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【第10回野村胡堂文学賞】武内涼さん『厳島』が受賞

一般社団法人「日本作家クラブ」は、同クラブの初代理事長でもある作家・野村胡堂の作品に匹敵するような時代・歴史小説に贈る「第12回野村胡堂文学賞」(協賛:株式会社ファミリーマート)の受賞作を発表しました。

 

第12回野村胡堂文学賞が決定!

第12回野村胡堂文学賞の選考会が10月4日に日本工業倶楽部で開催され、文芸評論家の郷原宏さん(委員長)、作家で第3回野村胡堂文学賞受賞者の鳴神響一さん、日本作家クラブの竹内博理事長の3名の選考委員による合議によって、次の通り受賞作品が決定しました。

 
<第12回野村胡堂文学賞 受賞作品>

武内涼(たけうち・りょう)さん
『厳島』(新潮社)

 
受賞者の武内涼さんは、1978年生まれ、群馬県出身。早稲田大学第一文学部卒業。映画、テレビ番組の制作に携わった後、第17回日本ホラー小説大賞の最終候補作とな った原稿を改稿した『忍びの森』で2011年にデビュー。2015年『妖草師』シリーズで徳間文庫大賞を受賞。さらに同シリーズが「この時代小説がすごい!2016年版」〈文庫書き下ろし部門〉第1位に。2022年『阿修羅草紙』で第24回大藪春彦賞を受賞。その他の著書に『戦都の陰陽師』シリーズ、『忍び道』シリーズ、『謀聖 尼子経久伝』シリ ーズ、『駒姫─三条河原異聞─』『敗れども負けず』『東遊記』、時代伝奇ダーク・ファンタジー『あらごと、わごと 呪師開眼(のろんじかいげん)』、その続編となる『あらごと、わごと 魔軍襲来』など。

 

野村胡堂文学賞について

野村胡堂は、その生涯の中で、特に江戸の下町を舞台に“目明かし”が活躍する国民文学、捕物小説の一大傑作である『銭形平次捕物控』を著し、戦前・戦後を通じて庶民、大衆を勇気づけてきました。「日本作家クラブ」は、その野村胡堂が初代会長となって設立された「捕物作家クラブ」を前身とする団体です。

「野村胡堂文学賞」は、同クラブが 野村胡堂を顕彰する目的で2013(平成25)年に設立。毎年、野村胡堂に匹敵するような時代・歴史小説1作品を選出し、受賞作家には正賞(万年筆)と副賞(賞金)を授与しその栄誉を讃えることとしています。

受賞作決定の公表日10月15日は、野村胡堂(1882-1963)の誕生日で、本賞(野村胡堂文学賞)は毎年この日を公表日としています。

なお、本年の授賞式は11月11日(月)午後4時より神田明神内の明神会館にて執り行います。

 
<「日本作家クラブ」について>

日本作家クラブは、創作活動に携わる者たちの職能的な結合体として、広く文化や芸術の振興および会員相互の自己啓発と親睦を図ることを目的に1949年に設立された団体です。

初代会長は野村胡堂。草創期の会員には江戸川乱歩、海音寺潮五郎、横溝正史、山手樹一郎、山岡荘八、吉川英治らの錚々たる文豪が名を連ねました。同クラブでは作家の意味を、広い意味での表現者および表現を志す人と捉えています。こうした会員による表現の場として1994年に同人雑誌『文芸』を創刊(年1回刊行、通巻27号)。2013年からは顕彰事業に着手して「野村胡堂文学賞」、2015年に「あらえびす文化賞」を創設。2019年に創立70周年記念事業を展開、今日に至っています。

 

厳島
武内 涼 (著)

希望と絶望、そして祈り――男たちを戦へ駆り立てるすべてが、この島にあった。
「我が国の歴史文学の空白を埋める記念碑的作品」――縄田一男氏絶賛!

“戦国三大奇襲”に数えられる「厳島の戦い」。兵力わずか四千の毛利元就軍が二万八千の陶晴賢軍を打ち破った名勝負の影には、壮絶な人間ドラマがあった。謀略で勝利した元就と、義を貫いて敗れた晴賢……対照的な二人の武将を通して人間の矜持を問う!

大藪春彦賞受賞の気鋭が放つ、慟哭必至の歴史巨編。

 
【関連】
「野村胡堂を顕彰する賞」について | 一般社団法人 日本作家クラブ

 


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