【第43回講談社 本田靖春ノンフィクション賞・第37回講談社科学出版賞】ノンフィクション賞は細田昌志さんと村山祐介さん、科学出版賞は毛内拡さんが受賞
講談社は7月15日、第43回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」および第37回「講談社科学出版賞」の受賞作品を発表しました。
第43回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」受賞作品
第43回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」の受賞作品は、次の通り決定しました。
<第43回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」 受賞作品>
◎細田昌志(ほそだ・まさし)さん
『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修 評伝』(新潮社)
◎村山祐介(むらやま・ゆうすけ)さん
『エクソダス アメリカ国境の狂気と祈り』(新潮社)
受賞者の細田昌志さんは、1971年生まれ。岡山市出身、鳥取市育ち。鳥取城北高校卒業。CS放送のキャスターを経て、放送作家に転身。ラジオ、テレビ、インターネット番組を手掛けながら、雑誌やWEBに寄稿。メールマガジン「水道橋博士のメルマ旬報」同人。現在、『日刊ゲンダイ』にて、野口修さんの芸能界での仕事にスポットをあてた「芸能界と格闘界 その深淵」を連載中。
同じく受賞者の村山祐介さんは、1971年生まれ。東京都出身。ジャーナリスト。立教大学法学部卒業。1995年、三菱商事株式会社入社。2001年、朝日新聞社入社。ワシントン特派員、ドバイ支局長、GLOBE編集部員、東京本社経済部次長などを経て20年3月に退社。米国に向かう移民の取材で18年の第34回ATP賞テレビグランプリのドキュメンタリー部門奨励賞、2019年度のボーン・上田記念国際記者賞を受賞。
細田さんと村山さんには、賞状・記念品および副賞100万円が贈られます。
選考委員は、魚住昭さん、後藤正治さん、最相葉月さん、中沢新一さん。
なお、「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」は、1979年に創始された「講談社ノンフィクション賞」を2019年より改称したものです。講談社が2019年に創業110周年という節目の年を迎えるにあたり、戦後日本を代表するノンフィクションの書き手の一人・本田靖春さん(1933~2004)の名を冠することとなりました。
【受賞コメント】
◆細田昌志さん
「感無量です。ありがとうございます。10年間の苦労が報われた気がします。天国の野口さんもきっと喜んでくれていると思います」
◆村山祐介さん
「受賞の報を聞き、嬉しく思っております。母国を逃れて、命がけで新天地を目指す人たちに託されたメッセージを、この1冊に込めました。報じられることも少ない世界の現実の一端を、これからも伝えていきたいと思っています。」
<参考>最終候補作品
◎石井妙子さん『女帝 小池百合子』(文藝春秋)
◎大西康之さん『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』(東洋経済新報社)
◎細田昌志さん『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修 評伝』(新潮社)
◎牧村康正さん『ヤクザと過激派が棲む街』(講談社)
◎村山祐介さん『エクソダス アメリカ国境の狂気と祈り』(新潮社)
第37回「講談社科学出版賞」受賞作品
第37回「講談社科学出版賞」の受賞作品は、次の通り決定しました。
<第37回「講談社科学出版賞」 受賞作品>
毛内拡(もうない・ひろむ)さん
『脳を司る「脳」 最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき』(講談社/ブルーバックス)
受賞者の毛内拡さんは、1984年生まれ。北海道函館市出身。2008年、東京薬科大学生命科学部卒業。2013年、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員、理化学研究所脳科学総合研究センター研究員を経て、2018年よりお茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。生体組織機能学研究室を主宰。脳をこよなく愛する有志が集まり脳に関する本を輪読する会「いんすぴ!ゼミ」代表。「脳が生きているとはどういうことか」をスローガンに、マウスの脳活動にヒントを得て、基礎研究と医学研究の橋渡しを担う研究を目指している。研究と育児を両立するイクメン研究者。趣味は、道に迷うこと。
毛内さんには、賞状・記念品および副賞100万円が贈られます。
選考委員は、黒田玲子さん、小林誠さん、竹内薫さん、西成活裕さん、藤嶋昭さん
沢村忠に真空を飛ばせた男: 昭和のプロモーター・野口修 評伝 細田 昌志 (著) 取材・執筆に10年!「水道橋博士のメルマ旬報」連載で話題を呼んだ、本格ノンフィクション超大作が待望の書籍化!!「キックボクシング」を命名・創設し、沢村忠というスーパースターに加え、歌手の五木ひろしを世に送り出した伝説のプロモーター・野口修の生涯を描く。 日本一の「拳闘士」にして「国士」でもあった父を持ち、戦前から続く政財界や裏社会の多様な人脈を生かしながら、様々な興行を仕掛ける野口修。特に、タイ式ボクシングと大山道場(後の極真会館)との他流試合の実現とキックボクシングの創設は、日本の格闘技史で特筆されるべきエポックメイキングとなる。さらに、当時は別名で活動していた五木ひろしをヒット歌手に育て、日本レコード大賞を受賞させ、芸能界も制する――数々の偉業を成し遂げる一方で、世界タイトルマッチ興行を巡る水面下の駆け引きや晩年など、野口修のドラマチックな人生と共に刻まれた、壮大な昭和裏面史を余すところなく描く。圧巻の上下2段組、560ページの超大作!! |
エクソダス: アメリカ国境の狂気と祈り 村山 祐介 (著) そこでは子どもが、妊婦が、故国を追われた人びとが、息絶えてゆく。 米・メキシコ国境3200キロに向かう移民たち。 2019年度ボーン・上田国際記念国際記者賞受賞の激動ルポルタージュ |
脳を司る「脳」 最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき (ブルーバックス) 毛内 拡 (著) なぜ、私たちは「特別」なのか?――その答えはここにある。 心のはたらき、知性、ひらめき…… 脳のはたらきは、ニューロンが担っている ◆おもな内容 |
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