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『名門校「武蔵」で教える東大合格より大事なこと』謎に包まれている名門進学校の実態を描いた、爆笑必至の学校ルポルタージュ

『名門校「武蔵」で教える東大合格より大事なこと』謎に包まれている名門進学校の実態を描いた、爆笑必至の学校ルポルタージュ

『名門校「武蔵」で教える東大合格より大事なこと』謎に包まれている名門進学校の実態を描いた、爆笑必至の学校ルポルタージュ

おおたとしまささん著『名門校「武蔵」で教える東大合格より大事なこと』が、集英社より刊行されました。

 

謎に包まれている名門進学校の実態に迫る、爆笑必至の学校ルポルタージュ!

中学受験において男子御三家の一角と称される私立・武蔵高等学校中学校では、進学校らしからぬ驚愕の授業が繰り広げられています。

校内でやぎの世話をしたり、きのこを探したり、1学期かけて石を削ったり…。それでも難関大学への進学者は多数。さらに各種コンテストでも世界レベルの受賞者を輩出しています。

いったい、なぜ? 本書は、そんな奇妙な進学校で行われている教育の本質を描いた“笑撃”の学校ルポルタージュです。

 

『名門校「武蔵」で教える東大合格より大事なこと』の内容

 
【目次・見出し&本文より】

◆はじめに

 
◆第1章 ひつじになるな、やぎになれ!

武蔵の校内にはやぎがいます。生徒たちが世話をしているのですが、その監督をしているのは理科の教員……ではなくて、なんと数学の教員!? おまけに、「ひつじになるな、やぎになれ! これが私のメッセージです」なんて言い始める始末。

さらに、校内を歩いていると「きのこを集めると成績が上がる」という噂に出合ったり、英語の授業を見学すると図画工作をしている生徒がいたり……。どういうこと?? 

 
◆第2章 目指しているのは“モヤモヤ”を残す授業

武蔵は入試問題も授業も超個性的。理科では毎年「おみやげ問題」と称して、受験生にネジなどの物体が配られ、それを観察させ気付いたことを記述させます。ある年にはミカンが配られ、試験中に食べてしまった受験生もいたとか。

授業では、2か月かけて石を削ったり、校内にある樹木の本数を数えたり……。「俺たち、何でこんなことしてるんだろう」という生徒たちの叫びが響きます。

 
◆第3章 大学受験期に優秀生を海外で一人旅させる

教育内容が非常に豊かな武蔵ですが、校外学習も充実しています。中1では泊まりがけで山登りをする「山上学校」や地学巡検。中2では遠泳を体験する「海浜学校」。中3では綿密に予定を立てた上で天文実習に臨みます。また、第二外国語学習者には高3の春に国外研修制度も。

これだけ校外学習が充実している武蔵に無い行事。それが修学旅行です。生徒たちは「武蔵の文化と修学旅行は相性が悪い」と言うのですが……。

(写真左:校門の様子  写真右:校内にいるヤギの世話をする生徒たち)

(写真左:校門の様子  写真右:校内にいるヤギの世話をする生徒たち)

 
◆第4章 小惑星探査機「はやぶさ」を生んだ天文台

生徒たちの間で評判の「名物部活」があると聞き、著者はそれぞれを訪れます。太陽観測部は、校舎屋上の部室に集まって、太陽の観察に明け暮れる天文マニアたちの秘密基地。民族文化部は、部室に甲冑や土器が飾ってある、歴史・地理オタクたちの聖地。生物部は、青春をかけてたぬきの糞を集める日々。そして、サッカー部員たちは「メンズノンノ」にでも登場しそうな爽やかスポーツマン。

さまざまな現役生たちの取材を通し、武蔵生の素顔に迫ります。

 
◆第5章 現実離れした極論をぶつけ合え!

武蔵を卒業する直前の高3生を集めて座談会を開き、6年間の学校生活を振り返ってもらっています。彼らの口から出てくるのは、母校への愛着と称賛ばかり。武蔵の先生たちは「かわいい」らしいのですが、その真意は?

また、国際地学オリンピックに出場した生徒いわく、武蔵で培った思考力は世界でも通用したというのですが、武蔵の教育はどのような能力を育てているのでしょうか。

そして、彼ら卒業生が絶賛する、ユーモアに満ち溢れた卒業生答辞とは?

 
◆第6章 時が経つほどに沁みる武蔵の価値

以下の5人のOBたちに取材をし、母校の「価値」について語ってもらっています。
(1) 湯浅誠さん(法政大学教授)
(2) 國中均さん(JAXA、「はやぶさ2」プロジェクトマネージャー)
(1) 河合祥一郎さん(東京大学教授)
(2) 五神真さん(東京大学総長)
(3) 三島良直さん(東京工業大学学長)

 
◆第7章 校長は芸大出身

口元には髭をたくわえ、頭は長髪。東京芸術大学の出身で、現役オペラ歌手でもある校長・梶取弘昌先生。超・個性派の武蔵を束ねる長は現代社会に対して、どのような見方を持っているのでしょうか。そして、武蔵の教育の根底にある哲学とは、どのようなものなのでしょうか。

校長や先生方の座談会を通して、武蔵という学校を貫く教育理念や校風に迫っています。これまでの「モヤモヤ」に答えが与えられる、種明かしの章です。

◆おわりに

(写真左:名物部活「民族文化部」の部室。土器や人骨も並ぶ。  写真右:東京芸術大学の出身で、現役オペラ歌手でもある校長・梶取弘昌先生。)

(写真左:名物部活「民族文化部」の部室。土器や人骨も並ぶ。  写真右:東京芸術大学の出身で、現役オペラ歌手でもある校長・梶取弘昌先生。)

 

おおたとしまささん プロフィール

著者のおおたとしまささんは、教育ジャーナリスト。1973 年東京生まれ。麻布中学・高校卒業、東京外国語大学英米語学科中退、上智大学英語学科卒業。株式会社リクルートから独立後、数々の育児誌・教育誌の編集にかかわる。

教育や育児の現場を丹念に取材し、斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。心理カウンセラーの資格、中高の教員免許を持ち、私立小学校での教員経験もある。

著書は『名門校とは何か?』(朝日新書)、『男子御三家』(中公新書ラクレ)、『ルポ塾歴社会』(幻冬舎新書)など約50冊。

 

名門校「武蔵」で教える 東大合格より大事なこと (集英社新書)
この学校、名門校? それとも、迷門校? 実は、めぇ~門校!?

なんと校内の一等地にやぎがいる。英語の授業で図画工作。おまけに、きのこを見つけたら成績が上がる!?
時代が急速に変わりゆく中、恐ろしいほどのマイペースさで独特の教育哲学を守り続ける名門進学校がある。それが本書の舞台、私立武蔵中学高等学校だ。
時に理解不能と評されることもある武蔵の教育が目指しているものとはいったい何なのか……。
斬新な視点から数々の学校や塾を論じてきた気鋭の教育ジャーナリストが、塾歴社会「最後の秘境」で問いかける「学校とは何か?」「教育とは何か?」。”笑撃”の「学校ルポルタージュ」。

 


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