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『「許せない」がやめられない SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症』SNSで急増する“怒りに夢中になることで快楽を感じる”人々とは

坂爪真吾さん著『「許せない」がやめられない SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症』

坂爪真吾さん著『「許せない」がやめられない SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症』

坂爪真吾さん著『「許せない」がやめられない SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症』が、徳間書店より刊行されました。

 

スマホの画面の向こうには、匿名の歪んだ正義が渦を巻いている

ジェンダーをめぐる炎上、ナイナイ岡村さんの「風俗発言」、「テラスハウス」出演者攻撃……。本書では、SNSの麻薬のような“怒りの快楽”に侵された時代をその実態と炎上の論争から解き明かします。

 
一人のツイートが「みんなの怒り」に加工される

自分の怒りだけでは飽き足らなくなった人たちは、当事者であることを主張し、被害者であることを装い、マイノリティを代弁して、他人の怒りを盗むことに夢中になる。こうした現象を「怒りの万引き」と呼ぶことにしよう。(中略)他人の怒りを摂取し続けた結果、自分の怒りと他人の怒りの区別がつかなくなり、目に映る全てのものに対して「許せない」という怒りが湧いてくるようになる。(「序章」より抜粋)

 

本書の構成

序章 「怒りの万引き」がやめられない
SNS上で蔓延する「麻薬」の正体
「テラスハウス」をめぐる女子プロレスラーの死
岡村隆史「コロナと風俗」発言で大炎上…ほか

第一章 女が許せない
1-1 現代社会は女尊男卑社会である
1-2 動き出した女性中心社会の被害者たち
1-3 相対的剥奪感に基づく怒りが止まらない
1-4 ミソジニーと社会運動の麻合体
1-5 フェミニストの化けの皮を剥がせ
1-6 「女が許せない」は進化する
1-7 逆襲のミソジニスト

第二章 男が許せない
2-1 ハラスメントとしてのフェミニズム
2-2 目に映る全てのものが燃料になる
2-3 無自覚が止まらない
2-4 暴力の正当化がやめられない
2-5 本当に許せないのは誰だ?
2-6 「自分が許せない」がやめられない

第三章 LGBTが許せない
3-1 性的マイノリティの怒りの背景にあるもの
3-2 「ゲイが許せない」の歴史
3-3 LGBTが許せないLGBT
3-4 「T」の憎悪
3-5 暴走するツイッタークィア・
スタディーズ

第四章 性表現(規制)が許せない
4-1 反女性差別派と表現の自由派の闘い
4-2 萌え絵が許せないVS表現規制が許せない
4-3 ツイッターアマゾネスVS
ツイッターバーサーカー
4-4 「許せない」は裁けない

第五章 ジェンダー依存がやめられない
5-1 セックスワーク・スタディーズという病
5-2 ジェンダー依存の世界
5-3 ジェンダー依存度のセルフチェック
5-4 ジェンダー依存からどうやって抜け出すか
5-5 ジェンダー依存と共に生きる

終章「無限刃」から「逆刃刀」へ
新型コロナと「怒りの火事場泥棒」
許せないという怒りを国に対する声として
昇華させる
社会を変えられなかった人たちのセカンドキャリア
…ほか

 

著者プロフィール

著者の坂爪真吾(さかつめ・しんご)さんは、1981年10月21日新潟市生まれ。東京大学文学部卒業。2008年、「障害者の性」問題を解決するための非営利組織・ホワイトハンズを設立。新しい「性の公共」を作る、という理念の下、重度身体障害者に対する射精介助サービス、風俗店で働く女性の無料生活・法律相談事業「風テラス」など、社会的な切り口で現代の性問題の解決に取り組んでいる。

著書に『セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱』『男子の貞操 僕らの性は、僕らが語る』『はじめての不倫学 「社会問題」として考える』『セックスと障害者』『孤独とセックス』『「身体を売る彼女たち」の事情 自立と依存の性風俗』『未来のセックス年表2019-2050年』『性風俗シングルマザー 地方都市における女性と子どもの貧困』ほか多数。

 

「許せない」がやめられない SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症
坂爪真吾 (著)

スマホを開けば、そこには許せない事件、人物、発言、広告…
いつでも好きなだけ、その「許せない」は「怒り」に変えられる

当事者でない身勝手な一人の匿名の怒りツイートは「みんなの怒り」に加工され、集団で怒りを爆発させることがカタルシスになる

ナイナイ岡村のコロナと風俗発言、女子レスラーを死に追いやった事件、芸術家・会田誠展と表現規制、「宇崎ちゃん」献血ポスター事件……
SNSの麻薬のような力に侵された時代を、その実態と炎上の論争から解き明かす

 


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