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なぜ人間は戦争を繰り返すのか?世界的ロングセラー『世界で最後の花』が村上春樹さん新訳で復刊

ジェームズ・サーバーの名著『世界で最後の花』が、村上春樹さんの新訳でポプラ社より6月14日に刊行されました。

 

世界で読み継がれる名著を復刊! 戦争が起こってしまう「今」を生きるわたしたちへ託された、平和への願い

なぜ人間は戦争を繰り返すのか?
1939年、第二次世界大戦の開戦直前に、ニューヨーカー誌の編集者で小説、漫画、児童書分野でも活躍し、映画「LIFE!」の原作者としても知られるジェームズ・サーバーによって描かれた『世界で最後の花』。フランス語版はアルベール・カミュが翻訳を務めた世界的ロングセラーが、デザインを一新し、村上春樹さんの新訳で復刊します。

 
【あらすじ】

みなさんもごぞんじのように、第十二次世界大戦があり、

町も、都市も、村も、地上からそっくり消えてしまいました。

本も、絵画も、音楽も、地上からなくなりました。人間たちはなにをするでもなく、ただそのへんにぼんやり座りこんでいました。

ある日、それまで花をいちども見たことのなかった若い娘が、たまたま世界に残った最後の花を目にしました。

若い娘は、一人の若者と一緒に、世界に残った最後の花を育てはじめます。すると……

 

著者ジェームズ・サーバーがこめた「平和への願い」

第二次世界大戦開戦の直前に描かれたこの本の冒頭には、サーバーの娘・ローズマリーへ捧げる一文が掲載されています。

サーバーが願った通り、ローズマリーが住んだ世界、そして、わたしたちが住む世界は「もっと善き場所」になっているでしょうか。この本に込められた平和への想いを、わたしたちはどのように受け止めることができるでしょうか。

 
なぜ人間は戦争を繰り返すのか?
わたしたちは戦争のない未来をつくることができるのか?

 
2022年2月にはロシアによるウクライナ軍事侵攻が始まりました。「戦争」は決して他人事ではありません。
戦争が起こってしまう「今」を生きるわたしたちが、今こそ読むべき一冊です。

 
<ニューヨーク・タイムズ紙も賞賛>

「戦争に関する作品のなかで、最もシリアスで、最も皮肉とユーモアを感じる一冊である」
(ニューヨーク ・タイムズ紙)

 

村上春樹さん「訳者あとがき」より(抜粋)

世界では今でも、この現在も、残酷な血なまぐさい戦争が続いています。いっこうに収まる気配はありません。それはあとになったら、当事者の将軍たちでさえ「何のための戦争だったかもう思い出せない」ような戦争であるかもしれません。そんな中で「世界で最後の花」を守るために、多くの人が力を合わせています。この本も、そんなひとつの力になるといいのですが。
(「訳者あとがき」より)

 

著者プロフィール

 
■ジェームズ・サーバー(James Thurber)

1894年、オハイオ州コロンバスで生まれる。国務省の暗号部員を務めた後、雑誌『ニューヨーカー』の編集者・執筆者として活躍。イラストレーター、漫画家としても活動し、当時、最も人気のあるユーモリストの一人だった。

代表作『ウォルター・ミティの秘密の生活』は、1947年に「虹を掴む男」として、2013年にはベン・スティラー主演の「LIFE!」として、2度にわたって映画化された。

『世界で最後の花』(原題『The Last Flower』)は多くの国で翻訳され、フランス語版の翻訳はノーベル文学賞受賞者のアルベール・カミュが務めた。1961年、永眠。

 
■訳:村上春樹(むらかみ・はるき)さん

1949年生まれ、京都市出身。早稲田大学第一文学部卒業。1979年『風の歌を聴け』(講談社)でデビュー。

主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』『ノルウェイの森』『ダンス・ダンス・ダンス』(以上、講談社)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』(以上、新潮社)、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)などがある。
主な訳書に『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)、『グレート・ギャツビー』(中央公論新社)、『ティファニーで朝食を』(新潮社)、『おおきな木』『はぐれくん、大きなマルにであう』『ジュマンジ』(以上、あすなろ書房)など多数。
翻訳についての著書に『翻訳夜話』『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』(以上、文藝春秋)、『村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事』(中央公論新社)、『本当の翻訳の話をしよう』(スイッチ・パブリッシング)がある。

海外での文学賞受賞も多く、2006年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、スペイン芸術文学勲章、2011年カタルーニャ国際賞、2014年ヴェルト文学賞、2016年ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞、2022年チノ・デルドゥカ世界賞(フランス)を受賞。

 

世界で最後の花
ジェームズ・サーバー (著), 村上春樹 (翻訳)

なぜ人間は戦争を繰り返すのか?
わたしたちは戦争のない未来をつくることができるのか?

第二次世界大戦開戦直前に描かれた、今を生きるわたしたちに託された平和への切実な願い。世界で読み継がれてきたロングセラーを、村上春樹の新訳で復刊。

【内容紹介】
第十二次世界大戦が起きた世界。文明は破壊され、町も都市も、森も林も消え去った。残された人間たちは、ただそのへんに座りこむだけの存在になってしまった。ある日、ひとりの若い娘がたまたま世界に残った最後の花を見つけます。その花をひとりの若い男と一緒に育てはじめます。すると……。

 


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