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細田昌志さん「第30回小学館ノンフィクション大賞」受賞作『力道山未亡人』が刊行

2023年12月にノンフィクションを対象とする公募の文学賞「第30回小学館ノンフィクション大賞」を受賞した、細田昌志さん著『力道山未亡人』が5月31日に小学館より刊行されます。

 

遺された負債は30億円! 英雄の死後、妻の「戦いのゴング」が鳴った――

本作は “戦後復興のシンボル” として、国民的人気を誇ったプロレスラー・力道山の妻の貴重な回顧録です。

唐突すぎる夫の死の舞台裏、夫の死後、22歳にして5つの会社の社長に就任、30億円もの負債を背負い、4人の子の母親となった・・・これまで語られることのなかった、「その後の人生」が明かされます。

 
《未亡人である敬子には、相続を放棄する手もあった。しかし、それは考えなかった。
「そんなことを、主人は絶対に望んでないって思ったんです」
敬子は社長を引き受けることにした。》
(本文より)

 
「力道山未亡人」として好奇の視線に晒され、男性社会の洗礼を浴び、プロレスという特殊な業界に翻弄されながら、昭和・平成・令和と生きた、一人の女性の数奇な半生を紐解く一冊です。

 
<「第30回小学館ノンフィクション大賞」選考委員コメント>

◎辻村深月さん(作家)
「未亡人・敬子さんの人柄がくらくらするほど魅力的」

◎星野博美さん(ノンフィクション作家)
「戦後日本の闇の深さを際立たせることに成功した。過去と現在がうまく共存し、そこから日本の変遷が透けて見えた」

◎白石和彌さん(映画監督)
「アントニオ猪木や周りの人との関わりも、プロレスファンが読んでも堪らなかった」

 

編集担当からのおすすめ情報

国民的スターとの幸せな結婚生活はわずか「半年」。22歳で30億円もの負債を背負った「未亡人」。何とも壮絶な人物を想像するが、選考委員・星野博美氏が言うように田中敬子さんは何とも「フワフワ」してチャーミングな女性である。

 
そんな敬子さんの実像を『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修 評伝』で第43回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」を受賞したノンフィクション作家・細田昌志さんが細緻に描いた傑作ノンフィクション。老若男女問わず、多くの方に読んでいただきたい1冊です。

 

著者プロフィール

細田昌志(ほそだ・まさし)さんは、ノンフィクション作家。1971年生まれ。岡山市出身、鳥取市育ち。鳥取城北高校卒業。リングアナウンサー、CS放送のキャスターを経て、放送作家に転身。ラジオ、テレビ、インターネット番組を手掛けながら、雑誌やWEBに寄稿。2021年『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修 評伝』(新潮社)で第43回講談社 本田靖春ノンフィクション賞、2023年「力道山未亡人」で第30回小学館ノンフィクション大賞を受賞。

 

小学館ノンフィクション大賞について

小学館ノンフィクション大賞は、小学館の『週刊ポスト』『女性セブン』2誌主催による、ノンフィクションを対象とする公募の文学賞です。

1993年、創刊25周年を迎えた『週刊ポスト』が『SAPIO』とともに、21世紀へ向け新しい感覚で時代を切り拓いていく新進気鋭のライターの登竜門となるべく「21世紀国際ノンフィクション大賞」として創設。第7回より現在の名称となりました。

受賞作は、小学館より単行本として刊行されます。

 

力道山未亡人
細田 昌志 (著)

第30回小学館ノンフィクション大賞受賞作

“戦後復興のシンボル”力道山が他界して60年。
妻・田中敬子は80歳を越えた今も亡き夫の想い出を語り歩く。

 


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