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『決断力』橋下徹さんが大阪府知事、市長時代に駆使した「意思決定」全プロセス

橋下徹さん著『決断力 誰もが納得する結論の導き方』

橋下徹さん著『決断力 誰もが納得する結論の導き方』

橋下徹さん著『決断力 誰もが納得する結論の導き方』が、PHP研究所より刊行されました。

本書は累計32.5万部突破(※電子含む)の「力シリーズ」の最新刊です。大阪府知事、大阪市長時代に駆使した「意思決定の技法」をあますところなく明かします。「今の日本のリーダーに圧倒的に足りないのは決断力」と指摘し、度重なる緊急事態宣言の延長や桜を見る会、日大アメフト問題など危機管理対策についての独自見解も満載。いかなる状況でも組織やチームを動かし、改革し続けてきた著者の“決断力”の本質がわかります。

 

決断を下し組織を動かすのがトップの責務

「リーダーが決断すべき問題に、わかりやすい正解なんてありません。
(中略)
現場では判断できない問題に対して「こちらの方向に進もう」と決断し、組織を引っ張って物事を動かすこと。これがリーダーの責務です。」
(本文より)

 
大阪府知事、市長時代に「正解がまったくわからない」問題に対しても、“決断”し、前に進めてきた橋下徹さん。賛成派と反対派で真っ二つに割れた大阪都構想で行なった住民投票など、常に議論をオープンにし、決断に至るプロセスをフェアに辿ることを重要視するのが橋下流です。

 

若き橋下徹さんが衝撃を受けた決断プロセス――「手続的正義」

 
◆ケーキを公平に分けるには

橋下流決断力のルーツとも言える司法の世界においては「実体的正義」と「手続的正義」の二種類の正義があります。

二つのうち橋下徹さんが重要視するのは「手続的正義」。これは厳密に公平でなくても双方が納得できるプロセスがあればよい、という考え方です。

例えばケーキを二人で公平に分ける場合、正確に切り分けるために多大な労力をかけるのが「実体的正義」。
一方、「手続的正義」では、一人がケーキを二つに切り、もう一人が好きな方を選ぶというルールをあらかじめ決めておくことで双方の納得感を担保します。

司法試験の勉強をしていた橋下さんはこの概念の合理性に衝撃を受け、以来「正解とみなせるプロセス」の構築を行なってきました。

 
◆「手続的正義」の仕組みをつくる3つのポイント

法律の世界では明確にルールが決まっていても、ビジネスにおいてはそうとは限りません。リーダーが「手続的正義」に則ったルールを作るときには、次の三つのポイントがあります。

一、立場、意見の異なる人に主張の機会を与える
二、期限を決める
三、判断権者はいずれの主張の当事者にも加わらない

この三つのポイントに沿って仕組みをつくることで、リーダーは賛成派も反対派も納得感のある決断を下すことができます。

 
◆桜を見る会、コロナ対策……危機管理対策も「手続的正義」で決断を

◎日本学術会議の任命拒否問題は、まさしく手続的正義を踏まなかったことに原因がある。
◎安倍政権の「桜を見る会」問題が長引いたのも、初動の対応にミスがあったことが原因。
◎二度目の緊急事態宣言発出の際にも、菅総理はこの「手続的正義」に沿った決断プロセスを取り入れるべきだった。

…など、あらゆる危機管理対策を「手続的正義」に照らし合わせ、問題点と改善点を指摘しています。

 

本書の目次(一部抜粋)

第1章 決断の明暗を分けるのは「事前のルール作り」――「答えのない問題」をどう解決するか
〇弁護士の卵時代に衝撃を受けた「手続的正義」という考え方
〇「決める前」のプロセスが成否のカギ
〇プロセスに納得感があれば、後から批判されることもない

第2章 「強い意思決定」の仕組みはこう作る――人を動かす決断をなすための橋下流ノウハウ
〇意思決定の仕組み作りのポイントは三つだけ
〇「反対意見」を意識できないリーダーは三流だ
〇重要な結論は「オフの時間」を挟んでから決める

第3章 求心力を高める決断をいかになすか――「決めた後」の対応が組織を強くする
〇自分の主張にこだわりすぎるリーダーは、必ず見誤る
〇緊急時には、自分の言葉で語らないと「ハート」に伝わらない
〇府庁幹部を驚かせた僕の「謝罪対応」

