石戸諭さんが”渦中の人たち”を追った正統派人物ルポ『「嫌われ者」の正体―日本のトリックスター―』が刊行
ノンフィクションライターで本格的な人物ルポに定評がある石戸諭さんが“日本のトリックスター”を徹底取材した『「嫌われ者」の正体』が新潮社より刊行されました。
玉川徹、西野亮廣、ガーシー、吉村洋文、山本太郎――時に大衆を熱狂させ、時に炎上の的になる渦中の人たち――毀誉褒貶付きまとう彼らは何者か?
《気が付くと「ややこしい人物」「ややこしい事象」を追いかける日々が始まっていた。》
(プロローグより)
極端な言動で世間の注目を一挙にさらい、「社会現象」とも言える大きなムーブメントを生み出す。テレビのコメンテーターであれ、政治家であれ、YouTuberであれ、彼ら「渦中の人たち」には熱狂的な支持者とアンチを生み出すという共通点があります。
賞賛か批判かはともかく、我々は彼らについて語りたくなり、そしてネットに書き込みたくなってしまう。何が人々をそこまで惹きつけるのでしょうか。
著者は、玉川徹さん、西野亮廣さん、ガーシーさん、吉村洋文さん、山本太郎さんら“日本のトリックスター”とも言うべき人物について、本人や周辺への丹念な取材を積みあげたうえで、冷静な目でレポートしていきます。
さらに、多くの旧統一教会2世信者にも取材し、メディアによって形作られた「洗脳されたかわいそうな被害者像」とは異なる彼らの意外な姿や政治家との本当の関係にも肉迫します。
熱狂、憎悪、賞賛、炎上……その中心にいる人物は何を考えているのか。彼らを取り巻く人たちにはどのような思い、あるいは計算があるのか。そのムーブメントは社会にとってどのような意味を持つのか。
彼らの存在を通して見えてきた日本社会の問題点、メディアの不健全さにも、著者の鋭い指摘は及んでいきます。
「右か左か」「敵か味方か」「善か悪か」の二分法、ただ分断を深めるだけの議論にはもうウンザリ……そんな方にこそおススメの人物ルポです。
【本書の内容】
玉川徹、西野亮廣、ガーシー、吉村洋文、山本太郎――時に大衆を熱狂させ、時に炎上の的になるメディアの寵児たち。毀誉褒貶付きまとう彼らは何者か。その存在はそのまま単純かつ幼稚な「正論」がもてはやされる日本社会の問題点、メディアの不健全さを映し出している。新聞、ネットメディアの記者を経て、ジャーナリストとなった著者が本人および周辺への取材を重ねて綴った、超ど真ん中、正統派人物ルポの誕生!
本書の構成
プロローグ 幼稚な極論に抗うために
玉川徹――権力批判は最高の素材である
怒れる会社員/「チーム玉川」の証言/数字が取れなければ追われる/権力批判は盛り上がる/時代を象徴するポピュリスト/「安倍首相国葬批判」での失敗と復活
西野亮廣――否定も批判も織り込みながら肯定し続ける
カリスマは五反田にいた/急成長と急停止/タモリからの一言/夢と金/肯定することの意味/約束されたカタルシス
ガーシー――暴露で革命は起こせないという現実
ヒーローか詐欺師か/アテンド能力とは何か/転落を招いた悪癖/10%の真実と90%の嘘/ご褒美は3億円と不逮捕特権/「ごぼうの党」の主張/ガーシーの肉声/週刊誌はガーシーに劣るのか
2022年の旧統一教会――カルトを絶対悪とするカルト的思考
カルト教団の「におわせ」/政治家との本当の関係/「キーマン」下村博文との一問一答/一人目の2世信者/二人目の2世信者/三人目の2世信者/四人目の2世信者/五人目の2世信者/カルト批判者のカルト的側面/無邪気に「排除」を主張した人たち/太田光の正論
吉村洋文――敵多き普通の男の苦悩
敵か味方か/結果は出ているのか/素顔の吉村/目立たない弁護士/「維新」の生い立ち/橋下チルドレンから側近、そして市長へ/ポピュリズムでは片付けられない/「大阪の外」へ/中道が武器になる/覚悟を決めた瞬間
山本太郎――稀代のポピュリストの栄光と限界
左派ポピュリズムの旗手として/曲解される「ポピュリズム」/右でも左でもないフリースタイル/東京8区混乱の研究/立憲民主党の安易さ/「市民派選挙の神様」による予言/オウンゴール連発の石原サイド/勝ったのは誰か/れいわ新選組のフォロワーたち
著者プロフィール
石戸諭(いしど・さとる)さんは、1984年生まれ、東京都出身。立命館大学法学部卒業後、毎日新聞、BuzzFeed Japanの記者を経て、現在はノンフィクションライター。
著書に『リスクと生きる、死者と生きる』『ルポ 百田尚樹現象』『ニュースの未来』『東京ルポルタージュ』などがある。
「嫌われ者」の正体:日本のトリックスター 石戸 諭 (著) |
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