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【第20回新潮ドキュメント賞&小林秀雄賞】新潮ドキュメント賞は石井光太さん『こどもホスピスの奇跡』、小林秀雄賞は岡田暁生さん『音楽の危機』が受賞

第20回新潮ドキュメント賞&小林秀雄賞が決定!

第20回新潮ドキュメント賞&小林秀雄賞が決定!

新潮社は8月27日、第20回新潮ドキュメント賞および第19回小林秀雄賞の選考結果を発表しました。

両賞とも、受賞作には記念品および副賞として100万円が贈られます。贈呈式は10月8日、都内にて開催。

 

第20回新潮ドキュメント賞 受賞作品

第20回新潮ドキュメント賞は、次の通り決定しました。

 
<第20回新潮ドキュメント賞 受賞作品>

石井光太(いしい・こうた)さん
『こどもホスピスの奇跡 短い人生の「最期」をつくる』(新潮社)

〔授賞理由〕
ホスピスは大人だけのものではなく、難病と闘う子供たちにとっても必要不可欠である。日本ではじめて誕生した「こどもホスピス」の存在を、丹念な取材で知らしめた感動の記録。(文責:新潮文芸振興会)

『こどもホスピスの奇跡 短い人生の「最期」をつくる』(新潮社)

『こどもホスピスの奇跡 短い人生の「最期」をつくる』(新潮社)

受賞者の石井光太さんは、1977年生まれ。東京都世田谷区出身。日本大学芸術学部文芸学科卒業。作家。2005年『物乞う仏陀』でデビュー。その後、国内外の社会問題、事件、医療などをテーマに執筆活動を行います。『遺体』『浮浪児1945-』『「鬼畜」の家』『本当の貧困の話をしよう』『夢幻の街』『近親殺人』などのノンフィクション作品のほか、小説や児童書も手掛けています。

石井光太さん (C)新潮社写真部

石井光太さん (C)新潮社写真部

選考委員は、池上彰さん、梯久美子さん、櫻井よしこさん、藤原正彦さん、保阪正康さん。

 
なお、第20回新潮ドキュメント賞の候補作は以下の5作品でした。

【新潮ドキュメント賞 候補作】
◎山本草介さん『一八〇秒の熱量』(双葉社)
◎村山祐介さん『エクソダス ――アメリカ国境の狂気と祈り』(新潮社)
◎石井光太さん『こどもホスピスの奇跡 ――短い人生の「最期」をつくる』(新潮社)
◎大西康之さん『起業の天才! ――江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』(東洋経済新報社)
◎三浦英之さん『災害特派員』(朝日新聞出版)

 

第20回小林秀雄賞 受賞作品

第20回小林秀雄賞は、次の通り決定しました。

 
<第20回小林秀雄賞 受賞作品>

岡田暁生(おかだ・あけお)さん
『音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日』(中央公論新社)

〔授賞理由〕
「音楽」というものの生々しさと理念を情熱的に撚り合わせながら、コロナ禍という盛り上がれない時代の中で、音楽の未来を探った。アクチュアルであり、「時間論」としても優れた論考。(文責:新潮文芸振興会)

『音楽の危機《第九》が歌えなくなった日』(中央公論新社)

『音楽の危機《第九》が歌えなくなった日』(中央公論新社)

受賞者の岡田暁生さんは、1960年生まれ。京都府京都市出身。大阪大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。大阪大学文学部助手、神戸大学発達科学部助教授を経て、京都大学人文科学研究所教授。著書に『オペラの運命』(中公新書、サントリー学芸賞受賞)、『西洋音楽史』(中公新書)、『音楽の聴き方』(中公新書、吉田秀和賞受賞)、『ピアニストになりたい!』(春秋社、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)、『オペラの終焉』(ちくま学芸文庫)、『リヒャルト・シュトラウス』(音楽之友社)など。

岡田暁生さん

岡田暁生さん

選考委員は、片山杜秀さん、國分功一郎さん、関川夏央さん、堀江敏幸さん、養老孟司さん。

 

新潮ドキュメント賞および小林秀雄賞について

新潮ドキュメント賞と小林秀雄賞は、ともに財団法人「新潮文芸振興会」が主催。以前は、新潮学芸賞の名称で2001年まで開催されていましたが、2002年からノンフィクションを対象とする新潮ドキュメント賞と、評論・エッセイを対象とする小林秀雄賞とに分離しています。

新潮ドキュメント賞はノンフィクションを対象とし、「ジャーナリスティックな視点から現代社会と深く切り結び、その構成・表現において文学的にも良質と認められる作品」に授与される文学賞です。

小林秀雄賞は、フィクション(小説・戯曲・詩歌等)以外で「自由な精神と柔軟な知性に基づいて新しい世界像を呈示した作品」に授与されます。

両賞とも第20回は、令和2年7月1日から令和3年6月30日までを対象期間としています。

 

こどもホスピスの奇跡: 短い人生の「最期」をつくる
石井 光太 (著)

病を抱える子どもたちが、残り少ない人生を「深く生きる」ための場所。
大阪・鶴見に誕生した【こどもホスピス】の、これまで、そしてこれから――。

「ホスピス」=余命わずかな人を看取る施設? いいえ、このホスピスはちょっと違います。
病気とともに生きる子どもが、やりたいことをのびのびやれる、「深く生きる」ための場所。

1980年代。医療者も家族も子供には病名をひたすら隠し、延命が至上命題とされた【白い巨塔】で、若き小児科医が小児がんの少年とその親に出会う。
「もう助からないなら、ここで治療を止めて、この子を家に連れて帰ろうと思います」
その言葉に目を開かれ、彼は動きはじめる――。
世界に先駆けて子どもの緩和ケアに取り組んだイギリスの「ヘレンハウス」に学び、多くの医師や看護師や保育士を巻き込み、病と闘う子どもたちや親たちとの対話を重ね、あまたの支援者・ボランティアたちの助けを得て、2016年春、「TSURUMIこどもホスピス」誕生。
遊べる。本が読める。勉強もできる。楽器の演奏も、ピクニックも、泊まりのキャンプも、大勢を招いてのパーティも。そこでは、子どもたちが残り少ない時間をめいっぱい楽しんで過ごせるよう、大人たちが日夜こころを砕いて、いまも試行錯誤を重ねている。

「してあげたいと思うことは、すべてできました」

すべては病の子どもと家族のために。
親が、医師が、保育士が、IT起業家が、立ち上がった!
民間小児ホスピス誕生から日々の奮闘まで、感動の記録。

音楽の危機-《第九》が歌えなくなった日 (中公新書)
岡田 暁生 (著)

二〇二〇年、世界的なコロナ禍でライブやコンサートが次々と中止になり、「音楽が消える」事態に陥った。集うことすらできない―。交響曲からオペラ、ジャズ、ロックに至るまで、近代市民社会と共に発展してきた文化がかつてない窮地を迎えている。一方で、利便性を極めたストリーミングや録音メディアが「音楽の不在」を覆い隠し、私たちの危機感は麻痺している。文化の終焉か、それとも変化の契機か。音楽のゆくえを探る。

 
【関連】
新潮ドキュメント賞 | 新潮社
小林秀雄賞 | 新潮社

 


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