第4章 トラブルの時こそ「意思決定の技法」を使う――危機管理マネジメントの七原則
〇「責任はすべて取る」と明言すれば、不都合な情報も集まってくる
〇危機管理の対応は「初動が九割」
〇事実確認前の「全否定」は、最大の悪手

第5章 政治と決断――迷走する政治は何が間違っているのか
〇学術会議問題も、手続的正義の視点が欠けていた
〇組織を動かし、実行するにはまず人事から
〇「手続的正義」を理解できていないメディアの罪

第6章 危機の時代に最善手を導き出すために――未知の危機に対処する思考法
〇新型コロナウイルス「騒動」の出発点は「専門家の判断ミス」
〇僕が体得した「未知の危機に対処する大原則」とは
〇正解がわからないコロナ対策だからこそ、決断までの仕組み作りが必要だ

 

著者プロフィール

著者近影

著者近影

著者の橋下徹(はしもと・とおる)さんは、大阪府立北野高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業。1998年、橋下綜合法律事務所を開設。2008年に38歳で大阪府知事、2011年に42歳で大阪市長に就任。大阪府庁1万人、大阪市役所3万8000人の組織を動かし、絶対に実現不可能と言われた大阪都構想住民投票の実施や行政組織・財政改革などを成し遂げる。2015年、大阪市長を任期満了で退任。現在は弁護士、タレントとして活動。

著書に『実行力 結果を出す「仕組み」の作り方』『交渉力 結果が変わる伝え方・考え方』(PHP研究所)など多数。

 

決断力 誰もが納得する結論の導き方 (PHP新書)
橋下 徹 (著)

◆今の日本に足りないのは「誰もが納得できる結論を導く」決断力だ!
◇どんな難題も迷わず決められる「決断の仕組み」とは?
◆日々の判断に悩むすべての人に役立つ「橋下流・意思決定術」を大公開!

38歳で大阪府知事、42歳で大阪市長に就任し、4万8000人の長として、大阪府の財政再建や都構想住民投票実施など、絶対に実現不可能だと言われた難題を実行してきた橋下徹氏。

その理由を、「どんなに正解がわからない問題であっても、組織やチームが納得できる決断をしてきたからだ」と語る。
反対に、昨今の新型コロナウイルスの混乱などのように、「先の見えない状況」に恐れをなして意思決定を先延ばしにすると、人や組織・チームの納得が得られず、何も実現できないと言う。

本書では、先の見えない混迷の時代を生き抜く「橋下流・意思決定術」を解説。
そのポイントとなる「意思決定に至るまでのプロセス」の思考法から、リーダーが自分のチームで活かせる「決断の仕組み」の作り方まで大公開。
日々、正解のわからない問題に挑み、悩むすべてのビジネスパーソン、必読の1冊!

■「力シリーズ」既刊

実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた (PHP新書)
橋下徹 (著)

38歳で大阪府知事に就任し、数々の改革を成し遂げてきた橋下徹氏。
大阪府庁1万人・大阪市役所3万8千人の職員、組織、そして国をも動かして結果を出してきた秘訣とは何か。
年上の部下や並いる反対派をいかにして説得・掌握し、大阪の大改革へと舵を切ったのか、その手腕を初めて明かす。

●「敵」はあえて側に置く
●リーダーと現場の仕事の切り分けかた
●チーム作りの「失敗の本質」

……など、自身の経験や例を挙げつつ、具体的に解説。

部下と上司を動かし、チームや組織を変える。
今の時代に一番必要なのは、アイデアじゃなく「実行力」だ。
橋下流「君主論」の全貌。

交渉力 結果が変わる伝え方・考え方 (PHP新書)
橋下 徹 (著)

「交渉」というと難しく感じるかもしれないが、要は「話をまとめる力」だ。(中略)何か達成したい目標がある時、相手を説得し、対立する意見をまとめていく交渉力の有無が、結果を左右する。どんな職種・役職であれ、何かを成し遂げるために必須となるのが交渉力だ。
――「はじめに」より

38歳で大阪府知事、42歳で大阪市長となり、百戦錬磨の年上の部下たちをまとめ上げ、大阪の改革を断行した著者。
その「実行力」の裏側にあったのは、弁護士時代から培われた、たぐいまれなる「交渉力」だった。

同じ話し合いでも、伝え方や考え方を変えれば、結果はがらりと変わる。
本書では、人を動かし、人に強くなるための「交渉思考」の極意を全公開。
数々の修羅場をくぐりぬけてきた著者が「僕の30年の集大成」と言う本書。橋下徹が初めて明かす、超・実践的交渉術。

 


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