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曾野綾子さん作家生活70年!短篇小説集『天山の小さな春』が刊行

曾野綾子さん著『天山の小さな春』が河出書房新社より刊行されました。

自らの信念に基づいた舌鋒鋭い発言者として、常に注目を浴びてきた曾野綾子さんは、作家デビュー当初より、短篇の名手としても高い評価を得てきました。知られざる作品の発掘により、曾野文学のあらたな魅力に迫ります。

 

初の単行本化! 珠玉の7作品を収録した曾野文学の世界

23歳で「遠来の客たち」が芥川賞候補となって文壇デビューを果たして以来、数々のベストセラー・ミリオンセラーを著してきた曾野綾子さん。学生時代より執筆を続けて70年、作家として常に第一線で活躍してきました。近年は自らの信念に基づいた舌鋒鋭い発言者としても知られています。

 
本書は、曾野綾子さんが1970年代に執筆した、夫・三浦朱門さんとともに韓国で開かれた国際ペン大会に出席した時の出来事をユーモラスに描く「白鷺のいる風景」、生と死の風景を冷徹な視線で描き切る「四百米」「鮭の上る川」の初期短篇作品3篇に、飄々とした町医者が背負った凄絶な過去を描く「無口」、シルクロードで出会った人生の深い悲しみに触れた表題作ほかの後期短篇作品4篇を加えた、単行本初収録の全7篇による短篇小説集です。

 
作家生活70年、知られざる作品の発掘により、曾野文学の新たな魅力に迫ります。

 

短篇小説の名手・曾野綾子さん

「短篇は『ひと筆がき』の美学です。人生の光景を瞬時にとらえ、描き出す――。私は『短篇』が好きでした」
(著者の言葉より)

 
曾野綾子さんの作家としての中期は、重厚な長篇小説を次々と発表しますが、初期、デビュー当初より短篇の名手として高い評価を得、ミステリーやホラー風の作品も多く、江戸川乱歩からも絶賛されました。

人間の闇を冷徹な視点で見据え、人生の明暗を浮き彫りにしていく若き日の筆力は瞠目に値します。

 
<収録作品(発表年)>

「白鷺のいる風景」(1971年)
「四百米」(1974年)
「鮭の上る川」(1978年)
「ミント・ティの匂い」(2009年)
「生活者たち」(2010年)
「無口」(2011年)
「天山の小さな春」(2012年)

 
【内容紹介】

人間の闇を冷徹な視点で見据え、人生の明暗を浮き彫りにしていく初期の短篇に後期作品4作を加えた貴重な作品の数々、初の単行本化! 作家生活70年、曾野文学の新たな魅力に迫る!

 

著者プロフィール

曾野綾子(その・あやこ)さんは、1931年生まれ、東京都出身。聖心女子大学文学部英文科卒業。1979年、ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。1987年『湖水誕生』で土木学会著作賞、1993年に恩賜賞・日本芸術院賞受賞、1995年、に本放送協会放送文化賞、1997年に海外邦人宣教者活動援助後援会代表として吉川英治文化賞ならびに読売国際協力賞を受賞。2003年、文化功労者となる。1995年から2005年まで日本財団会長を務める。2012年に菊池寛賞を受賞。

著書に『無名碑』『神の汚れた手』『天上の青』『哀歌』『アバノの再会』『老いの才覚』『人生の収穫』『人生の原則』『酔狂に生きる』『生身の人間』『不運を幸運に変える力』『靖国で会う、ということ』『夫の後始末』『人生の後片づけ』『介護の流儀』『人生の終わり方も自分流』『「群れない」生き方』『人間の道理』『老いの道楽』『未完の美学』『人生の決算書』『夢幻』等多数。

 

天山の小さな春
曾野 綾子 (著)

人間の闇を冷徹な視点で見据え、人生の明暗を浮き彫りにする貴重な短篇、初の単行本化!作家生活70年、曾野文学の新たな魅力!

<著者最初期の貴重な作品を収録した、『天山の小さな春』の姉妹版>

夢幻(ゆめまぼろし)
曾野 綾子 (著)

最初期の短篇を中心に貴重な発掘作品の数々、初の単行本化!短篇の名手として知られ、作家生活70年、曾野文学の新たな魅力に迫る!

 


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