『発達障害グレーゾーン』「忘れ物が多い」「同じミスを繰り返す」私たちは発達障害なのか?
発達障害の認知が広まるなかで増える「グレーゾーン」に迫る姫野桂さんの著書『発達障害グレーゾーン』が、扶桑社より刊行されました。
徹底した当事者取材!「発達障害グレーゾーン」の生きづらさとは?
「発達障害の症状があるのに認められない。だったら自分は何者なのか?」
ここ最近、NHKが大特集を組むなど話題になることが多い「大人の発達障害」。本書では、これまで可視化されてこなかった「グレーゾーン層」に迫ります。
「仕事で同じミスを何回も繰り返す」
「昔から“空気が読めない”と言われる」
「いくら注意しても遅刻や忘れ物をする」
そんな悩みが実は発達障害のせいだったのではないか……そう思った人が今、専門外来などに殺到しています。
しかしそんな中で、発達障害の“傾向”を指摘されながら正式な“診断”には至らない「グレーゾーン」と呼ばれる人たちが相当数いるのをご存じでしょうか。
発達障害は診断基準が非常にあいまいなため、担当医のさじ加減によって「発達障害の傾向はあるようだけどハッキリそうとは断定できない」という、どっちつかずの結果のまま放置されてしまう人が増えています。
彼らの多くは「クローズ就労(=会社には障害を隠した状態)」で働き、「家族や友人にもなかなか理解してもらえない」という、困難を抱えたまま暮らしています。
そこで、本書『発達障害グレーゾーン』では今回、当事者インタビューや当事者会への参加、精神科医、就労支援団体などへの取材を実施。
それにより、発達障害に関するアイテムが溢れるなかでもほとんど扱われてこなかった「発達障害グレーゾーン」の姿を浮き彫りにしました。
★第1章終了までの試し読みはこちらから:http://fusosha.tameshiyo.me/9784594081300
著者プロフィール
■著者:姫野桂(ひめの・けい)さん
1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒業。フリーライター。
大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。
猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。自身も発達障害の当事者であり、これまで「東洋経済オンライン」での連載などを通じて、多くの当事者取材を行ってきた。「東洋経済オンラインアワード2018」ではMVP 賞を受賞。
初の著作『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)を2018年8月に刊行。本作が2冊目の著書になる。
■特別協力:OMgray(オムグレイ)事務局
軽度の発達障害特性に悩む人の当事者会「ぐれ会!」や「グレーゾーンのための問題解決シェア会」を運営する。
同会が立ち上げたイベントにはこれまで400人以上が参加。代表のオムさんは支援機関などに呼ばれて講演活動も行う。
徹底した当事者取材! 発達障害の認知が広まるなかで増える「グレーゾーン」に迫る
近年、NHKが特集するなど話題になることが多い「大人の発達障害」。
「学生時代は大丈夫だったのに、社会に出たらミスばかりする」
「雑談が苦手で、周りから“空気が読めない人”と言われてしまう」
「衝動的にカッとなったり、一か所にジッとしていられない」
そういった悩みを抱えた人が今、「自分もそうかも?」と専門外来に殺到し、病院によっては数か月待ちという状況すら生まれています。
しかし、発達障害の“傾向”を指摘されながら、正式な“診断”には至らない「グレーゾーン」と呼ばれる人たちが相当数いるのをご存じでしょうか。彼らの多くは「クローズ就労(=会社には隠した状態)」で働き、「家族や友人にもなかなか理解してもらえない」という困難を抱えたまま暮らしています。そして、「自分もそうかも?」と思う人は、かなりの確率でこのグレーゾーンに当てはまる可能性があるのです。
「結局、どんな医者に診てもらったかで発達障害かどうかが決まっちゃう」(当事者談)
今では発達障害に関してさまざまなコンテンツが生まれていますが、グレーゾーン(成人)にフォーカスしたものは、ほぼありませんでした。そこで著者の姫野桂さんは「グレーゾーンを可視化する」という試みを始めます。当事者インタビューや当事者会への参加、精神科医、就労支援団体などへの取材を通じて、グレーゾーンとは何か?なぜこれほどまでに生きづらさを抱えるのか?を解き明かしていきます。
また、本書ではこれまで著者が見聞きした、発達障害の当事者やグレーゾーンの人が実践する「ライフハック」も収録しています。発達障害について知りたい人や、発達障害らしき症状に悩んでいる人にとって、少しでも生活向上のヒントになってくれたらうれしいです。