『夢幻の扉』 初単行本『会津執権の栄誉』が直木賞候補となった新人作家・佐藤巖太郎さんの未書籍化短篇が 電子書籍オリジナル作品で配信
文藝春秋電子書籍編集部は7月12日、新時代の歴史小説の書き手として注目を集める新人作家・佐藤巖太郎さんのオール讀物新人賞受賞作『夢幻の扉』を、電子書籍オリジナル作品として配信開始しました。
初の単行本となる『会津執権の栄誉』が第157回直木賞の候補作にノミネート
福島県出身の佐藤巖太郎さんは、2011年にオール讀物新人賞を受賞し作家デビュー。今年、初の単行本となる『会津執権の栄誉』を刊行すると、たちまち第157回直木賞の候補作にノミネートされ、
「この力量は本物だ」(石田衣良さん)
「『新人離れした』とは、本書のことだ」(山本一力さん)
と絶賛の声が相次ぎました。
オール讀物新人賞受賞作となる『夢幻の扉』は、名君として知られる会津藩主保科正之の若き日のエピソードに材をとった短篇です。
『夢幻の扉』あらすじ
山形藩二十万石の大名・保科正之から呼出しを受けた北町奉行・加賀爪忠澄。保科の頼みは、切支丹の疑いありと訴えられている牢人・梶原伝九郎について、拷問による自白ではなく、正しい裁きをしてほしいと願うものだった。
梶原伝九郎を訴え出たのは、実の弟・八太夫である。三ヶ月前のことだった。同居する兄が十字架に向かい祈りを捧げている姿を目撃したという。しかし伝九郎は疑いを頑強に否認。でうすの御影が描かれた絵も躊躇なく踏み、仲違いしている弟による自分への誣告だと申し立てた。
いったいどちらが嘘をついているのか――。
そんな中、伝九郎の所持する『伊勢物語』の中に、キリスト教を崇める呪文が発見され、事件は思わぬ展開を見せる――。
佐藤巖太郎さん プロフィール
著者の佐藤巖太郎(さとう・がんたろう)さんは、1962年、福島県生まれ。中央大学法学部法律学科卒。
2011年『夢幻の扉』で第91回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2016年『啄木鳥』で第一回決戦!小説大賞を受賞。2017年『会津執権の栄誉』が第157回直木賞候補となります。