歴史学者・亀田俊和さん新訳『太平記(上)』が刊行
ベストセラー著者で歴史学者の亀田俊和さんの新訳による軍記物語の傑作『太平記(上)』が光文社古典新訳文庫より刊行されました。
歴史学者・亀田俊和さんが90話を厳選新訳!
『太平記』は、鎌倉幕府滅亡から建武の親政、そして室町幕府初期までを時代背景に、足利尊氏・直義兄弟、後醍醐天皇、新田義貞、楠木正成、高師直(こうの・もろなお)らによる、日本各地で繰り広げられた南北朝時代の動乱を描いた、『平家物語』と並ぶ軍記物語の傑作です。
本文庫では、全40巻、300を超える話のなかから90話を厳選、5部構成の全2巻で刊行します。下巻は11月発売。訳者は、ベストセラー『観応の擾乱』(中公新書)の著者で歴史学者の亀田俊和さん。下巻に、最新の研究成果を踏まえた解説を収録しています。
日本史嫌いの読者にこそ読んでほしい!
南北朝期は、主要な登場人物たちがコロコロと立場を変える、内輪もめや寝返りが頻繁で、敵味方がわかりづらいため時代の流れが掴みにくい。そんな印象が強いせいか、日本史きってのマイナーで人気のない時代とも思われますが、少年ジャンプ連載の『逃げ上手の若君』、宝塚歌劇団「桜嵐記」、直木賞受賞作『極楽征夷大将軍』の話題作品に象徴されるように、じつは今ひそかなブームに沸いています。
陰謀あり、寝返りあり、身内の権力闘争ありで、読み物として『太平記』の面白さは群を抜いています。日本史が苦手という読者にとっての助けとなるように、付録として系図や、南朝方、北朝方の武将を入れた地図、人物一覧等も加えられています。
ぜひこの機会に、ライブ感あふれる新訳で、この激動の時代を生きた武将たちの雄姿(と凋落)を味わってみてください。
訳者プロフィール
亀田俊和(かめだ・としたか)さんは、1973年生まれ、秋田県出身。国立台湾大学日本語文学系助理教授。京都大学文学部史学科国史学専攻卒業。京都大学大学院文学研究科博士後期課程歴史文化学専攻(日本史学)修了。京都大学博士(文学)。
著書に『高師直』『足利直義』『征夷大将軍・護良親王』『観応の擾乱』『南北朝期室町幕府をめぐる諸問題』など多数。
太平記(上) (光文社古典新訳文庫) 作者未詳 (原著), 亀田俊和 (翻訳) 『平家物語』と並ぶ軍記物で最も有名な古典。鎌倉幕府滅亡から建武の親政、その後の南北朝分裂、そして室町幕府創設までの約50年間の激動を描く。90のエピソードを厳選し、各部に概要と人物相関図をつけた五部構成。ベストセラー『観応の擾乱』の著者であり、第一線で活躍する研究者・亀田俊和氏による新訳は、後醍醐天皇、足利尊氏・直義兄弟、新田義貞、楠木正成、高師直ら登場人物が際立つ、臨場感あふれる読み物となっている。 |
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