気になる本、おススメの本を紹介

B O O K P O O H

『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』誰しもがマルチ商法の沼にハマる可能性がある!家庭崩壊した「僕」が今伝えられること

ズュータンさん著『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』

ズュータンさん著『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』

30万PVの大反響を呼んだnoteの著者ズュータンさんが自身の経験と、同じ悩みを抱えた人たちのインタビューを書き下ろした壮絶ストーリーが書籍化され、『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』としてポプラ社より刊行されました。

 

「誰もが、この沼に落ちる可能性がある」

衝撃的な本のタイトル『妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。』を見て、きっと「私は大丈夫。流されたりしないから。」と思われたはずです。

 
しかし、著者のズュータンさんがマルチ商法に巻き込まれた当事者の声を集めたところ、結果は驚くべきものでした。

マルチ商法の会員の年代の幅は20代から高齢者まで、職業も生活環境もバラバラ、一つだけある共通項は「まさか自分が、自分の身近な人が、マルチ商法にハマるなんて思いもしなかった」と言うこと。これは、「誰しもがマルチ商法にハマる可能性がある」ことを示唆しています。

 
悪質なマルチ商法に手を出し、巻き込まれた人の未来は残酷で、家族、恋人、友人、といった人間関係は必ずと言っていいほどに破壊されてしまうそうです。私達はそれを聞いて想像は出来ても、その壮絶なマルチ商法の実態は、味わった人にしか語れません。

 
ズュータンさんはご自身の経験を通し、また当事者の方の取材経験から、「マルチ商法とは何か?」「どういう経緯でハマるのか?」「ハマるとどうなるのか?」など、今まで閉ざされてきたマルチ商法の世界の情報を本書で、赤裸々に綴っています。

 
ご自身の経験と向き合うことはとてもつらいことですが、「マルチ商法の現実を伝えることで、マルチ商法をめぐる悲しい問題の解決の一助としてほしい。また、社会全体でマルチ商法のことを考えるきっかけにしてもらいたい。」という想いが込められています。

 

本書の構成

はじめに/マルチ商法について/マルチ商法の報酬プランについて

第1章 妻がマルチ商法にハマり、家を出るまでの2年間
民生委員の女性に誘われて/「それでね、X社だったの」/妻、「トンデモ」にハマる。きっかけはコーヒー浣腸/妻、「自然なお産」へ傾倒する/僕は布おむつを毎晩洗った/根拠のない「安全」に人は動く/洗剤、空気清浄機……、家がX社製品に占拠される/妻、目つきや顔つきが変わる/妻、ママ友に距離を置かれる/マルチ商法に染められていく我が家/娘は妻から口止めされていた/「洗脳されてる?」/妻、X社製品を処分したら寝込む/別居、そして妻からのメール/誰かに話すのは恥ずかしかった/僕、ついに頭突きしてしまう

第2章 離婚調停ー妻の身にいったい何が起きていたのか?
離婚調停の通知が届く/ママ友、近所の住人……、証言の数々/ニセ医学を検証する/調停は1年半の長期戦に/もはや限界、反対する夫はどう攻略されるか/僕、DVを疑われる/3分で終わった娘との再会/僕の知っている妻は死んだ/離婚成立

第3章 SNSで被害を発信しはじめたら起こったこと―5人の被害者たち
1 燕さんと夫 2016年3月/2 群青色さんと親友 2016年3月/3 蜃気楼さんとお母さん 2017年12月/4 さやかさんと恋人 2018年10月/5 唯さんと友人たち 2019年6月

第4章 マルチ商法と社会の闇
みんな当事者であることに気づかない/若者だけではない、金欲しさだけでもない/今の時代の勧誘パターン/不安や不満にさりげなく近づく/価値観はかんたんに変わる/組織に属することの居心地の良さ/マルチ商法と自己責任論/騙す騙されるという日常/困っている人の声を受け止める社会に

終章 家庭崩壊した僕が、今伝えられること
僕の会ったことのない、妻のお父さんとお母さん/妻がかなえたかったものは/褒められること、認められること/X社コミュニティへの依存/娘の将来の夢/3年ぶりの再会

おわりに

 

著者プロフィール

著者のズュータンさんは、会社員。マルチ商法にハマっていた妻が、ある日突然娘を連れてマルチ商法の上位会員の家で生活をはじめる。それをきっかけに妻に何が起こっていたかを知るため、マルチ商法の情報収集と情報発信を開始。しだいに同じような境遇にある人たちの声が集まり、彼らの語りを記録する。その数は2016年から現在まで約70人。そのいくつかを公開した記事はnoteで30万PVを超え大きな反響を呼ぶ。

 

妻がマルチ商法にハマって家庭崩壊した僕の話。
ズュータン (著)

「誰もが、この沼に落ちる可能性がある」
「普通の人が、ある日突然、加害者にも被害者にもなるんです」

――平凡な男がマルチ商法によって家族を失うまでをリアルに描き、noteでの記事が大反響となったノンフィクションを書籍化。
小さなほころびからもろくも崩れ去った日常と、「マインドコントロールされた夫」「母親が信者」「100個の夢を持つ恋人」など、多様な被害者像から社会の現状を描く。

自身の体験と、7年かけて集めた被害者たちの声。
いま、ブラックボックスの蓋が開けられる!

 
悪質なマルチ商法に手を出し、巻き込まれてしまった人の未来は残酷だ。家族、恋人、友人、といった人間関係は必ずと言っていいほどに破壊されていく。(中略)
悪質なマルチ商法にハマり、騙されるのは個人の責任である。この社会は、そう思うことでこの問題を片づけた気になってきた。しかし、それは騙された人、つまり弱い立場に置かれ、困っている人の自尊心を傷つけ、沈黙させることであり、問題の先送りにしかなっていない。本書は、マルチ商法を「個人の問題」ではなく、「企業の問題」でもなく、「社会の問題」として捉えなおす試みでもあるのだ。 (「はじめに」より)

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です