『美術手帖』9月号は、被写体の一瞬の輝きをとらえる写真家・川島小鳥さんを特集

美術出版社は8月17日、『美術手帖』9月号を発売しました。

『美術手帖』9月号は写真家・川島小鳥さんを特集

私家版写真集『道』（2017）より

『未来ちゃん』で一躍人気写真家となり、その後も写真集の発表や、商業媒体での活躍を通して、高い評価を得ている川島小鳥さん。

その時々の被写体の瑞々しい姿を写し取ることで、高速で変化し続ける現代社会の「いま」の一側面を、豊かな情感とともに表現し続けてきました。

写真集『未来ちゃん』より (c)川島小鳥

詩人・谷川俊太郎さんとの共著『おやすみ神たち』の発表、台湾の日常を切り取った『明星』での木村伊兵衛賞受賞など、その写真は多様な求心力を発揮するいっぽうで、デビューから10年を経たいまも、美術・写真の批評的文脈では充分にとらえられていない、未知の領域も広がっています。

写真集『明星』より (c)川島小鳥写真集

本特集では、美術・文化史のなかに川島小鳥さんを位置づけることで、その作品を改めて見つめ直し、ポップさの先にある、表現の奥行きを探ります。谷川俊太郎さんが「かすかな哀しみを発見する」と評した、彼の写真が湛える一瞬とも永遠ともつなかい輝きは、いったいどこからくるのでしょうか――。

写真集『BABY BABY』より (c)川島小鳥

私家版写真集『道』より (c)川島小鳥

川島小鳥さんが、石田ゆり子さん、太賀さん、森川葵さんらを撮り下ろし

巻頭の20ページにわたる撮り下ろしでは、女優・石田ゆり子さんを被写体にしたフォトストーリーを掲載。

「美術手帖」2017年9月号 Photo Story「アイ・ラブ・ユー」

そして、谷川俊太郎さん、祖父江慎さん、峯田和伸さん（銀杏BOYZ）らのコメントともにたっぷりのビジュアルで既刊写真集を振り返るビジュアルページ「川島小鳥の写真集をめぐる」。

「美術手帖」2017年9月号 川島小鳥の写真集をめぐる

公私共に親交の深い岡村靖幸さんへのインタビュー。さらに川島さんのミューズである俳優・太賀さんと女優・森川葵さんが初共演した写真集『昨日の君、明日のあなた』の特別付録付きです。

『美術手帖』9月号の内容〔敬称略〕

［特集内容］
川島小鳥 Eternal Shine

〈撮り下ろし〉
石田ゆり子「アイ・ラブ・ユー」

〈別冊付録〉
太賀×森川葵『昨日の君、明日のあなた』

〈INTERVIEW&TALK SESSION〉
川島小鳥ロングインタビュー
対談：石川竜一×川島小鳥
インタビュー：岡村靖幸

〈COLUMN&CRITIQUE〉
コラム：ミヤギフトシ「風景の上書き保存」
コラム：中村史子「児戯と二重のノスタルジー」
Special Critique：金氏徹平ディレクション「半透明になるために」

〈川島小鳥の写真集をめぐる〉
part1　『BABY BABY』／『未来ちゃん』／『おやすみ神たち』／『明星 』
message from… 森あや／祖父江慎／谷川俊太郎／佐々木暁
part2　『ファーストアルバム』／『道 』
message from… 峯田和伸／太賀

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ARTIST INTERVIEW
志賀理江子 Lieko Shiga 竹内万里子=聞き手

美術手帖 2017年9月号
特集
川島小鳥
笑顔ではしゃぐ少女や、
大人になり切らない純朴な少年の写真が印象的な川島小鳥。
人の純真さが輝く一瞬をとらえた楽しげな写真はいっぽうで、見る者の感性をヒリヒリと刺激する。
本特集では、撮り下ろしやコラボレーションなど様々な方法で川島の魅力を俯瞰し、解析する。
なぜ川島の写真は、人をこれほど惹きつけるのか?
その刹那とも永遠ともつかない輝きは、いったいどこからくるのか?