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五木寛之さん初のテーマ別作品集〈五木寛之セレクション〉第3弾『異国ロマンス集』が刊行

東京書籍は、五木寛之さんの初となるテーマ別作品集の第3弾『五木寛之セレクションIII【異国ロマンス小説集】』を刊行しました。

 

白夜の街に繰り広げられる、愛と運命の物語

五木寛之さんのテーマ別作品集の第3巻目は、【異国ロマンス集】として、ソ連の国境地帯カレリアの哀しみ、ソフィアの村に残されたロシアイコン(聖像画)など、戦争と革命、民族の哀愁を伝える歴史ロマン小説6篇を収録。

白夜の街に繰り広げられる、愛と運命の物語をお楽しみください。

巻末には、四方田犬彦さんとの対談解説を掲載。
投げ込みの月報には、五木寛之さんの書下しエッセイ、同時代評論として福島申二さん、川崎洋さんの評論も掲載。

 
【収録作品】

◆『霧のカレリア』(1967年)
かつてフィンランドとソ連の国境地帯であったカレリア。領土を奪われた民族の哀しみと誇り。

◆『ソフィアの秋』(1968年)
ブルガリアの首都ソフィアの村に残されたロシアイコン(聖像画)をめぐるロマンと幻想。

◆『夏の怖れ』(1967年)
ノルウェー娘のジュリーはムンクの〈叫び〉に死の戦慄を覚える。ドイツに抵抗した家族の悲哀。

◆『赤い広場の女』(1967年)
美貌のウクライナ娘は、なぜ未来を捨てたのか。ドイツの占領がもたらした6歳の少女の悲劇。

◆『白夜のオルフェ』(1966年)
米軍基地の黒人下士官の血を引く少年と、誇り高きスウェーデン娘との純愛がもたらした結末は?

◆『ローマ午前零時』(1969年)
五月革命の混乱の中、私はCM祭での入賞を狙っていた。しかし私には、メーデー事件の過去があった。

 

著者プロフィール

五木寛之(いつき・ひろゆき)さんは、1932年(昭和7年)9月生まれ、福岡県出身。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引揚げ。1952年早稲田大学ロシア文学科入学。1957年中退後、PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、1966年『さらば モスクワ愚連隊』で第6回小説現代新人賞、1967年『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞、1976年『青春の門』(筑豊篇ほか)で第10回吉川英治文学賞、2002年に第50回菊池寛賞、2009年にNHK放送文化賞、2010年に親鸞』で第64回毎日出版文化賞特別賞を受賞。

著書は『朱鷺の墓』『戒厳令の夜』『風の王国』『蓮如』『風に吹かれて』『大河の一滴』など多数。翻訳にリチャード・バック『かもめのジョナサン』、ブルック・ニューマン『リトルターン』など。

 

対談者プロフィール

四方田犬彦(よもた・いぬひこ)さんは、1953年生まれ、大阪箕面出身。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を学ぶ。長らく明治学院大学教授として映画学を講じ、コロンビア大学、ボローニャ大学、精華大学、テルアヴィヴ大学、中央大学(ソウル)などで客員教授・客員研究員を歴任。

近著として『親鸞への接近』『詩の約束』『われらが〈無意識〉なる韓国』『愚行の賦』『さらば、ベイルート』『パゾリーニ』『大泉黒石 わが故郷は世界文学』、詩集に『わが煉獄』『離火』、小説に『すべての島を放つ』『夏の速度』『戒厳』、翻訳にボウルズ、サイード、パゾリーニなどがある。

『月島物語』で斎藤緑雨賞、『映画史への招待』でサントリー学芸賞、『モロッコ流謫』で伊藤整文学賞、『ルイス・ブニュエル』で芸術選奨文部科学大臣賞、『詩の約束』で鮎川信夫賞を受賞。

 

五木寛之セレクションIII【異国ロマンス集】
五木 寛之 (著), 四方田 犬彦 (著)

<既刊>

五木寛之セレクション I 【国際ミステリー集】
五木 寛之 (著)

五木寛之、初のテーマ別作品集ついに刊行!

第1巻目は、【国際ミステリー集】として、直木賞受賞作『蒼ざめた馬を見よ』の他、現代のロシア問題、日韓問題に迫る驚愕のミステリーを収録。
巻末には、佐藤優との特別対談を掲載。

【収録作品】

『蒼ざめた馬を見よ』(1966.12)
ソ連の体制を痛烈に批判した小説をめぐる恐るべき陰謀。
第56回直木賞受賞作。

『夜の斧』(1967.12)
ソ連の捕虜として、かつて北満洲で収容されていた男にかかってきた不気味な暗号電話とは。

『深夜美術館』(1975.12)
庭園を見ると過剰な興奮をする女を通して、日韓の文化財問題に鋭く切り込む。

【対談解説】(50頁)

五木寛之 vs. 佐藤優
新シリーズの魅力、五木作品の現代性と永遠性について佐藤優と縦横無尽に語り合う。

五木寛之セレクションII【音楽小説名作集】
五木 寛之 (著)

五木寛之、初のテーマ別作品集、待望の第2弾!

第2巻目は、【音楽小説名作集】として、衝撃のデビュー作『さらばモスクワ愚連隊』の他、ジャズやファドなどをテーマとした、時代を越えた名作の数々を収録。
巻末には、マイク・モラスキーとの対談解説を掲載。

【収録作品】

『さらばモスクワ愚連隊』(1966.6)
モスクワの裏通りを舞台に不良少年たちが奏でる奇跡のジャズ演奏。境涯をこえた音楽の本質に迫った鮮烈なデビュー作。
小説現代新人賞受賞作

『海を見ていたジョニー』(1967.4)
音楽は人間だ。ジャズ的とは人間的なことだ。黒人兵ジョニーの戦慄のピアノ演奏。

『老兵たちの合唱』(1968.1)
ニューオリンズの黒人ジャズバンドによる日本公演。平均年齢68歳の奇跡の演奏。

『われはうたへど』(1969.8)
日陰の道を歩む老作詞家。依怙地な男には戦意高揚歌を作っていた過去があった。

『帝国陸軍喇叭集』(1970.1)
途方に暮れる音楽ディレクター。とある店で目撃した陸軍喇叭に命運をかける。

『暗いはしけ』(1971.10)
ポルトガル リスボン。ファドの歌い手との運命的な出会いと別れの衝撃的結末。

【対談解説】(50頁)

五木寛之 vs. マイク・モラスキー
戦後のジャズ文化を中心に五木作品と異質性について語り合う。

マイク・モラスキー
早稲田大学国際教養学部教授、66歳、専攻は日本文化研究、ジャズ研究

 


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