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『日本の技術力をもつ半導体メーカーに外資系スピード感を取り入れたら働きがいのある会社に生まれ変わった』組織、制度、意識の改革……やりがいと働きやすさのために必要なこととは?

石合信正さん著『日本の技術力をもつ半導体メーカーに外資系スピード感を取り入れたら働きがいのある会社に生まれ変わった』

石合信正さん著『日本の技術力をもつ半導体メーカーに外資系スピード感を取り入れたら働きがいのある会社に生まれ変わった』

石合信正さん著『日本の技術力をもつ半導体メーカーに外資系スピード感を取り入れたら働きがいのある会社に生まれ変わった』が幻冬舎メディアコンサルティングより刊行されました。

 

技術力と協調性に優れた日本企業、明確な評価基準や法令遵守を徹底する外資系企業、それぞれの優れた特徴を融合し働きがいのある会社へと変革せよ!

希望する会社に入社し、働いている人のなかで「働きがいがある」と感じている人はどれだけいるでしょうか。

 
働きがいとは、やりたい仕事に挑戦できる「やりがい」と、快適な環境で働ける「働きやすさ」が備わっていることです。しかし残念なことに、日本企業においては「やりたい仕事に挑戦するチャンスが少ない」「評価があいまい、あるいは不公平で努力に対する見返りがない」「法令や従業員の安全を守ろうとする意識が弱い」などの理由から「働きがいがある」と感じている人は多くないと著者は考えます。

 
外資系企業には、個人に大きな裁量を与えてやりがいを感じさせたり、明確な評価基準を設けて成果に応じた報酬を与えたり、コンプライアンスを守って働きやすい職場を提供したりしている企業がいくつもあります。
一方、日本企業にも高い技術力や従業員同士の協調性など数々の長所があります。

合計5社の外資系企業の要職を歴任した著者は、これらの「いいところ」を融合させることで、「働きがいのある会社」をつくることが可能だと言います。

 
本書では、著者が日本企業の半導体メーカーであるエイブリックの代表取締役就任後に行った改革の軌跡をまとめています。

当初、エイブリックは通信関連にシェアをもっていたものの、成長は頭打ちで「働きがい」があるとはいい難い会社でした。しかし、ピラミッド型組織を廃止、従業員の能力を高める人事制度の構築などさまざまな改革を推し進めた結果、従業員の能力が大いに発揮され、新製品の開発も進みました。今では通信関連だけでなく、自動車用途や医療用途などへの進出も果たし、業績も右肩上がりに伸びています。

日本の企業がより魅力的な企業に生まれ変わり、勢いを取り戻すきっかけとなる一冊です。

 

本書の構成

第1章 日本企業と外資系企業の要職を歴任してきた経営者が挑む、「働きがいのある会社」とは――
・最近、多くの日本人は働きがいを感じていない
・「働きがいのある会社」とは
・「スーパー外資系企業」は働きやすさ向上に注力している
・外資系企業でやりがいが得られる理由
・自分のキャリアを自己責任でデザインする外資系企業
・社会貢献を実感できる企業
・働きやすさとやりがいを兼ね備えた外資系企業

第2章 働きがいが感じられなかった半導体メーカー、そこには日本企業特有の弱点があった!
・「技術立国日本」への強い思い
・「日本式×外資系式」で成果を上げたアリスタ ライフサイエンス
・高い技術力と優秀な人材とがあったエスアイアイ・セミコンダクタ
・成長を続ける半導体業界
・日本企業に特有の4弱点
・日本企業のビジネスパーソンに特有の4弱点
・弱点を改善すれば働きがいは向上する

第3章 ピラミッド型組織を廃止し、多様な人材が活躍できる組織をつくれ!
・ピラミッド型組織が抱える3つの弱点
・「やらされ仕事」は誰にとっても苦痛
・夢中になって取り組む仕事が成長をもたらす
・階層を減らして筋肉質な組織に変更
・組織が変わったことでリーダーシップの形も変化
・世界中の拠点を一つにまとめる工夫
・横のつながりを強めるためプロジェクトチームを結成
・プロジェクトチームづくりのヒント「ワークアウト」
・広報・コミュニケーション部門を強化した結果
・ブランディング活動は従業員のモチベーションアップももたらす

第4章 消極的な受け身体質を改善し、積極的に市場を動かす企業へと舵を切れ!
・大企業が成熟期・衰退期を脱するには
・「守り」から「攻め」への独立が出発点
・従業員との面談で意識統一を図った
・営業部門の意識を180度変える「値戻し活動」の開始
・構造的に下がり続けていた半導体単価
・「お客さまは神様」という行き過ぎた思い込み?
・値戻しが成功すれば営業職の人生が変わる
・完了日と「マイルストーン」をきちんと定め目標を達成する
・社名をエイブリックに変えた意義

第5章 年功序列の賃金体系を廃止し、従業員の能力を飛躍的に高める人事制度をつくれ!
・全従業員が経営方針を理解しているから仕事がやりやすい
・モチベーションを高める人事評価制度
・グローバル人材に必要な英語力とは
・グローバル人材に必要な3要素+ITリテラシー
・自分のキャリアを自分で決められる社内公募と社内FA
・「たたえる文化」を社内に広めるエイブリックアワード
・テレワーク、サテライトオフィスをいち早く導入

第6章 徹底的にムダを排除し、従業員の業務効率を向上させる仕組みをつくれ!
・本業に打ち込む時間を増やすため会議を改革
・女性の優れたリーダーシップで改革する「A―WIN」
・ISO14001取得など、環境・安全衛生の取り組みを進める
・全世界からアクセスできる新会計システムを導入

第7章 未来へバトンをつなげ! 日本発グローバル企業のロールモデルを目指す
・「従業員がわくわくしながら働ける職場」が改革のカギ
・日本企業と外資系企業の良さを融合してアップグレードする
・他企業や研究機関とグローバル連合体づくりを目指す
・働きがいをさらに高め「人材輩出企業」へと進化
・日本発の成功モデルを打ち出すため改革を続ける

おわりに

 

著者プロフィール

著者の石合信正(いしあい・のぶまさ)さんは、1953年生まれ、東京都出身。開成高等学校、慶應義塾大学卒業。エイブリック株式会社 代表取締役社長兼CEO。

1978年住友重機械工業に入社、企画管理や東南アジア地域の貿易を担当。
1986年バイエルに入社、日本統括マーケティングとセールスのゼネラルマネジャーとなる。
1993年日本ゼネラル・エレクトリックに入社、2001年に設立されたGEポリマーランドジャパンの社長を務める。
2002年インベンシスに入社、アジア上席副社長に就任。
2005年アリスタ ライフサイエンスに入社、日本・アジア・ライフサイエンス事業統括CEOに就任。
2011年キャボットに入社、キャボットジャパン代表取締役社長に就任。
2016年エスアイアイ・セミコンダクタに入社、代表取締役社長に就任。
2018年エスアイアイ・セミコンダクタはエイブリックに社名変更し、代表取締役社長兼CEOに就任。
2020年エイブリックとミネベアミツミグループが経営統合し、2022年ミネベアミツミ株式会社の専務執行役員、半導体事業部門長を兼任。

 

 


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