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マリコ タマキさん×ジリアン タマキさん「2024年アイズナー賞」受賞コミック『Roaming ローミング』が刊行 翻訳は金原瑞人さん

マリコ タマキさん作、ジリアン タマキさん画、金原瑞人さん訳による、 2024年アイズナー賞受賞コミック『Roaming ローミング Volume1』『Roaming ローミング Volume2』がトゥーヴァージンズより同時刊行されました。

 

大都市ニューヨークで繰り広げられる、繊細なクィア・ロマンス

『Roaming』は、コールデコット賞オナーやアイズナー賞等を受賞したグラフィックノベル『THIS ONE SUMMER』のマリコ タマキさん(作)とジリアン タマキさん(画)が再びタッグを組み、制作された作品。2024年アイズナー賞を3部門で受賞し、注目が集まっています。

 
【あらすじ】

2009年9月。高校時代の親友ダニエルとゾーイは、大学1年の夏休みにニューヨークで再会することに。ダニエルの大学のクラスメイト、フィオナも一緒にさまざまな観光スポットをめぐる3人。お互いの大学生活や家族のこと、セクシャリティについて対話を重ねるうち、長年の友情がゆらぎ始め――。大都市ニューヨークを舞台に繰り広げられる、繊細でみずみずしいクィア・ロマンス。

 
日本翻訳版のVolume1はDay1~3の物語を収録。Volumn2はDay4~5の物語を収録し、マリコ タマキさん&ジリアン タマキさんの特別インタビューや日本の読者へのメッセージ、描き下ろしイラスト、作品を読み解くための特別冊子「Reading Roaming」など、日本翻訳版オリジナルの豪華特典がつきます。

 
2024年アイズナー賞・3冠達成!
・最優秀グラフィックアルバム賞
・最優秀ライター賞
・最優秀ペンシラー賞/インカーまたはペンシラー賞/インカーチーム賞

(c) Roaming by Jillian Tamaki and Mariko Tamaki /cTWO VIRGINS 2024

(c) Roaming by Jillian Tamaki and Mariko Tamaki /cTWO VIRGINS 2024

★コミックの試し読みページ:https://michikusacomics.jp/product/roaming

 
<推薦文>

◆金原瑞人さん(翻訳家)
3人の気持ちの揺れが小気味よく歯切れのいい会話でスリリングに語られていく。一方、細かい描きこみとダイナミックに流れる場面を絶妙のバランスでコラージュした絵がそれを鮮やかに演出する。今日の自分と明日の自分の間で戸惑う3人の物語がニューヨークをさまよう。
思いきり若々しくロマンチックでリアルで、ふっと寂しくなる。映画でも小説でも、これほど読者に切なく迫ってくる作品はめったにない。

 
◆竹田ダニエルさん(ライター)
慣れない大都市NYCで長く続けられる友情、恋愛、喧嘩。「初めて」の体験ばかりの毎日はキラキラと眩くて、未来への不安や世界への絶望はとても苦しい。リアルすぎる若者たちの感情の起伏が、ページを捲るごとに圧倒的に美しい絵で表現される。宝石のような作品。
現代の若者たちの「クィアで当たり前」「世界の常識を疑って当たり前」という空気感の取り入れ方にこそ、注目してほしい。こういうことあるよね、だけど今まで描かれてこなかったよね、そういった部分をセンセーショナルではなく「平凡」に、だけど輝きはそのままに、映し出す。

 
◆山本美希さん(マンガ作家)
ジリアン タマキの均一で洗練された線。台詞と台詞は流れるように繋がり、黒・青・ベージュの配色は三人の重なりつつもズレる旅の様子を反映しながら、見事に物語を紡ぎだす。何より、三人を(画一的な「女子大学生像」にせず)個性的な人物として絵に落とし込む造形力、私も盗まなくては。
原作のマリコ タマキは若者を書くことにかけては突出している。旅や未知の場所に過剰な憧れと期待を抱き、現実との差を知る。若い頃の旅は、そのためにあったのだと今になって思う。

 
◆松田青子さん(作家、翻訳家)
お互いのことを、すべて知らなくてもいい。すべてわかり合えなくてもいい。同じものを見て、違うことを考えていてもいい。
未知の世界にわいわいと、果敢に乗り込んでいく三人の眩さがどのページからも溢れ出していて、最高。

 

著者プロフィール

 
■作:マリコ タマキさん

1975年生まれ。カナダ・トロント出身、カリフォルニア在住の作家。
コミックの原作を数多く手がけ、これまでにカナダ総督文学賞、コールデコット賞オナー、アイズナー賞など数多くの賞を受賞している。エイブラムス ブックスでLGBTQIAグラフィックノベルのキュレーターも務める。

 
■画:ジリアン タマキさん

1980年生まれ。カナダ・オタワ出身、オンタリオ州トロント在住の漫画家・イラストレーター。
グラフィックノベル『SuperMutant Magic Academy』『Boundless』でアイズナー賞を受賞。『Our Little Kitchen』など絵本も描いている。マリコ タマキさんはいとこにあたる。

 
■訳:金原瑞人(かねはら・みずひと)さん

1954年生まれ、岡山市出身。法政大学教授、翻訳家。
訳書は『青空のむこう』、〈パーシー ジャクソン〉シリーズ、『国のない男』『月と六ペンス』『文学効能事典』『彼女の思い出 逆さまの森』など600点以上。エッセイ集に『翻訳エクササイズ』『翻訳はめぐる』など、日本の古典の翻案に『雨月物語』『仮名手本忠臣蔵』など。

 

Roaming ローミング Volume1
マリコ タマキ (著), ジリアン タマキ (イラスト), 金原瑞人 (翻訳)

2024年アイズナー賞、3冠を達成!
コールデコット賞オナーやアイズナー賞等を受賞したグラフィックノベル『THIS ONE SUMMER』のマリコ タマキ(作)&ジリアン タマキ(絵)が再びタッグを組み、制作された作品。3人の大学生が過ごした5日間のニューヨークの旅を描き、Volume1ではDay1~3の物語を収録する。
2009年3月。高校時代の親友ダニエルとゾーイは、大学1年の春休みにニューヨークで再会することに。ダニエルの大学のクラスメイト、フィオナも一緒にさまざまな観光スポットをめぐる3人。お互いの大学生活、家族や将来のこと、セクシャリティについて対話を重ねるうち、長年の友情がゆらぎ始め――。大都市ニューヨークを舞台に繰り広げられる、繊細でみずみずしいクィア・ロマンス。

Roaming ローミング Volume2
マリコ タマキ (著), ジリアン タマキ (イラスト), 金原瑞人 (翻訳)

2024年アイズナー賞の3冠を達成!
コールデコット賞オナーやアイズナー賞等を受賞したグラフィックノベル『THIS ONE SUMMER』のマリコ タマキ(作)&ジリアン タマキ(絵)が再びタッグを組み、制作された作品。3人による5日間のニューヨークの旅を描き、Volume2ではDay4~5の物語を収録する。
ニューヨークの旅も、気がつけば残り2日間。惹かれ合う相手と心が通じたときのトキメキ。かつての関係が変わりゆく中で覚える、戸惑いと寂しさ。時間を共にしながらも3人の気持ちはすれ違い、さまよい歩く。たしかなのは、この旅が終われば、またそれぞれ在るべき場所に戻るということだけ――。大人になる過程で誰もが経験する、ほろ苦くて懐かしい旅の思い出。

 
【関連】
Roaming – 路草

 


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