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『「働かないおじさん問題」のトリセツ』あなたの会社の「働かないおじさん」が活き活きと働き出す!

難波猛さん著『「働かないおじさん問題」のトリセツ』

難波猛さん著『「働かないおじさん問題」のトリセツ』

難波猛さん著『「働かないおじさん問題」のトリセツ』が、アスコムより刊行されました。

 

「サボリーマン」「窓際族」はもう古い! 新しいタイプの働かないおじさんが登場

著者の難波猛さんは、これまで人事コンサルタントとして、200社以上で人材育成に関する相談に乗り、2000人以上の中高年のキャリア開発に携わってきました。いまビジネス系の媒体や、全国紙などでも記事として取り上げられ話題になっている「働かないおじさん問題」のスペシャリストです。

 
「働かないおじさん」というと、みなさんはどんな人を想像しますか?

 
◎一日中、新聞やスマホばかり眺めて仕事をしない人
◎営業に行く振りをして、社用車で居眠りをしている人

 
しかし、こうした人々の多くは、今や早期退職などの対象になり、職場から姿を消しているケースが多いとのこと。

今、問題になっているのは「真面目にコツコツ」働いてきたのに、働かないおじさん扱いされてしまう、いわば「ニュータイプの働かないおじさん」です。DX・リモートワーク・コロナ禍などVUCAと呼ばれる急激な社会の変化に対応ができなくなったり、会社が求める人材像から少しずつズレてきたことが主な原因です。

 
難波さんによると、以下の5つに大別されます。

◆元エース型(変化へのアップデート不足)
若い頃に高い成果を残した「カリスマ社員」だったため、自分のやり方に自信がある分、時代の変化にやり方が合わなくなっていることに気づかず、周囲に「善意の指導」をして煙たがられてしまう。

◆勘違い型(期待役割のミスマッチ)
DX/リモートワーク/ジョブ型雇用等、会社や社会の環境が変化し新たな役割が求められているのに、それに気づかずに、若いころからの働き方を真面目に続けてしまう。

◆燃え尽き型(モチベーションの低下)
若い頃はバリバリ働いていたのに、年月が経つにつれてやる気を見失ってしまう。

◆梯子外され型(ポジションの消滅)
かつて研究職だったが、構造改革で部署がなくなり、営業に異動になったようなケース。

◆Windows2000型(報酬と成果のギャップ)
元々は、「年収2000万超の窓際族」という意味だったが、最近では、「バージョンアップが出来ず、給与に見合う成果が出せなくなってしまった」社員に対しても使われる。

 
働かないおじさんの定義は、今や多岐にわたっています。あなたも実は「働かないおじさん」に該当する一人かもしれません。

 

心理学やキャリア論を駆使した、オリジナルの面談でおじさんが変わる

では、どうすればいいのか。基本的には本人と上司や人事担当者が真剣に「働かないおじさん問題」と向き合い、今後どうすれば会社で活躍できるのかを話し合います。

 
ただし、年齢も高く、社会人としてのキャリアも十分に積んできたおじさんたちは、簡単には変化できないケースが多いのです。今までの自分の頑張りを否定されるような気持ちになるからです。

だからと言って、上司が強権を発動しても、お互いに「しこり」が残りますし、おじさん本人のモチベーションも上がりません。

 
難波さんは、アドラー心理学や心理的安全性、キャリア論のメソッドを駆使した、オリジナルの「フィードバック面談」で、おじさん本人が納得のうえ、自ら前向きに働き出すための方法論を提唱しています。

 
面談は以下の5つの段階を踏んで、定期的に実施します。

1.【合意を得る】
 おじさんに現状を認識してもらい「変わる」「改善を目指す」ことに合意してもらう。

2.【不協和を創る】
 厳しい状況や都合の悪い事実も伝え、向き合ってもらう。

3.【話すより聴く(傾聴)】
 上司が説教するのではなく、本人の言い分を否定せずに耳と心を傾けて聴く。

4.【行動と事実について話す】
 「性格」や「人間性」を批判・指摘するとハラスメントリスクが上がるため、あくまで「行動」「事実」に基づいて指導をする。

5.【諦める(明らかに見極める)】
 4までで本人の意識が変わればOK。3~6ヶ月指導をして変わらない場合は、本人と新しいキャリアや処遇を話し合う。難波さんの経験上、早い人だと3ヶ月もあれば、前向きに働き出すことができます。

 
書籍内には、上記のフィードバック面談で、前述した元エース型、勘違い型、燃え尽き型、梯子外され型、Windows2000型のおじさんたちが、前向きに働き出し、生産性をアップさせた事例が掲載されています。また、巻末には、キャリア論の第一人者として知られる法政大学、田中研之輔教授との対談も収録。

 

本書の構成

はじめに

第1章 「働かないおじさん」問題とは何か

第2章 問題解決を遅らせている「3すくみ」

第3章 「働かないおじさん」を生む3つのズレ(人事向けトリセツ)

第4章 「働かないおじさん」戦力化の5ステップ(上司向けトリセツ)

第5章 「働かないおじさん」が変化する4ステージ(本人向けトリセツ)

第6章 もしも「働かないおじさん」と同じ部署になったら?

第7章 人生100年時代、活き活きと働くキャリア戦略

特別対談 ミドルシニアが輝くために

 

著者プロフィール

著者の難波猛(なんば・たけし)さんは、1974年生まれ。早稲田大学卒業。マンパワーグループ株式会社シニアコンサルタント。

出版社、求人広告代理店を経て2007年より現職。人事コンサルタント、研修講師として日系・外資系企業を問わず2000人以上のキャリア開発を支援。人員施策プロジェクトにおけるコンサルティング・管理者トレーニング・キャリア研修等を100社以上担当。官公庁事業におけるプロジェクト責任者も歴任。

 

「働かないおじさん問題」のトリセツ
難波 猛 (著)

様々な業界で約2000人の中高年キャリア開発を手がけた人事コンサルタントが、心理学、キャリア論に基づいた「働かないおじさん問題」の解決策を伝授します! !

「働かないおじさん問題」でお悩みの人事部のみなさん、上司のみなさん、ミドルシニア本人、なぜ、問題がなかなか解決しないのでしょうか。

次に紹介することわざに、そのヒントが隠れています。

「馬を水辺につれていけても水を飲ませることはできない」
馬は無理やり引っ張って水辺に連れていくことはできても飲むことまでは強制できません。馬が自発的に飲もうとしない限り、水を飲ませることはできないのです。

仮に、上司や人事が職務権限で「働かないおじさん」を無理に変えようとしても、いい結果には結びつかないでしょう。「働かないおじさん」本人の感情や意思を伴わない変化はすぐに陳腐化します。

では、どうすればいいのか。
それは、働かないおじさん本人が周囲からの適切な働きかけをきっかけに自らの意思で、自らの人生を充実したものにするために前向きに変化に踏み出すことが重要なのです。

「綺麗ごとを言うな」と思われるかもしれませんが、その方法はあります。本書に掲載されています。

ただし、簡単にできるというわけではありません。
その方法を実践するにあたり、一つの条件があります。
それは、「働かないおじさん問題」は、本人だけでなく、上司、人事にも責任や問題があることを自覚し、三位一体となって問題の解決に取り組む覚悟を持つことです。
本人、上司、人事の3者が本気になって問題解決に協力してまい進する体制を実現できれば事態は大きく前進します。

本書では、問題解決のための環境づくりも含めて「何を、どうすればいいか」詳しくご紹介しています。ぜひ、ご一読ください。

 


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