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『ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで』挑戦しつづけた者にしか、その景色は見られない――世界を変えたいなら、目の前の常識を覆せ!

リチャード・スノーさん著『ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで』(訳:井上舞さん)

リチャード・スノーさん著『ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで』(訳:井上舞さん)

ディズニーランドの構想発案から誕生に至るまでを関係者の綿密な取材により明らかにした、リチャード・スノーさん著『ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで』(訳:井上舞さん)がハーパーコリンズ・ジャパンより刊行されました。

 

世間からの批判、嘲笑、度重なる挫折に底をつく資金……それでも諦めなかった者の熱狂ドラマがここにある!

カリフォルニア州アナハイムに広がる農地。ウォルト・ディズニーはその地を見渡しながら、「大人も子どもも楽しめる、誰も見たことがないようなテーマパークをつくりたい」と想像していました。

 
当時、遊園地やテーマパークは「稼げない廃れたビジネス」というイメージが定着していた時代。しかし「そんな計画は絶対に失敗する」「無謀だ」という世間の声をはねつけ、今や世界中の人びとから愛されつづける世紀のアミューズメントパークを創り上げることに成功しました。

また、その陰には、天才ウォルト・ディズニーと、エンジニア、建築家、アーティスト、アニメーター、造園家など彼によってその才能を見出された何十、何百という多くの人材の支えがありました。

 
本書には幾度もの挫折、腹心の部下が目にしたウォルトの涙、奇跡のような逆転劇のほか、歴史雑誌の編集長を17年務め数多くのドキュメンタリーの監修もおこなう著者が丁寧な取材を重ねることで知り得た唯一無二のテーマパーク誕生時の秘話やエピソードが満載。

ディズニーランドの開園の数年前からウォルト・ディズニーが亡くなるまでを時系列で追いながら、時計職人並みの緻密さ、高い芸術性、リスクを顧みない鋭い直感を兼ね備えたウォルト・ディズニーという男の素顔を浮き彫りにしています。

 
そしてウォルト・ディズニーの名言や哲学も多く登場。

◆ディテールにとことんこだわる
パーク内の線路に敷く砂利や、地上12メートルの高さにある手すりひとつにもウォルトは「リアル」を追い求めた

◆「清潔であること」は絶対条件
当時の遊園地は雑多で汚れているところが多く、清潔にこだわるウォルトの行為は「金の無駄遣い」と揶揄された

◆新しいものを恐れない
新しい「テレビ」という媒体を映画業界は「敵」とみなしたがウォルトはいち早くそこに可能性を見出す

◆進化しつづける
トライアル&エラーを繰り返し、日ごとディズニーランドは進化をつづける。
ウォルトは言う。「ディズニーランドは完成することがない」

 
ウォルトがビジネスを遂行する上で大切にしてきた考え方、そして時に必要となる大胆な英断など、いまを生きるわたしたちにとっても大切な要素が詰まっている伝記です。次々とビジネスが淘汰され、常に革新性が求められるいまの時代だからこそ、おススメの一冊です。

 

本書より(一部抜粋)

 
◆「なぜ遊園地を?」パークの足場の陰でジャーナリストに質問されたとき、ウォルトの答えはいたってシンプルだった。「この20年というもの、何か自分だけのものが欲しいと思っていたんだよ」

 
◆ディズニーランドを特別な場所にするもうひとつのものは、清潔さだった。ウォルトはそのことを、計画当初から強調してきた。そして今、建築資材のさびかけた鉄くずがそこかしこに散らばる敷地を歩き回り、オープン後もごみでいっぱいになるのではと心配になった。ウォルトは、園内で販売するアイスクリームの棒に、平らなものしか認めなかった。「丸い棒のものは売らない。お客がつまずくかもしれないから」とはいえ、つまずくものを探すほうが大変になりそうだった。ごみは数分だろうと落ちたままにしておかないとウォルトは決めていた。園内を清潔に保つため、アメリカン・ビルディング・メンテナンスと契約したのだが、より高い水準の清掃サービスがディズニーランドには必要だと気づく。そこで、高級ホテルや豪華客船をモデルとして、自分が求める清潔さとは何か、アメリカン・ビルディング・メンテナンスの責任者であるチャック・ボヤージンと話し合いを続けた。

 

本書の構成

第1章 1955年7月17日 日曜日 午前4時
第2章 ディズニーランドとの出会い
第3章 ネズミにつけるにはひどい名前
第4章 鉄道博覧会
第5章 庭を走る蒸気機関車
第6章 衰退する遊園地
第7章 ミニチュアの世界
第8章 始動
第9章 バズとウッディ
第10章 オレンジ郡
第11章 密かな買収
第12章 ロイ・ディズニー
第13章 世界のどこにもない場所
第14章 崖っぷちのテレビ局
第15章 アイデアを売り込む
第16章 イマジニアたち
第17章 海軍大将
第18章 ジャングルをつくる
第19章 アロー社
第20章 ハリエットと模型工房
第21章 本物の鉄道
第22章 未開拓地の王
第23章 スポンサー探し
第24章 スタッフ教育
第25章 ポニー・ファームの誕生
第26章 ジャングルクルーズに必要なもの
第27章 ゾウの乳しぼり
第28章 期待を背負ったオートピア
第29章 未来のロケット
第30章 お城のゲートをくぐって
第31章 完璧主義者
第32章 ルースの役目
第33章 労働組合との衝突
第34章 開業までのカウントダウン
第35章 光陰矢の如し
第36章 ディズニーランドの幕開け
第37章 幕開けの舞台裏:暗黒の日曜日
第38章 ダメージ・コントロール
第39章 価値のあること
第40章 プラシング
第41章 山とモノレール
第42章 ディズニーランド1959
第43章 アメリカから世界へ
第44章 天国の神様を訴える
第45章 理想郷と批判
第46章 史上最高の都市計画
第47章 別れのとき
第48章 終わらない夢

 

著者プロフィール

著者のリチャード・スノー (Richard Snow)さんは、アメリカの歴史専門誌『アメリカン・ヘリテージ』の編集長を17年間務めたのち、歴史映画のコンサルタントに。「Glory」や「The Civil War」など数多くのドキュメンタリーの監修を行う。

また、歴史小説家の顔も持つ。2016年出版の『Iron Dawn: The Monitor, the Merrimack, and the Civil War Sea Battle That Changed History,』は、優れた海軍文学に贈られるサミュエル・モリソン・アワードを受賞している。

 

ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
リチャード スノー (著), 井上 舞 (翻訳)

世界を変えたいなら、目の前の常識を覆せ――

世間からの批判、嘲笑、度重なる挫折に底をつく資金。
それでも諦めなかった者の熱狂ドラマがここにある!

今こそ読みたい壮大ノンフィクション。
夢の国をつくったのは、リアルで泥臭い、人間の挑戦のストーリーだった――

リスクを顧みない直感と決断力、そして優れた芸術性とディテールにこだわる緻密さを兼ね備えた天才ウォルト・ディズニー。世紀のアミューズメントパークをこの世に生み出したひとりの男と、彼によって見出された、何十、何百という優秀な人々の知られざる闘いとは――。綿密な調査と取材で明かされる、ディズニーランド誕生の裏側。

今を生きるイノベーターたちに贈りたい、話題の書!

 


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