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陳舜臣さん生誕100年記念!「陶展文シリーズ」全短編を初めて1冊に集約『桃源亭へようこそ』が刊行

巨匠・陳舜臣さんの生誕100年を記念し、傑作推理「陶展文シリーズ」全短編を初めて1冊に集約した『桃源亭へようこそ 中国料理店店主・陶展文の事件簿』が徳間文庫より刊行されました。

 

大沢在昌さん、東山彰良さん推薦! 12もの文化・文学賞を受賞した巨匠・陳舜臣さんの「陶展文シリーズ」全短編を1冊に集約!

 
「昭和の神戸を舞台に、名探偵陶展文が活躍する本書は、まるでモノクロの名画を観ているかのように懐かしい。」
――大沢在昌さん

「古き良き本格ミステリは死せず。こんな華僑探偵が神戸にいたのか。」
――東山彰良さん

 
【あらすじ】

神戸で中国料理店「桃源亭」を経営する華僑・陶展文。
福建で育った彼は、若い頃日本に留学して法律を学んだ。その後、中国に帰国したが再び日本に戻り、妻の節子と結婚した。
父の影響で幼少時から始めた拳法の達人であり、漢方医としての顔を持つ。今は店を節子の甥にまかせ、悠々自適の身だ。

アメリカの貿易商コンチネンタル社神戸支店長のハミルトンは、毎年七月末、社員と主だった取引客を招待して、パーティーを開いていた。その最中、庭でハミルトンの死体が発見される。
死因は絞殺。だが首に巻き付けられていた縄は、すぐにちぎれてしまいそうな古いものだった。
パーティー料理を依頼され、偶然現場に居合わせた陶展文は皆の話を聞き、あることに気づく……。(「くたびれた縄」)

シリーズ全6編に加え、料理ミステリー『幻の百花双瞳』を収録した傑作ミステリー集。

 

新保博久さん「解説」より(抜粋)

陶展文シリーズには、推理趣味や歴史趣味といった著者のすべてが萌芽していたといって過言ではない。

(中略)

陶展文のキャラクターに魅せられた読者は、出来不出来よりも、その活躍にたくさん接したいと思うのにちがいない。

 

本書の目次

くたびれた縄
ひきずった縄
縄の綳帯
崩れた直線
軌跡は消えず
王直の財宝
幻の百花双瞳(ひゃっかそうどう)

解説 新保博久

 

著者プロフィール

陳舜臣(ちん・しゅんしん)さんは、1924年生まれ、神戸市出身。大阪外国語学校(現・大阪大学外国語学部)印度語学科卒業。一学年下の司馬遼太郎さん(蒙古語科)とは生涯親密な関係を持つ。

1961年『枯草の根』で第7回江戸川乱歩賞を受賞。1969年「青玉獅子香炉」で第60回直木賞、1970年『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』で第23回日本推理作家協会賞を受賞し、ミステリ作家として初の三冠となる。1972年の日中国交回復後、中国各地、シルクロードなどを旅し、中国の歴史を題材にした歴史小説、史伝、紀行文を多数執筆。1976年『敦煌の旅』で第3回大佛次郎賞を受賞、日本における「中国歴史小説」ジャンルを確立。1980~81年に放送されたNHK特集「シルクロード -絲綢之路-」に井上靖さん、司馬遼太郎さんとともに出演。1991年『諸葛孔明』で第26回吉川英治文学賞を受賞。1993年『琉球の風』がNHK大河ドラマ原作となる。1994年、第51回日本芸術院賞を受賞。1998年、勲三等瑞宝章を受章。2015年没。

 

桃源亭へようこそ 中国料理店店主・陶展文の事件簿 (徳間文庫)
陳舜臣 (著)

神戸で中国料理店「桃源亭」を経営する陶展文。拳法の達人であり、漢方医としての顔も持つ。ある日、貿易会社の神戸支店長ハミルトンが自宅で開いたパーティーの最中に絞殺された。だが首に巻き付けられていた縄は、すぐにちぎれてしまいそうな古いものだった。パーティー料理を依頼され、偶然現場に居合わせた陶展文は皆の話を聞き、あることに気づく(くたびれた縄)。傑作ミステリー集。

 


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