がモンスターになっていた~西鉄バスジャック犯の真相』(ベストブック)、『漂流する国ニッポン~3・11大震災・福島原発事故で見えた“誰も責任を取らない国”の実相』(フォレスト出版)などがある。

 

こころの終末期医療 (フォレスト2545新書)
「聖路加国際病院チャプレン」たちの終末期ケアの現場を通じて、“痛み”の正体を知り、乗り越える方法を探る。

 


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