『知能はどこから生まれるのか? ムカデロボットと探す「隠れた脳」』「知能の源泉」は本当に脳にあるのか?知の理解が裏返る、実践と思考の冒険!
大須賀公一さん著『知能はどこから生まれるのか? ムカデロボットと探す「隠れた脳」』が、近代科学社より刊行されました。
哲学者・西研さん推薦!「『私たちはなぜ知能を感じるのか?』を現象学的に問う、実践と思考の冒険。生物学と制御学に全く新たな視野を拓く、画期的な書物だ」
AIが注目を集め、人間を超える人工物の開発が目指されている今日この頃。しかし実は、自然界には脳がなくても賢くふるまう生き物がたくさんいます。
著者は専門である制御工学の研究を通じ、「知能の源は、環境との相互作用にあるのでは?」と考えました。そして、「現象学」という哲学思想を取り入れ、さらに、実際に生き物っぽく動くムカデ型ロボット「i-CentiPot」を作り、仮説の実証を試みます。本書は、その冒険の記録です。
本書は、わかりやすく親しみやすい文体で執筆され、また、ところどころにQRコードを配して、スマートフォンなどでロボットや生き物の動画を手軽に見られるよう工夫されています。
人工知能、知能、制御に関心のある方はもちろん、現象学に関心のある方にもおススメの一冊です。
本書の目次
第1章 旅の始まり
第2章 知能はどこにあるのか
第3章 制御の「メガネ」で知能を見る
第4章 制御の「技」を身につける
第5章 奥義「陰陽制御」を会得する
第6章 i-CentiPotで知能の謎を解く
第7章 旅の終わりと新たな始まり
大須賀公一さん プロフィール
著者の大須賀公一さんは、大阪大学 大学院 工学研究科 機械工学専攻 教授。
計測自動制御学会学術奨励賞、論文賞、教育貢献賞、システム制御情報学会椹木記念賞奨励賞、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門ROBOMEC 表彰、同部門学術講演賞などを受賞。
日本機械学会フェロー、日本ロボット学会フェロー、計測自動制御学会フェロー。
先端制御理論と応用、非線形力学とカオス制御、ロボティクス、メカニカルアナリシス&シンセシスの研究に従事。最近は陰的・陽的制御学を提唱している。その過程で、知能の素は脳ではなく身体と場の相互作用に埋め込まれているとの考えを持つ。また「日本哲学会」に入り、「そもそも論」を語ることに凝っている。
AIが注目を集め、人間と同様、さらには人間を超える高度な知能を持つ人工物の開発が目指されている今日この頃。しかし自然界には、脳はもとより神経系すら持たないのに、知的に振る舞う生き物がたくさんいる!不思議である。制御工学の専門家である著者は、さまざまな研究を通じて、徐々に「そもそも知能って何?」という根源的な謎に興味を抱くようになった。そして、その答えを探すために、「現象学」の考え方を取り入れ、自ら作り出したムカデロボットと共に旅立つのであった…。