『結婚の奴』ゲイの夫(仮)と、恋愛でも友情でもない二人の暮らしをつくるまでのつれづれ
エッセイストでイラストレーターの能町みね子さん著『結婚の奴』が、平凡社より刊行されました。
人生を変えるような恋愛だの結婚だのは無理だが、ひとりは嫌だ――ゲイの男性と「結婚」と称して同居を始め、恋愛でも友情でもない二人の生活をつくるまでを綴った、能町みね子さん最新作
エッセイスト、コラムニストとして活躍、テレビやラジオなど数々のメディアに出演している能町みね子さん。
最新刊の本書では、自身が長らく感じてきた恋愛や結婚に対する違和感にひとつの“回答”を出そうと、ゲイの男性と恋愛感情抜きの「結婚」と称して同居、二人の生活を作り上げるまでを赤裸々に綴っています。
人のあり方にも、関係性にも多様さが求められているいまの時代。そんな中、能町さん自身、「人生を変えるような恋愛だの結婚だのは無理だが、ひとりは嫌だ」という気持ちからこの“大胆な”行動に踏み切ったと言います。
はたしてその内容は、能町さん自身がある種、他人の恋愛ゲームをのぞき見するかのように、どこまでも自らを客観視し、くりかえしツッコミを入れることで、テンポよく読ませます。
その一方で、身を切るほどの切実さによじれ、自らに刷り込まれた世間の「常識」に抗う心のさまが各所にさりげなく描かれていて、読む方がどこか慰められているような錯覚すら覚えます。
能町みね子さん プロフィール
著者の能町みね子(のうまち・みねこ)さんは、1979年北海道生まれ、茨城県育ち。文筆業。
2006年、イラストエッセイ『オカマだけどOLやってます。』(竹書房)でデビュー。著書に『お家賃ですけど』(文春文庫)、『ときめかない日記』(幻冬舎文庫)、『私以外みんな不潔』(幻冬舎)などがある。
結婚の奴 能町 みね子 (著) 人生っていい!! 人生を変えるような恋愛だの結婚だのは無理だが、ひとりは嫌だ―― 「ウェブ平凡」連載「結婚の追求と私的追究」の単行本化。 |