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『博報堂スピーチライターが教える 口下手のままでも伝わるプロの話し方』言葉に体重を乗せるには?「口下手」でも、それを生かせば大化けする!

ひきたよしあきさん著『博報堂スピーチライターが教える 口下手のままでも伝わるプロの話し方』

ひきたよしあきさん著『博報堂スピーチライターが教える 口下手のままでも伝わるプロの話し方』

ひきたよしあきさん著『博報堂スピーチライターが教える 口下手のままでも伝わるプロの話し方』が、かんき出版より刊行されました。

 

“流暢に話す”がゴールではない

今春は第19回統一地方選挙が実施され、街頭演説で立候補者の演説を聞く機会が増えたかと思われますが、みなさんは、政治家の答弁に心を動かされた経験はありますか?
「ない」と答える人が大半だと思います。

 
「立て板に水」という言葉があります。
弁達者で言葉が流暢にすべる様を言う肯定的な意味の言葉なのですが、残念ながら「立て板に水」のように話すことと「相手が深く理解する」ことは同義ではありません。
弁舌がさわやかすぎて、ロジックが完璧すぎて伝わらないこともたくさんある。これがコミュニケーションの不思議なところです。

明治時代、坂本龍馬や板垣退助など、土佐出身者は不思議と雄弁な人が多かった理由の1つに、”土佐弁”があると言われています。

 
「日本は、このままではいかんぜよ」
「夜明けじゃ! 新しい日本の夜明けぜよ!」

と、坂本龍馬が叫ぶ。

もし、これが「日本は、このままではいけません」「夜明けです。新しい日本の夜明けです」と標準語で語っていたら、果たして、多くの人の心を震わせたでしょうか。

「立て板に水」とは言い難い独特のアクセントや節まわしがあるからこそ、そして彼らに人に訴えかけるだけの「言いたいこと」があったからこそ、人は彼らの言葉に吸い込まれていったのでしょう。

 

言葉に体重を乗せる

必要なのは、話術ではなく”言葉の重さ”です。衆議院議員の小泉進次郎さんがこんなことを言っていました。

「言葉に体温と体重を乗せる」

 
大切なのはこれです。あなたの発言する言葉に、体重を乗せて重くしていくこと。いくら雑談力をつけて面白い人だと思われても、軽い言葉ばかり並べて立てていれば、結果を出すことはできません。

言葉に体重を乗せる。つまり言葉の一つひとつに、思いや信念を込め、言葉に重みを増していくのです。そのためには、言葉数を増やすのではなく減らしてみる。日常的に、自分が心から思ったことを短い言葉で表現する訓練をしましょう。

 
この「重みのあるひと言」は、一長一短には生み出せません。日ごろからのトレーニングが必要です。そのために大切なのがすべてにおいて「自分の頭で考える」ことです。

たとえば、今は映画も本も食事も旅行も「レビュー」で評価が決まります。まず、それを鵜呑みにする気持ちをやめ、人の意見は関係なく何事も自分軸で決定するのです。

自分で読んで、食べて、経験したものだけに「つまらない」「おいしい」「楽しい」と自分の感覚で判断を下すクセをつける。そして、「なぜおいしいと感じたのか」「どうしてつまらなかったのか」と深く考えを掘り下げていき、自分の中で、言葉を駆使して詳細に表現する練習を重ねてみてください。心の中だけでもいいですし、ノートにまとめればなおいいでしょう。

本書で紹介されている「口下手のままでも伝わる話し方」を身につければ、誰でも今の自分を変えることなく、驚くほど言いたいことが伝わるようになります。

博報堂でスピーチライター、コピーライターとして活躍するかたわら、明治大学、慶應義塾大学などで「言葉の持つ力」について教えてきた、言葉のスペシャリストが、依頼人や教え子だけに伝えてきた、誰でも話が伝わるようになる、日々の会議や報告、交渉、商談、雑談、お詫び、プレゼン、スピーチ……。あらゆる場面で使える「プロの話し方」を公開します。

 

本書の構成

第1章 スピーチライター流 話に心を乗せる伝え方

第2章 口下手のままでも伝わる 言葉の磨き方

第3章 驚くほど話が伝わるようになる 3つのマイルストーン

第4章 口下手のままで心を動かす プレゼン・スピーチのコツ

第5章 口下手のままでも面白い 「話のネタ」の拾い方

 

ひきたよしあきさん プロフィール

著者のひきた よしあきさんは、博報堂スピーチライター/クリエイティブプロデューサー。

1984年、早稲田大学法学部卒業。学生時代より「早稲田文学」学生編集委員。NHK『クイズ面白ゼミナール』のクイズ制作などで活躍。
1984年、博報堂に入社し、CMプランナー、クリエイティブディレクターとして数々のCM作品を手がける。

その後、おもに行政の仕事を担当するようになり、現在では、政治、行政、大手企業などのスピーチライターを務めている。ひきたさんの書くスピーチは、依頼者の発言の要点を見事にとらえ、人の心を動かすと、多くのエグゼクティブから絶大な信頼を得ている。

また、明治大学、慶應義塾大学、日本大学などで、「広告コミュニケーション」「日本語のもつ潜在的なちから」をテーマに講義や講演を行うほか、「朝日小学生新聞」に長年コラムを寄稿するなど、若者に日本語の潜在能力や素晴らしさ、コミュニケーションの重要性を伝えている。

著書に『博報堂スピーチライターが教える短くても伝わる文章のコツ』(かんき出版)、『大勢の中のあなたへ』『机の前に貼る一行』(ともに、朝日学生新聞社)などがある。

 

博報堂スピーチライターが教える 口下手のままでも伝わるプロの話し方
ひきたよしあき (著)

「弁が立つ=話がうまい」ではない
会議や商談、雑談、プレゼン、スピーチなどで、すらすらと淀みなく話す人を見て、「この人話がうまいなぁ。私もこんなふうに話せたら……」と思う人も多いことでしょう。「口下手な自分を卒業して、流暢に話したい」。その気持ちはよくわかります。しかし、「伝わる話し方」を身につけるうえで、流暢に話せるよう努力する必要はありません。
相手の話がうまかったのは覚えているけれど、内容はあまり覚えていない。こんなケースもたくさんあります。逆に、ひと言ずつ絞り出すように語る人の話が、なぜか頭から離れず、ずっと記憶に残っているということもあるのではないでしょうか。つまり、「流暢に話す」ことと、「話が伝わる」「話の内容が相手の記憶に残る」こととはまったく違う要素なのです。

 


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