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『ワインの嘘』ワインに教養はいらない!むずかしい・わからないの呪縛を解く、アウトローなワイン論!

宮嶋勲さん著『ワインの嘘』

宮嶋勲さん著『ワインの嘘』

宮嶋勲さん著『ワインの嘘』が、大和書房より刊行されました。

 

「ワインは好きだけど、よくわからない」人へ ―― ワインは理屈抜きで楽しむことが一番!

ワイン好きには「ワインについて何も知らないので」と恥じ入る人もいるが、そもそもそれはおかしいのではと感じ、ワインは理屈抜きで自由に楽しめるものではないかと本書の著者・宮嶋さんは語ります。

しかしなぜかワインは「わかる必要がある」とか「楽しむには知識がいる」といった奇妙な誤解が幅を利かせています。本書は、不毛な「ワイン信仰」を捨て、好きなようにワインを楽しむための本です。

 
以下に本書を一部紹介します。

 
◆「間違う自由」を謳歌しよう

ワインに関するやマナーが招く最大の弊害は、ワインを心おきなく楽しめなくなることである。

いつも思い出すのは有名な落語のそばつゆのエピソードだ。蕎麦の食べ方にうるさい江戸っ子がいて「そばはつゆをたっぷりつけてしまったら、香りがわからなくなるから、一寸か二寸だけつゆをつけてさっと食べる。それが粋ってもんだ」と講釈を垂れていたが、死ぬ前に「なにか、思い残すことはないか」と尋ねる友人に「一度でいいから、そばに、つゆをたっぷりつけて食べたかった」と告白したという話だ。

蘊蓄に縛られなければ、つゆをたっぷりつけて食べてみて、満足することができただろう。一度つゆをたっぷりつけてみたら、やはりこれは辛すぎるとこりて、自主的に端だけつける「粋な」やり方に戻っていたかもしれない。ただ、変な見栄が「一度間違ってみる」という自由を奪ったのだ。

ワインの飲み方を一度や二度しくじったところで、傷は小さい。人の言うことを信じるよりも、自分で間違ってみることの方がはるかに有意義である。

 
◆「いつものワイン」を持てる幸せ

イタリアにおけるワインはまさに日常に溶け込んだ庶民的な飲み物であった。昼食、夕食を問わず、食卓には必ずあるものだったし、食事の一部であった。アルコール飲料という意識すらなく、日本で言えば番茶のような位置づけであった。

日本人でも食卓に出される番茶に際立った高品質を求める人は少ないように、イタリアでもワイン自体の香り、味わい、品質に対する要求は高くはなかった。食事に寄り添い、食事をより美味しく感じさせてくれればそれで十分と考える人がほとんどであった。

際立った香りや味わいを持つわけではないが、どんな料理にも合い、飲み飽きしないワイン。このようなワインが私は今でも大好きだ。

 

本書の目次

はじめに――「ワインの嘘」に惑わされず、本質を楽しもう

第1章 ワインに教養はいらない

第2章 自分だけの楽しみ方を見つける

第3章 とっておきの一本と出会う

第4章 味わいの向こうに見えるもの

第5章 楽しむのに知っておくといいこと

おわりに――幸せな時間を与えてくれるものこそ、最高のワイン

 

著者プロフィール

著者の宮嶋勲(みやじま・いさお)さんは、1959年生まれ。京都府出身。東京大学経済学部卒業。1983年から1989年までローマの新聞社に勤務。ジャーナリスト。

1年の3分の1をイタリアで過ごし、イタリアと日本でワインと食について執筆活動を行っている。
イタリアでは2004年から10年間エスプレッソ・イタリアワイン・ガイドの試飲スタッフ、ガンベロ・ロッソ・レストランガイド執筆スタッフを務める。現在「ガンベロ・ロッソ・イタリアワインガイド」日本語版責任者。
日本ではワイン専門誌を中心に執筆するとともに、ワインセミナーの講師、講演を行う。
BSフジのTV番組「イタリア極上ワイン紀行」の企画、監修、出演を務める。

著書に『10皿でわかるイタリア料理』『最後はなぜかうまくいくイタリア人』(日本経済新聞出版社)、『イタリアワイン』(ワイン王国)など。

2013年にグランディ・クリュ・ディタリア最優秀外国人ジャーナリスト賞受賞。
2014年、イタリア文化への貢献により“イタリアの星勲章”コンメンダトーレ章(Commendatore dell’ Ordine della Stella d’Italia)をイタリア大統領より授与。

 

ワインの嘘~誰も教えてくれなかった自由な楽しみ方
宮嶋 勲 (著)

ワインは教養抜きだからこそ楽しめる!
むずかしい・わからないの呪縛を解く、アウトローなワイン論!

今まで誰も教えてくれなかった「自由な楽しみ方」あります!

・ワインに教養はいらない
・好みの味わいに出会う?合コン”理論
・迷った時の八方美人なワイン
・「ビビビッ」を大切にする
・赤ワインは室温で、は昔の話
・グラスは一つあればいい
・格付けチェックが当たらないワケ
・ワインを残した者にのみ訪れる幸福etc…

もっとわがままで、もっともっと自由でいい! !
日本とイタリアで40年近くにわたって、ワインと食について執筆をしてきた著者が業界への忖度抜きで伝えたい、「極上の幸せ」と出会う飲み方。
――今日は、”?あえて” ワインを余らせてみませんか?

【はじめに――「ワインの嘘」に惑わされず、本質を楽しもう】より一部抜粋・編集

「ワインは好きだけど、よくわからない」という話を耳にする。「ワインについて何も知らないので」と恥じ入る人もいる。
考えてみれば不思議な話だ。ワインはアルコール飲料の一つであり、嗜好品。楽しむのに知識など必要ない。
番茶やビールを飲むのに「番茶がよくわからない」とか「ビールの知識がないので」と卑下する人がいるだろうか。
なのに、なぜかワインでは「わかる必要がある」とか「楽しむには知識がいる」といった奇妙な誤解が幅を利かせている。

そのような齟齬=誤解=「ワインの嘘」が自由にワインを楽しむことを阻害している気がする。

ワインは本来、日常に根付いた飲み物だ。毎日の食卓にあり、食事を引き立て、団欒の時間を彩る。
寛ぎ、憩い、明日への活力を与えてくれる庶民的な飲み物である。

ワインにも他のアルコール飲料とは異なる独自の特徴がある。それを知っておくことは、ワインを楽しむ上で役に立つかもしれない。
だが、ワインについて細かい知識を集めて、ひけらかすことに喜びを見出す「トリビアの泉」的アプローチは、まさに「木を見て森を見ず」で、かえって本質を見逃してしまう。
肝となる部分だけを大きくざっくりと捉えておけばいい。あとはそれぞれが好きなように楽しむだけだ。本書では、その肝となる部分だけを紹介している。

とかく、蘊蓄(うんちく)、格付け、マナーなどは、人生を楽しむことを妨げることが多い。
ワインの飲み方についての上から目線のお寒い説教を無視して、自由にワインを楽しみたい。
ワインは人生を楽しくし、人を幸せにするためにあるのだから。

この書がそんな思いを抱かれる方のお役に立てば幸いである。

 


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