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『時間がない人が学び続けるための知的インプット術』限られた時間で何を、どうやって学んだらよいのか?

三輪裕範さん著『時間がない人が学び続けるための知的インプット術』

三輪裕範さん著『時間がない人が学び続けるための知的インプット術』

三輪裕範さん著『時間がない人が学び続けるための知的インプット術』が、ディスカヴァー・トゥエンティワンより発売中です。

本書は、日々多忙な人でも「自分の市場価値」を高めることができる、知的インプットの方法を公開したものです。著者は、大手商社に入社後も自己研鑽を積み続け、ハーバード・ビジネス・スクールへ留学してMBAを取得、大蔵省や経団連、ジョンズ・ホプキンス大学院などに研究員として出向するなど、幅広い分野で活躍する「知的インプットの達人」です。

 

企業はさらに少数精鋭主義になっていく

ここ数年、企業にとって人材の能力向上は急務とされてきました。実際、ビジネスパーソンを取り巻く環境は、古き良き時代の年功序列の世界から成果主義や能力主義へとシフトしています。

最近では、極めて優秀な能力を備えた人材であれば、新入社員であっても破格の報酬を用意すると発表した企業もあります。

 
いまや企業が求める人材は、「全般的に能力が高く性格がよい人」から「多少性格的に難点があっても、非凡な能力をもっている人」という方向に急速に変化していると、著者は断言します。

つまり「どのような人なのか」という人柄重視から、「何ができる人なのか」という能力重視の時代になってきたということです。

 
とはいえ、日々仕事に追われるビジネスパーソンが、自分自身の市場価値を高めていくことは容易いことではありません。著者は、同じような状況に悩みつつも、試行錯誤を繰り返しながら成果をだし続けたキャリアの持ち主です。

本書は実践経験に基づいたノウハウに加え、著者の膨大な読書量の中から引用された有識者の見解が随所に登場し、説得力のある内容になっています。

その一部を抜粋して紹介します。

 
◆年間600時間を作り出す

大学生が1年間に受ける講義の時間は約400時間と言われています。大学ではいくつもの科目を履修しますが、もし一つの分野に絞って600時間勉強をすれば、大学の基礎レベルをはるかに上回る知識を得ることが可能になります。

では、どのようにその時間を作り出すのか?
お勧めしたいのが、平日に毎朝1時間と土日の2日間に1日3時間ずつ時間を確保するやり方です。これで年間550時間が確保できます。加えて、わが国には土日以外の休日が年間15、6日あるのですが、これらの休日でも3時間ずつ確保すれば、年間600時間を作り出すことができます。

たとえ短時間であっても、勉強を毎日続けることで、決まった時間に勉強するという習慣をつけることが大切です。そのためには、いったん勉強すると決めたらどんなことがあってもやり抜く強い決意と、まわりからどのように見られようと、その決意を貫く勇気を持つことです。

 
◆良い本を選ぶ

ある特定の分野やテーマについて深く学びたいとき、本を読むことがその王道であることに今も変わりはありません。
重要になるのは「読むべき本を読む」ことです。
国内だけで年間約8万冊の新刊が出版される状況では、どのように読むべき本を見極めればいいのでしょうか。

本選びのポイントは、まず「目次」「前書き」「解説文」をチェックし、おおまかに内容を知ることです。
次に、文章が論理的で明晰であるかどうかチェックします。ビジネスに役立てたいのなら、その点を重視すべきでしょう。また、不必要に形容詞を多用した文章の本も、中身の薄さをそれで補っている場合が多いので敬遠します。

最後に、著者の略歴をチェックします。大学の先生であれば教授よりも准教授や講師が書いたものを優先します。なぜなら、一般的に研究者人生で准教授や講師の時代が一番熱心に勉強している時期だからです。彼ら若手の著書を読んで後悔したことはほとんどありません。

 
◆新聞を賢く読む

新聞は様々な分野の情報が簡潔にまとめられているため、ついつい読みすぎてしまうことがあります。しかし、貴重な時間の多く費やすわけにはいきません。新聞2紙を朝と昼休みに、1紙ずつ30分かけて読み、見出しとリード部分のみに目を通します。その際、興味のある記事に赤ペンでマークしておき、週末にまとめて読むと効率のよい読み方ができます。

この読み方には、新聞社の力量がわかるという利点もあります。新聞には予測記事や観測記事が多いですが、結果的に誤りの場合もあります。誤りがあった場合には、新聞を毎日読むよりも週末にまとめて読んだ方がよくわかりますし、物事を全体的に俯瞰で見るという「鳥瞰的な視点」も育むことができます。

 
【本書の項目】
◎時間はこうして作り出す
◎よい本はこうして選ぶ
◎新聞・雑誌はこうして読む

 

三輪裕範さん プロフィール

著者の三輪裕範(みわ・やすのり)さんは、1957年兵庫県生まれ。1981年に神戸大学法学部を卒業後、伊藤忠商事に入社。1991年にハーバード・ビジネス・スクールにて経営学修士号(MBA)を取得、その後、ニューヨーク店経営企画課長、大蔵省財政金融研究所主任研究官、経団連21世紀政策研究所主任研究員、伊藤忠商事会長秘書、調査情報部長、伊藤忠経済研究所長等を歴任。2015年からは伊藤忠インターナショナルSVP兼ワシントン事務所長、2017年にはジョンズ・ホプキンス大学院戦略高等国際問題研究所(SAIS)の上級客員研究員を務め、現在は伊藤忠商事関西開発調査室シニア・アドバイザー。

著書は、『日本人が必ず間違える英単語100』『超訳 努力論』『ハマトンの知的生活のすすめ』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ビジネスマンの英語勉強法』『アメリカのパワーエリート』(以上、ちくま新書)、『ニューヨーク・タイムズ物語』(中公新書)、『通のアメリカ英語』『ハーバード・ビジネス・スクール』(丸善ライブラリー)など多数。

 

時間がない人が学び続けるための知的インプット術 (ディスカヴァー携書)
三輪 裕範 (著)

限られた時間で何を、どうやって学んだらよいのか?
忙しいなかでも「自分の市場価」を高める大人のための勉強法

 


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