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早川書房が「ハヤカワ新書」を創刊 第1弾は越前敏弥さん、土屋健さん、滝沢カレンさん、藤井直敬さん、石井光太さん

早川書房はあらたに新書レーベル「ハヤカワ新書」を創刊します。日本の著者による書き下ろしを中心に、早川書房の強みであるSFやミステリの視点も生かした、あらたな切り口の新書を刊行していきます。

第一弾として6月20日に越前敏弥さん、土屋健さん、滝沢カレンさん、藤井直敬さん、石井光太さんによる計5作品が発売されます。

 

未知への扉をひらく「ハヤカワ新書」創刊! SF・ミステリ的発想が満載、滝沢カレンさんほか豪華執筆陣!

早川書房のノンフィクション分野ではこれまで、主に海外の最先端の動向・知見をいち早く日本の読者に伝えるべく、サイエンス、人文、ビジネスなどのジャンルで時代の一歩先をゆく翻訳書を刊行してきました。

今回創刊されるハヤカワ新書では日本の著者による書き下ろしを中心に、SFやミステリの視点も生かした新しい切り口によって、読書の楽しみを更に広げる書籍を企画していきます。

 
創刊ラインナップはモデルの滝沢カレンさんが古今東西の名作小説のタイトルから発想を飛躍させて物語をつむぐ『馴染み知らずの物語』や、エラリイ・クイーンやアガサ・クリスティーの作品から英語を学べる越前敏弥さん『名作ミステリで学ぶ英文読解』など全5点。

ハヤカワ新書ロゴデザイン

ハヤカワ新書ロゴデザイン

装幀・レーベルロゴはジャンルを超えて幅広く活躍しているグラフィックデザイナー・佐々木俊さんによるもの。
普段見ている世界の解像度を上げる・新しい世界を覗き込むことができるレンズをモチーフにしたロゴ・カバーデザインです。

 
<佐々木俊(ささき・しゅん)さん プロフィール>

大前粟生さん『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』、最果タヒさん『夜景座生まれ』、ガイ・ドイッチャーさん『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』(ハヤカワ文庫NF)などの装幀を手がける。その他、2021年には「NHK紅白歌合戦」の新しいロゴデザインを担当、2022年には絵本『ぶるばびぶーん』を出版するなど多方面で活躍中。

 

「ハヤカワ新書」創刊ラインナップ

 
■越前敏弥さん『名作ミステリで学ぶ英文読解』

名作ミステリは原文も謎だらけ! 手ごわい英文を精読し、読解力をきたえる
「ミステリの女王」ことアガサ・クリスティーや、「シャーロック・ホームズ」の生みの親、コナン・ドイル、さらには本格ミステリの巨匠エラリイ・クイーンの「かなり手ごわい」原文を取り上げ、英文読解のポイントを解説する。
対象としては高校生程度の知識があれば可能。また、翻訳のテクニックや作品のおもしろさに言及するコラムも設け、英文読解能力を鍛えつつ、ミステリファンにも新たな角度で作品を楽しんでもらえる一冊。

 
<越前敏弥(えちぜん・としや)さん プロフィール>

越前敏弥さん近影 (c)大杉隼平

越前敏弥さん近影 (c)大杉隼平

1961年生まれ。文芸翻訳者。留学予備校講師などを経て、30代後半にミステリなどの翻訳の仕事をはじめる。訳書にクイーン『災厄の町〔新訳版〕』、ハミルトン『解錠師』、ロボサム『生か、死か』(以上、早川書房)、クイーン『Yの悲劇』、ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』、ダウド『ロンドン・アイの謎』、キャントン『世界文学大図鑑』など多数。著書に『文芸翻訳教室』『翻訳百景』『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文・決定版』など。

 
■土屋健さん『古生物出現! 空想トラベルガイド』

ナウマンゾウと散歩、潜水艇でアンモナイト見物、スピノサウルスとお食事タイム!
もしもナウマンゾウやカムイサウルスが現代の日本の街を闊歩していたら? 架空の旅のガイドブックを通して、日本全国から化石の発見が相次ぐ古生物天国・ニッポンの魅力を味わい尽くす。あなたも早速本書を手に取って、古生物と触れ合う旅に出てみよう!

