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『家族、捨ててもいいですか? 一緒に生きていく人は自分で決める』機能不全家族から脱し、自分の人生を切り拓いた著者の自伝的エッセイ

小林エリコさん著『家族、捨ててもいいですか? 一緒に生きていく人は自分で決める』

小林エリコさん著『家族、捨ててもいいですか? 一緒に生きていく人は自分で決める』

小林エリコさん著『家族、捨ててもいいですか? 一緒に生きていく人は自分で決める』が、大和書房より刊行されました。

 

酔うと暴力を振るう父、その暴力に耐える母、私を殴る兄――うつ病で4回の自殺未遂を繰り返した著者が自身の家族を振り返る

「私は十代の頃から結婚なんてするもんかと思っていた。
年中「誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ」と怒鳴り散らす父と暮らしていると、結婚に治しての夢というものがなくなる。
王子様と結婚したシンデレラだって本当に幸せだったかどうか怪しい。
お世継ぎを産めと言われたり、王子が浮気をしたりしたのではないか。」
――本文より

 
メディアで話題となった『この地獄を生きるのだ』(イースト・プレス)は、小林エリコさん自身がうつ病、自殺未遂、生活保護の受給という壮絶な人生を綴った処女作でした。今回、小林さん彼女が扱ったのは自身の家族。小林さんが精神を病むきっかけとも言える歪んだ家族の実態を振り返り綴っています。

 
酔ってお母さんに暴力をふるう父だが、映画好きで、たくさんの映画を教えてくれたのも父。酔うと自分のことが好きかと聞いてくるのもまた父だった。
父に殴られても娘の結婚を望み、進路を妨害する母。父の影響で男尊女卑の思考が強くなり、妹に暴力を振るうようになる兄。

 
――愛しているのか、憎んでいるのかわからない家族。そして選ぶことの出来ないのもまた家族。客観的な視点で見ることが難しい自分の家族をまるで劇でも見るかのように淡々と綴れる著者は多くはありません。

 
<話題書『居るのはつらいよ』の著者で精神科医の東畑開人さん コメント>
「家族について深く考える。つながれなかった部分とつながっていた部分の両方を考える。それが新しいつながりを芽吹かせる。」

 

本書の構成

1 父に着信拒否された?
2 父の映画教育
3 入る墓のない母と娘
4 父の支配を逃れた兄
5 父の夢をかなえた日
6 父の悪口は母としか言えない
7 家族になれなかった人のこと
8 いい人が得をするとは限らない
9 罪悪感を刺激する祖母
10 父に愛されていたかもしれない
11 私は父が好きだった
12 父の孤独
13 私の家族は母だけになった
14 家族が解体された日
15 一生分の我慢をした日
16 家父長制が悪い
17 父も犠牲者だったのか?
18 解散した家族
19 家族以外の安心できる場所
20 新しい家族をつくればいい

 

著者プロフィール

著者の小林エリコ(こばやし・えりこ)さんは、1977年生まれ。短大卒業後、エロ漫画雑誌の編集に携わるも自殺を図り退職、のちに精神障害者手帳を取得。現在は通院を続けながら、NPO法人で事務員として働く。

ミニコミ「精神病新聞」の発行終了後は、フリーペーパー「エリコ新聞」の刊行を続けている。また、漫画家としても活動。自殺未遂の体験から再生までを振り返った著書『この地獄を生きるのだ』(イースト・プレス)が大きな反響を呼ぶ。

その他の著書に『わたしはなにも悪くない』(晶文社)、『生きながら十代に葬られ』(イースト・プレス)など。晶文社スクラップブックにて、「わたしがフェミニズムを知らなったころ」連載中。

★Twitter(@sbsnbun):https://twitter.com/sbsnbun
★blog:http://sbshinbun.blog.fc2.com/

 

家族、捨ててもいいですか?~一緒に生きていく人は自分で決める
小林 エリコ (著)

酔って暴れる父、それを止めない母、父を学習して「私」を殴る兄…
機能不全の家族なのに、愛着がないわけでもない。
あんな父でも、会いたい。

でも、共に生きていく人を家族と呼ぶならば、これからは一緒に生きていく人を自分で決める。
そう決めた著者による、「家族」の枠組みを考え直すための胸をえぐられるようなエッセイ。

 


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