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【第159回芥川賞&直木賞】芥川賞に高橋弘希さん『送り火』、直木賞に島本理生さん『ファーストラヴ』

第159回芥川龍之介賞および直木三十五賞の選考委員会がともに、7月18日午後5時より築地・新喜楽で開催され、それぞれ受賞作品が決定しました。

 

芥川賞は高橋弘希さんが4度目の候補で受賞!

第159回芥川賞は、下記候補作品の中から高橋弘希さんの『送り火』が受賞作品に決定しました。

高橋弘希さんは、1979年青森県十和田市生まれ。2014年『指の骨』で新潮新人賞を受賞。同作で第152回芥川賞候補になって以降、今回が4回目のノミネートとなっていました。2017年に『日曜日の人々(サンデー・ピープル』で野間文芸新人賞を受賞しています。

 
【芥川賞 候補作】〔敬称略〕
古谷田奈月(こやた・なつき)『風下の朱(あか)』(『早稲田文学』初夏号 掲載)
高橋弘希(たかはし・ひろき)『送り火』(『文學界』5月号 掲載)
北条裕子(ほうじょう・ゆうこ)『美しい顔』(『群像』6月号 掲載)
町屋良平(まちや・りょうへい)『しき』(『文藝』夏号 掲載)
松尾スズキ(まつお・すずき)『もう「はい」としか言えない』(『文學界』3月号 掲載)

 

送り火
東京から山間の町に引越した中学三年生の歩。うまくやってきたはずだった。あの夏、河へ火を流す日までは。注目の俊英、渾身作!

 

直木賞は、芥川賞4回&直木賞2回ノミネートの島本理生さんが受賞

第159回直木賞は、下記候補作品の中から島本理生さんの『ファーストラヴ』が受賞作品に決定しました。

島本理生さんは、1983年東京都板橋区生まれ。2006年に立教大学文学部日本文学科中退。高校在学中の2001年に「シルエット」で群像新人文学賞の優秀作を受賞しデビュー。2003年に『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞を受賞。過去に芥川賞に4回、直木賞に1回ノミネートされており、今回は2度目の直木賞候補となっていました。夫は作家の佐藤友哉さん。

 
【直木賞 候補作】〔敬称略〕
上田早夕里(うえだ・さゆり)『破滅の王』(双葉社)
木下昌輝(きのした・まさき)『宇喜多の楽土』(文藝春秋)
窪美澄(くぼ・みすみ)『じっと手を見る』(幻冬舎)
島本理生(しまもと・りお)『ファーストラヴ』(文藝春秋)
本城雅人(ほんじょう・まさと)『傍流の記者』(新潮社)
湊かなえ(みなと・かなえ)『未来』(双葉社)

 

ファーストラヴ
夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?
臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。

「この世界で、人はレールからはずれることができず苦しみ続ける。涙を流さずに泣くことの意味を、僕はこれからも考えていくと思う。」俳優・坂口健太郎

 

芥川賞と直木賞について

芥川賞と直木賞は、1935(昭和10)年に制定され、芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られます。

芥川賞は主に無名・新進作家が、直木賞は無名・新進・中堅作家が対象となります。受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が授与されます。

 
【関連】
芥川龍之介賞|公益財団法人日本文学振興会
直木三十五賞|公益財団法人日本文学振興会

 


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