 
<土屋健(つちや・けん)さん プロフィール>

土屋健さん代理近影

土屋健さん代理近影

サイエンスライター。2003年金沢大学大学院自然科学研究科博士前期課程修了。修士(理学)。科学雑誌「Newton」の編集記者、部長代理を経て、現在はオフィス ジオパレオント代表。 著書に6万部を突破した『リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』や、ファンから「古生物の黒い本」と呼ばれる〈生物ミステリー〉シリーズなど多数。2019年、サイエンスライターとして初めて「日本古生物学会貢献賞」を受賞。

 
■滝沢カレンさん『馴染み知らずの物語』

『変身』も『わたしを離さないで』も全部、カレン流!
ある朝、目が覚めたら自分がベッドになっていた――!? カフカの『変身』や与謝野晶子の『みだれ髪』、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』が大変身。古今東西の名作のタイトルをヒントに、滝沢カレンさんが新しい物語をつむぎます。オリジナルを知らない人も楽しめる一冊。各作品の解説付き。

 
滝沢カレン(たきざわ・かれん)さん プロフィール>

滝沢カレンさん近影

滝沢カレンさん近影

1992年生まれ、東京都出身。2008年、モデルデビュー。現在は雑誌「Oggi」の専属モデルを務めるなど活躍している。「沸騰ワード10」「行列のできる相談所」「全力!脱力タイムズ」などテレビ出演も多数。朝日新聞社のウェブサイト「好書好日」で「滝沢カレンの物語の一歩先へ」を連載中。著書に『カレンの台所』。

 
■藤井直敬さん『現実とは? ──脳と意識とテクノロジーの未来』

脳に気づかれることなく「現実」を操作できる時代
あなたにとって「現実」とは?

「現実」って何? この当たり前すぎる問いに、解剖学者、言語学者、メタバース専門家、能楽師など各界の俊英が出した八者八様の答えとは。あなたの脳をあらゆる角度から刺激し、つらくて苦しいことも多い「現実」を豊かにするヒントを提供する知の冒険の書。

〈対談相手〉
市原えつこさん(メディアアーティスト)
伊藤亜紗さん(東京工業大学教授/美学)
稲見昌彦さん(東京大学教授/インタラクティブ技術)
今井むつみさん(慶應義塾大学教授/言語心理学)
加藤直人さん(クラスター株式会社CEO/メタバース)
安田登さん(能楽師)
養老孟司さん(解剖学者)
暦本純一さん(東京大学教授/拡張現実)

 
<藤井直敬(ふじい・なおたか)さん プロフィール>

藤井直敬さん近影

藤井直敬さん近影

株式会社ハコスコ代表取締役社長。医学博士・脳科学者。一般社団法人XRコンソーシアム代表理事、ブレインテックコンソーシアム代表理事、デジタルハリウッド大学大学院卓越教授・学長補佐、東北大学特任教授。東北大学医学部卒業、同大学院(博士)、MIT、理化学研究所脳科学総合研究センターなどを経て現職。著書に『つながる脳』(毎日出版文化賞受賞)、『脳と生きる』(共著)など。

 
■石井光太さん『教育虐待──子供を壊す「教育熱心」な親たち』

勉強が終わるまでトイレ禁止、無数の栄養ドリンク……子供部屋で何が起きているのか
教育虐待とは、教育の名のもとに行われる違法な虐待行為だ。それは子供の脳と心をいかに傷つけるのか。受験競争の本格化から大学全入時代の今に至るまでゆがんだ教育熱はどのように生じ、医学部9浪母親殺害事件などの悲劇を生んだのか。親子のあり方を問う。

 
<石井光太(いしい・こうた)さん プロフィール>

石井光太さん近影

石井光太さん近影

1977年生まれ、東京都出身。作家。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材・執筆活動を行う。著書に『物乞う仏陀』『遺体』『「鬼畜」の家』『43回の殺意』『本当の貧困の話をしよう』『近親殺人』『ルポ 誰が国語力を殺すのか』など多数。2021年『こどもホスピスの奇跡』で第20回新潮ドキュメント賞を受賞

 

「ハヤカワ新書」創刊のことば

誰しも、多かれ少なかれ好奇心と疑心を持っている。
そして、その先に在る合点が行く答えを見つけようとするのも人間の常である。それには書物を繙いて確かめるのが堅実といえよう。インターネットが普及して久しいが、紙に印字された言葉の持つ深遠さは私たちの頭脳を活性して、かつ気持ちに広がりを持たせてくれる。
2023年6月に刊行が始まる叢書「ハヤカワ新書」は、政治、経済、教育、医学、芸術、歴史をはじめとする各分野の切れ味鋭い執筆者が森羅万象を的確に捉えて、生きた知識をより豊かにする読み物をお届けする。

――早川書房 代表取締役社長 早川浩

 

「ハヤカワ新書」刊行スケジュール

◎2023年6月20日(火) 第一弾発売(5点)

◎2023年7月19日(水) 第二弾発売(3点)

◎2023年8月22日(火) 第三弾発売(3点)

以降、隔月で第3月曜日配本・火曜日発売予定。

 

名作ミステリで学ぶ英文読解 (ハヤカワ新書)
越前 敏弥 (著)

アガサ・クリスティ、コナン・ドイル、エラリイ・クイーンの名作を題材に英文読解のポイントを指南。ミステリの巨匠たちによる緻密で無駄のない文章を精読することで、論理的な読み解き方を学ぶ。数々のベストセラーを手がける名翻訳家からの「読者への挑戦状」

