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〈第37回残月祭〉いとうせいこうさん×奥泉光さん対談「谷崎潤一郎 痴人の愛」を開催

谷崎潤一郎(1886~1965年)の生誕を記念した「第37回残月祭」では、谷崎潤一郎の誕生日の前日7月23日(日)に、作家・クリエーターとして様々なジャンルで活動するいとうせいこうさんと、2014年に谷崎潤一郎賞を受賞し、芥川賞作家でもある奥泉光さんをゲストに迎え対談イベント「谷崎潤一郎 痴人の愛」を開催します。

 
対談のテーマとなる『痴人の愛』は、大正13年に発表され、登場人物のモダンで奔放なヒロイン、ナオミという女性の生き方が当時の女性の共感を呼び、「ナオミズム」という言葉が生まれるほど話題を呼んだ作品です。今回はこの作品についてお二人が楽しく語り合います。

 
<対談「谷崎潤一郎 痴人の愛」開催概要>

■日時:2023年7月23日(日)14:00~15:30 (13:00 開場)

■場所:ルネサンス クラシックス 芦屋ルナ・ホール(兵庫県芦屋市業平町8-24)

■定員:600人

■入場料 2,800円 (前売券2,500円)

■前売券購入方法
※前売券は芦屋市内の下記3か所で販売中です。
◎芦屋市谷崎潤一郎記念館(阪神芦屋駅南東徒歩15分/月曜休み、7/3~7休み、7/17は開館し翌日7/18休み)
◎大利昭文堂(阪急芦屋川駅南すぐ/日曜休み)
◎芦屋市役所売店(阪神芦屋駅南すぐ、市役所北館の地下1階/土日休み)

※または、谷崎記念館に電話、ファクスまたはメールで
(1) 〒住所
(2) 氏名(ふりがな)
(3) 電話番号(ファクスの方はファクス番号も)
(4) 参加人数
をお知らせください。 振込方法をお知らせし、入金を確認した後に前売券を送付します。

■主催:芦屋市谷崎潤一郎記念館
■後援:芦屋市、芦屋市教育委員会、中央公論新社

★詳細:https://www.tanizakikan.com/exhibition.php#zan723

 
【谷崎潤一郎(1886-1965) プロフィール】

東京・日本橋生れ。東大国文科中退。在学中より創作を始め、同人雑誌「新思潮」(第二次)を創刊。同誌に発表した「刺青」などの作品が高く評価され作家に。当初は西欧的なスタイルを好んだが、関東大震災を機に関西へ移り住んだこともあって、次第に純日本的なものへの指向を強め、伝統的な日本語による美しい文体を確立するに至る。

1949(昭和24)年、文化勲章を受章。主な作品に『痴人の愛』『春琴抄』『卍』『細雪』『陰翳礼讃』など。

 

痴人の愛 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎 (著)

独自の「悪魔主義的作風」が一気に頂点へ極まった傑作。
新聞連載されるや、巷に「ナオミズム」という言葉を流行らせた。

きまじめなサラリーマンの河合譲治は、カフェでみそめて育てあげた美少女ナオミを妻にした。河合が独占していたナオミの周辺に、いつしか不良学生たちが群がる。成熟するにつれて妖艶さを増すナオミの肉体に河合は悩まされ、ついには愛欲地獄の底へと落ちていく。
性の倫理も恥じらいもない大胆な小悪魔が、生きるために身につけた超ショッキングなエロチシズムの世界。巻末に用語、時代背景などについての詳細な注解、解説、および年譜を付す。

本文より
ナオミを「偉くすること」と、「人形のように珍重すること」と、この二つが果して両立するものかどうか――?今から思うと馬鹿げた話ですけれど、彼女の愛に惑溺して眼が眩んでいた私には、そんな見易い道理さえ全く分らなかったのです。
「ナオミちゃん、遊びは遊び、勉強は勉強だよ。お前が偉くなってくれればまだまだ僕はいろいろな物を買って上げるよ」
と、私は口癖のように云いました。
「ええ、勉強するわ。そうしてきっと偉くなるわ」……(本書61ページ)

本書「解説」より
その対象がいかなる女性に向けられるにしろ、谷崎が終生求めつづけたのは、魅惑と同時に禁忌の色であるところの「白」だったということである。そしていつの時期にあっても、谷崎が模索した「白」の象徴は時代の風俗とともにある。(略)大正モダニズムの衣裳をまとったナオミの姿は、いまなお嫣然(えんぜん)とわれわれにほほえみかけてくるのである。
「悪」によっていよいよ磨きをかけられたナオミの肌のこの世のものならぬ白さ。……
――野口武彦(文芸評論家)

 
【関連】
【第37回 残月祭】 いとうせいこう・奥泉光 対談|芦屋市谷崎潤一郎記念館

 


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