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アジカン・後藤正文さんエッセイ集『朝からロック』が刊行

写真・ブックデザイン:鈴木成一デザイン室、スタイリング:岡部みな子、ヘアメイク:秋月庸佑、衣装協力:STOF

写真・ブックデザイン:鈴木成一デザイン室、スタイリング:岡部みな子、ヘアメイク:秋月庸佑、衣装協力:STOF

ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジカン)のボーカル&ギターを担当し、Gotch名義でソロ活動もおこなう後藤正文さんのエッセイ集『朝からロック』が朝日新聞出版より刊行されました。

本書は、朝日新聞朝刊で2017年4月にスタートした同名の人気連載から厳選したエッセイを再構成。音楽、社会、政治、本、震災、コロナ、そして思わず笑みがこぼれそうな日常の一コマまで、後藤さんが立ち止まって感じ、考え、そして悩み、省みる姿が、書に果敢に親しむ音楽家ならではの感性で綴られています。

 

音楽・社会・政治・コロナから偶然出会った人物にまで、ひたすらまっすぐ向き合った『朝からロック』

後藤正文さんは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターなど音楽家として活動する一方、東日本大震災の被災地、福島における活動や、故・坂本龍一さんの遺志を継いで神宮外苑再開発の見直しを求めるデモへの参加、新しい時代やこれからの社会など私たちの未来を考える新聞「THE FUTURE TIMES」の編集長を務めるなど、社会に横たわる問題に音楽家としてできる発信や活動をつづけています。

 
これまでも言葉や文章で自らの想いを綴ってきた後藤さんが、「新聞で世の中について書くことは、毎回なかなかの緊張感があるし、自分がアップデートしていく感覚もある」と、これまでとは違った姿勢で(後藤さんの一つの表現では「ビーサンからスーツに着替えて」)執筆を続けてきた、朝日新聞の人気連載から、

◎僕の牛丼で練習してください
◎パイタン健康法
◎二択の危うさ
◎ワクチン3回目の余韻
◎壊れにくい音楽
◎解散考
◎「男社会の一部」として
◎怒りと願いとカップヌードル
◎しなやかさのかたち
◎僕らが言葉を軽んじるとき
◎「愛」の曖昧さ
◎本当に日本人?
◎置き去りにしない「福興」へ
◎生き延びた僕は、僕に問う

…などを収載。

 
時事的なテーマにふれつつ、一過性の時事として流さずに普遍的なこととして捉えていく思考、日々の暮らしの中で出会った人や出来事へのあたたかでユーモラスな眼差しの数々。そして、連載時の紙幅がもたらした短文ゆえの余韻は、読み手を「ともに考える時間」へと誘います。

 
また、書籍化にあたり、各章の扉でその章のテーマについて後藤さんが語ります。

なぜ、「書き手」になったのか。なぜ、書き残すのか。
心のうちをそのままに、飾ることなく吐露した「まえがき」も必読です。

 
「何もしないでいるほうが恥ずかしい」と、「見えないふり」「聞こえないふり」をしない、現場と社会と私たちをつなぐ活動と発信をつづける後藤さんならではの熱く、そして静かな、ときにあたたかなユーモアがのぞく一冊です。

 

本書の構成

第1章 ひとりゴチる 〈日々の章〉
僕の牛丼で練習してください/スイムキャップの小学生/パイタン健康法/深夜のコンビニ/親にとっては最高の笑顔でも など

第2章 ある日、どこからともなくやってきて 〈コロナの章〉
あとはよろしく/二択の危うさ/仮定の質問/銀河鉄道に連なって/ワクチン3回目の余韻/本当のつらさ など

第3章 良い音楽家は奏でる前に、聴く 〈ロッカーの章〉
中南米ツアーの飴と鞭/ボカロとうどん/壊れにくい音楽/解散考/音楽の優劣/丸裸になったとき など

第4章 どん底から、未来を見ている 〈世の中の章〉
「男社会の一部」として/怒りと願いとカップヌードル/しなやかさのかたち/コモンという考え方/祖父が遺したメモ など

第5章 誰かの語りに、そこにあるひとことに 〈言葉と本の章〉
書き直したくなった歌詞/僕らが言葉を軽んじるとき/「愛」の曖昧さ/「利他」は未来から/坂本龍一さんが問うた、言葉の檻 など

第6章 ここに生まれて、暮らしているから 〈日本人の僕の章〉
本当に日本人?/日本語人/大相撲という信仰/日本語しか話せない少年/「訪問者」だから見えるもの など

第7章 そもそも僕たちはいつだって傲慢だ 〈震災の章〉
置き去りにしない「福興」へ/そこで歌えなかったら/生き延びた僕は、僕に問う/何度でも生き直すように/忘却と喧騒の外側で など

 

著者プロフィール

写真:鈴木成一

写真:鈴木成一

著者の後藤正文(ごとう・まさふみ)さんは、1976年生まれ、静岡県出身。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターを担当し、ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がける。Gotch名義でソロ音源も発表。近作では「Lives By The Sea」。レーベル「only in dreams」主宰。また、新しい時代やこれからの社会など私たちの未来を考える新聞「THE FUTURE TIMES」の編集長も務める。2018年からは新進気鋭のミュージシャンが発表したアルバムに贈られる作品賞「APPLE VINEGAR -Music Award-」を立ち上げた。

著書に『何度でもオールライトと歌え』『凍った脳みそ』(ミシマ社)、『YOROZU ~妄想の民俗史~』(ロッキング・オン)、などがある。

 

朝からロック
後藤 正文 (著)

 


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