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浅倉秋成さん×石田夏穂さん×大前粟生さん×佐原ひかりさん×杉井光さん×新名智さん×結城真一郎さん『噓があふれた世界で』が刊行

ベストセラー『世界でいちばん透きとおった物語』の杉井光さん、本屋大賞候補作『六人の噓つきな大学生』の浅倉秋成さん、『#真相をお話しします』の結城真一郎さんら、最注目の作家7名が〈SNSを巡る人間ドラマ〉を描くアンソロジー『噓があふれた世界で』が新潮文庫nexより刊行されました。本書のための書きおろし『世界でいちばん透きとおった物語』スピンオフ「君がため春の野に」を収録。

 

SNSのある時代

本作は「小説新潮」2023年3月号の特集「SNSのある時代」に掲載された浅倉秋成さん、石田夏穂さん、大前粟生さん、佐原ひかりさん、新名智さんの作品に加え、結城真一郎さんの『#真相をお話しします』から一編を抜粋。そして杉井光さんの『世界でいちばん透きとおった物語』書きおろしスピンオフを収録したオリジナル短編集です。

 
<目次&内容紹介>

今や当たり前となったSNS。多種多様なツールが増え、便利になった一方で、悲惨な事件が起こることも。毎日のように起きる炎上や事件。そんなSNSがある時代に生まれた7人の作家が描く7つの物語とは――。

■浅倉秋成さん×VTuber
「かわうそをかぶる」
人気音楽クリエイターが殺された。犯行動機は『VTuberを守るため』。彼と交際の噂があったVTuber雨露ゆゆは失意の中、事務所に言われて釈明配信の準備を進める。身も蓋もない噂だけで人生を壊されたゆゆは、これまでの人生が走馬灯のようにフラッシュバックしてくる。

■大前粟生さん×ショート動画
「まぶしさと悪意」
信じられないだろうが、ショート動画を撮りたくてうちに入学してくる子はいる。理由は赤羽海荷がいるから。動画がバズり、カリスマ女子高生として崇められた彼女は、ある日を境に動画を投稿しなくなった。かつて副担任だった私は彼女の様子が気になり、動画を撮らなくなった理由を探ろうとする。

■新名智さん×霊媒師アプリ
「霊感インテグレーション」
訳あり社員が集まる会社に入社した私は、「幽霊からプッシュ通知が届くらしい」といった報告が多発している通称“呪いのアプリ”の調査に乗り出す。どこにも不具合が見つからない中、ひょんなことから解決の糸口を見つけ出すのだが……。

■結城真一郎さん×マッチングアプリ
「ヤリモク」
三十二歳。独身。そう彼女は信じているが、実際は四十二歳。妻子持ち。我ながら罰当たりな男。マッチングアプリでお持ち帰りを企んでいる男は、今回も小柄でショートカットの女性と出会い、いつものテクニックで目的を果たそうとする。

■佐原ひかりさん×YouTuber
「あなたに見合う神さまを」
権藤さんの机には、ダンス系ユーチューバーWataruさんのグッズを奉っている祭壇がある。クラスでは浮いた存在の権藤さんだが、ある日、日課の早朝ランニングをしていた私は、推しのダンスを練習している権藤さんを見つける。

■石田夏穂さん×Teams
「タイムシートを吹かせ」
月末。上司のアカウントにログインをして、今月の食費分だけ残業代をかさましする。それは私と会社を?ぐためのもの。パソコン音痴でパワハラは当たり前、前時代的な上司、通称“レジェンド”の介護をしている私は、どうにかこうして会社を辞めずに生きている。

■杉井光さん×アカウント
「君がため春の野に」
前作『世界でいちばん透きとおった物語』を書きあげた僕は、「SNSがテーマ」のアンソロジーに短編を依頼される。無事書き上げた僕は打ち上げで、亡き夫のSNSアカウントが未だに動いているという相談を受ける。そこに隠された秘密と嘘とは。

 

著者プロフィール

 
■浅倉秋成さん
1989(平成元)年生れ。小説家。関東在住。講談社 BOX 新人賞 Powers を『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。著書に『六人の嘘つきな大学生』など。

 
■大前粟生さん
1992(平成4)年生まれ、兵庫県出身。2016年「彼女をバスタブにいれて燃やす」がGRANTA JAPAN with 早稲田文学公募プロジェクト最優秀作に選出され小説家デビュー。著書に『チワワ・シンドローム』など。

 
■新名智さん
1992(平成4)年生まれ、長野県出身。2021(令和3)年『虚魚』で横溝正史ミステリ &ホラー大賞〈大賞〉を受賞し、デビュー。著書に『きみはサイコロを振らない』など。

 
■結城真一郎さん
1991(平成3)年生まれ、神奈川県出身。東京大学法学部卒業。2018年『名もなき星の哀歌』で新潮ミステリー大賞を受賞してデビュー。著書に『#真相をお話しします』など。

 
■佐原ひかりさん
1992(平成4)年生まれ、兵庫県出身。2017年「ままならないきみに」でコバルト短編小説新人賞を受賞。2019(令和元)年『ブラザーズ・ブラジャー』で氷室冴子青春文学賞大賞を受賞。著書に『ペーパー・リリイ』『人間みたいに生きている』など。

 
■石田夏穂さん
1991(平成3)年生まれ、埼玉県出身。2021(令和3)年「我が友、スミス」ですばる文学賞佳作、同作で芥川龍之介賞候補。2023年「我が手の太陽」で野間文芸新人賞候補、芥川龍之介賞候補となる。

 
■杉井光さん
1978(昭和53)年生まれ、東京都出身。電撃小説大賞の銀賞を受賞し、2006(平成18)年電撃文庫『火目の巫女』でデビュー。その後電撃文庫「神様のメモ帳」シリーズがコミカライズ、アニメ化。著書に「楽園ノイズ」シリーズ、『世界でいちばん透きとおった物語』など。

 

噓があふれた世界で (新潮文庫)
浅倉 秋成 (著), 大前 粟生 (著), 新名 智 (著), 結城 真一郎 (著), 佐原 ひかり (著)

『世界でいちばん透きとおった物語』の杉井光、『六人の?つきな大学生』の浅倉秋成、『#真相をお話しします』の結城真一郎など、最注目の作家が集結!“今を生きる私たち”をリアルに切り取る7つの物語!

彼らのその後が読める。本書のための書きおろし! 『世界でいちばん透きとおった物語』スピンオフ「君がため春の野に」収録!

これが当たり前になった時代で、あなたならどう生きる?
信者に人生を壊されたVTuber、バズって神格化された女子高生、呪いのアプリの謎に迫る調査員、娘に似た女性をマッチングアプリで探す男、学校の机に「推し」の祭壇を作る彼女、上司を騙して残業代を増すOL、未だに動く亡き夫のアカウント。それぞれの物語に隠された、生きていくための秘密と?。ベストセラー『世界でいちばん透きとおった物語』のスピンオフも収録した、新進気鋭の作家たちによる現代のリアルを切り取る7つの物語。

 
【関連】
試し読み | 浅倉秋成、大前粟生、新名智、結城真一郎、佐原ひかり、石田夏穂、杉井光 『嘘があふれた世界で』 | 新潮社

 


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