古生物出現! 空想トラベルガイド (ハヤカワ新書)
土屋 健 (著)

公園でナウマンゾウと散歩、潜水艇でアンモナイト見物。日本は古生物天国(パラダイス)だ!
今は化石でしか見ることのできない古生物が、もしも現代の日本に蘇ったとしたら、どこでどのように暮らしているだろうか? ナウマンゾウやカムイサウルスが街を闊歩し、翼竜が空を飛ぶ、そんな「もしもの世界」を旅してみよう。架空の旅のガイドブックを通して、北の古生物天国・北海道から、おなじみ恐竜王国・福井、さらには関東、中部、近畿まで、化石の発見が相次ぐ古生物天国・ニッポンの魅力を味わい尽くす。想像力をかき立て、早速本書を携えて古生物と“触れ合う”旅に出たくなる一冊。

(本書に登場する古生物の例)
野球場にケナガマンモスとナウマンゾウ
スピノサウルスが祭り会場に乱入
増水した川にクビナガリュウ
漁港に出現・モササウルス類
古寺の境内で肉食恐竜に遭遇
潮干狩りでトウキョウホタテ
カムイサウルスと記念撮影

馴染み知らずの物語 (ハヤカワ新書)
滝沢 カレン (著)

・各章扉絵/岡田千晶(絵本作家)

|| 本書の収録作 (掲載順) ||
沼田まほかる『九月が永遠に続けば』
中島京子『妻が椎茸だったころ』
カフカ『変身』
エドワード・ゴーリー『うろんな客』
ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』
ウェブスター『あしながおじさん』
ゲーテ『若きウェルテルの悩み』
江國香織『号泣する準備はできていた』
サリンジャー『バナナフィッシュにうってつけの日』
与謝野晶子『みだれ髪』
小林多喜二『蟹工船』
江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』
小川洋子『薬指の標本』
カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
本谷有希子『生きてるだけで、愛。』

|| 本書収録 馴染み知らずの『変身』より、冒頭抜粋 ||
また、朝が来た。目の前には木の木目が顔みたいに見える天井が僕を見返している。生ぬるい風が耳を起こす。
「また窓開けっぱなしで寝ちゃったな」
隙間風が昨夜の自分のだらしなさを思い出させる。太陽の陽(ひ)と共に起きたくたってそうはいかない。僕のアパートは太陽が四方八方一切当たらない。4万7000円で住めているのだから文句は言えないが。たまにまだ夜なのか、と朝を勘違いしてしまうほど暗い日だってある。だからか、僕も暗い。
7時半に目覚め、8時半には家を出る。そして9時。僕はデパートの7階で寝具を売っている、単なる冴えない販売員だ。……

現実とは?: 脳と意識とテクノロジーの未来 (ハヤカワ新書)
藤井 直敬 (著)

「現実」って何? この当たり前すぎる問いに、解剖学者、言語学者、メタバース専門家、能楽師など各界の俊英が出した八者八様の答えとは。SR(代替現実)や脳と機械をつなぐBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)などのテクノロジーの進展により、脳に気づかれることなく「現実」を操作できるようになった現代。科学と哲学の融合した「現実科学」がここから始まる。あなたの脳をあらゆる角度から刺激し、「現実」をゆたかにするヒントを提示する知の冒険の書。

〈本書目次より〉
現実とは『自己』である――稲見昌彦(東京大学教授/インタラクティブ技術)
現実とは『DIY可能な可塑的なもの』――市原えつこ(メディアアーティスト)
現実とは『あなたを動かすもの』――養老孟司(解剖学者)
現実とは『自分で定義できるもの』――暦本純一(東京大学教授/拡張現実)
現実とは『今自分が現実と思っていること』――今井むつみ(慶應義塾大学教授/言語心理学)
現実とは『現実をつくる』というプロセスを経ることによって到達する何か――加藤直人(クラスター株式会社CEO/メタバース)
現実とは『普段のルーティンな自己がちょっとずれた時に押し寄せてくる、すごい力』――安田登(能楽師)
現実とは『祈りがあるところ』――伊藤亜紗(東京工業大学教授/美学)

「現実は小説より奇なり。現実がフィクションよりつまらない時代は終わった。テクノロジーは現実とフィクションの間を連続したスペクトラムでつなぎ、すべてを現実に引き寄せてしまう。そのような新しい現実に向かいあって生きていくわれわれには、それを前提とした哲学・サイエンスが必要である。現実科学はそのための科学である」(「はじめに」より)

教育虐待: 子供を壊す「教育熱心」な親たち (ハヤカワ新書)
石井 光太 (著)

教育虐待とは、教育の名のもとに行われる違法な虐待行為だ。それは子どもの脳と心をいかに傷つけるのか。受験競争の本格化から大学全入時代の今に至るまでゆがんだ教育熱はどのように生じ、医学部9浪母親殺人事件などの悲劇を生んだのか。親子のあり方を問う。

 
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