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『語り継ぐこの国のかたち』平成の時代が終わりをむかえる今こそ考えたい、歴史のなかに残された未来への手がかり 宮崎駿監督が推薦!

半藤一利さん著『語り継ぐこの国のかたち』

半藤一利さん著『語り継ぐこの国のかたち』

半藤一利さん著『語り継ぐこの国のかたち』が、大和書房より刊行されました。

 

大ベストセラー『昭和史』『幕末史』『歴史と戦争』の著者が語る、歴史のなかに残された未来への手がかり

本書は、『昭和史1926-1945』(平凡社)、『日本でいちばん長い日』(文藝春秋)、『歴史と戦争』(幻冬舎)等をはじめ、数多くのベストセラー書を発表している昭和史研究の第一人者・半藤一利さんの最新刊です。

 
平成の世が間もなく終わり、これから新しい時代を迎える私たちが、今こそふりかえって学びたい貴重な”歴史のヒント”が満載の一冊です。

スタジオジブリの宮崎駿監督からも、「この国は、どうなっていくのでしょう。ぼくは、半藤さんが大スキなので、心配がとてもよく判ります。」と、推薦文が寄せられています。

 

長い間考え続けてきた「この国のあり方」に対する思索の集大成

本作は、長年にわたる「この国のあり方」についての半藤一利さんの考えを凝縮した集大成といえる内容です。

第一部では、戦争を繰り返した近代日本の失敗の系譜をたどり、
第二部では、激動の時代をひたむきに生き抜いた先人たちの姿を活写します。

 
ちなみに、第二部の「新たな時代をどう生きるか――答えは歴史のなかに」という章では、「世の中は進歩して、時代はどんどん変わっていっているのに、なぜ歴史を学ばないといけないのか?」という問いに対する著者の考えが綴られています。

その答えは、「歴史をかたちづくっているのは、情況がどう変わろうと、変わることのない人間であるから」だと半藤さんは言います。

例えとして、半藤さんが1945年8月15日の敗戦の体験をふりかえり思うのは、「おれは歴史というものを知らなかったなあ」ということだと語ります。

焼け野原の真ん中でも、明治維新後の日本人のことを想起すれば何でもなかったのではないか。
激動の時代のなかで、勝った側にすり寄った者、混乱の中でお金を儲けて成功した者、汚名を着せられて苦しみ尽くした者……。
そうした戦後日本人の種々相は、歴史がくり返すさまそのものだった。
だから、「歴史を知っていれば、敗戦日本にあれほどガッカリすることはなかった」と著者は説くのです。

変化の時代を迎えつつある今の日本でも、「変わることのない人間」が時代を動かしている以上、歴史を学ぶことで得られるヒントは数多くあります。
著者は若い世代に向けて、次のようなメッセージを記しています。

「難局に対処するための処方箋はほかのところにはなく、歴史の中にある、とわたくしはあらためて思っているのです。(中略)
このグローバル競争と不安定な世界に対して、必要なのはより長期的な観点の、日本の明日をどうしたらいいかをふまえた、より大きな社会構想なのです。それは、世界史のなかの日本がどんな歩みをたどってきたのかを、しっかりと正しく考えた上に構築せねばなりません」

 
御年88歳の日本近現代史に精通した知の巨人が、これだけは若い人たちに伝えておきたいという「歴史の中に残された新たな時代の手がかり」を、読みやすく平易な語り口で説く一冊です。

 

本書の目次

第一部 この国に戦争が遺したもの
・日本のノー・リターン・ポイント
――明治からたどる歴史の転換点
・戦争のなかの天皇――明治天皇の御製にみる日露戦争
・過ちがくりかえされる構造――ノモンハン事件と日本的思考
・日本を暴走させた人たち――参謀から考える日本軍「失敗の本質」
・わたくしの八月十五日――終戦の記憶と平和への祈り
・戦争で死ぬということ――戦死者をどう追悼すべきか

第二部 この国の未来に伝えたいこと
・信念をつらぬく覚悟を――陸奥宗光と外交の神髄
・正しいことを言う勇気――石橋湛山が思い描いた未来図
・言論の自由をいかに守るか――権力とメディアの日本史
・知識人の役目――小泉信三と戦後日本の精神
・語り継ぐこの国のかたち――司馬遼太郎の遺言
・日本の原風景をなくさない――宮崎駿の世界に寄せて
・新たな時代をどう生きるか――答えは歴史のなかに

「国体」について――あとがきに代えて

 

半藤一利さん プロフィール

半藤一利さんは、1930年東京・向島生まれ。東京大学文学部卒業。

大学卒業後、文藝春秋に入社。『週刊文春』『文藝春秋』編集長、専務取締役などを経て、作家となる。

1993年に『漱石先生ぞな、もし』(文藝春秋)で新田次郎文学賞、1999年に『ノモンハンの夏』(文藝春秋)で山本七平賞、2006年に『昭和史 1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』(平凡社)で毎日出版文化賞特別賞。2015年に菊池寛賞を受賞。

その他の著書に『決定版 日本のいちばん長い日』『あの戦争と日本人』(文藝春秋)、『幕末史』(新潮社)、『世界史のなかの昭和史』(平凡社)、『歴史と戦争』『歴史と人生』(幻冬舎)など。

 

語り継ぐこの国のかたち
無謀な戦争へと至るあやまちの系譜。
激動の時代をひたむきに生き抜いた人々のすがた。

困難な時代に私たちが立ち帰るべき「原点」とは?

大ベストセラー『昭和史』『幕末史』『歴史と戦争』の碩学がやさしく語りかける、歴史に残された未来への手がかり。

 


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