『護られなかった者たちへ』続編、中山七里さん『境界線』が文庫化
宝島社は、震災後の東北を舞台に行方不明者の戸籍売買の闇を描いた中山七里さん著『境界線』を文庫化し、宝島社文庫より刊行しました。
本書は、2021年に佐藤健さん・阿部寛さん出演で映画化され注目を集めた『護られなかった者たちへ』に続く“宮城県警シリーズ”の続編で、今年1月に刊行されたシリーズの完結編『彷徨う者たち』(NHK出版)を含む3部作です。共通する登場人物も多く、シリーズとしての魅力もありながら、それぞれが独立した話になっているため単独で読むこともできます。
震災で生まれた人々の“境界線”を描く社会派ミステリー『境界線』
『境界線』は、震災によって妻子が行方不明になった刑事・笘篠(とましの)誠一郎のもとに、7年後、妻の訃報が届くところから始まります。
笘篠は遺体を確認しますが、それは妻を名乗っていた別人のものでした。なぜ、どのようにして妻の戸籍を偽っていたのか、遺体の身元を探るうちに浮かび上がってきたのは、震災後の混乱と喪失によって生まれた様々な「境界線」です。
生死の境界線。街に残る被害の境界線。そして、人々の心の境界線。犯人はどうして「境界線」を飛び超えてしまったのか。中山七里さんが復興への祈りを込めて描いた、骨太の社会派ミステリーです。
【目次】
第一章 「生者と死者」
第二章 「残された者と消えた者」
第三章 「売る者と買う者」
第四章 「孤高と群棲」
第五章 「追われる者と追われない者」
解説:葉真中顕
著者プロフィール
中山七里(なかやま・しちり)さんは、1961年生まれ、岐阜県出身。第8回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作『さよならドビュッシー』にて2010年にデビュー。2011年発売の『連続殺人鬼カエル男』も同時に最終選考に残った。
「岬洋介」シリーズをはじめ、「御子柴弁護士」シリーズ(講談社)、「刑事犬養隼人」シリーズ(KADOKAWA)などの著書多数。また、『さよならドビュッシー』『連続殺人鬼カエル男』『ドクター・デスの遺産』『セイレーンの懺悔』『夜がどれほど暗くても』など映像化作品も多数。
境界線 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 中山 七里 (著) 『護られなかった者たちへ』を超える慟哭――。 女性の遺体が発見された。身分証から、七年前の東日本大震災で行方不明になっていた人物であることが判明した。 |
<シリーズ第1弾>
護られなかった者たちへ (宝島社文庫) 中山七里 (著) 誰もが口を揃えて「人格者」だと言う、仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が、身体を拘束された餓死死体で発見された。 |
<シリーズ第3弾>
彷徨う者たち 中山 七里 (著) シリーズ累計50万部突破!社会派ヒューマンミステリーの金字塔、ついに最終章へ 在りし日の友情と恋。立ちはだかる悔恨と贖罪。 災害公営住宅への移転に伴い解体作業が進む仮設住宅の一室で見つかった他殺体。発見場所は出入り口がすべて施錠された完全密室、被害者は町役場の仮設住民の担当者だった。 生活保護制度を題材に、佐藤健さん主演で映画化された第一作『護られなかった者たちへ』、震災からの復興とその闇ビジネスを描いた第二作『境界線』に続く、シリーズ累計50万部突破の「宮城県警シリーズ」最新作。 あの日、流された絆があった。 |
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