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「どうか 自分だけがしあわせでありますように 他のひとはみんな死んでしまいますように」ほろほろ落花生さん『ぼくは君がなつかしい』が刊行

2021年にオルタナティブ文芸の出版社として出版活動を開始した株式会社破滅派より、ほろほろ落花生さん著『ぼくは君がなつかしい ほろほろ落花生全集』(編:高橋文樹さん)が刊行されました。

 

アウトサイダー文学の決定版『ぼくは君がなつかしい』

本書は、破滅派の創設メンバーにして、福井の眠れる天才、怒りの子供部屋おじさん、のっぴきならないロスジェネ、孤高の反出生主義者……ほろほろ落花生さんの人生と文学のすべてが詰まった全集です。

 
詩・散文・小説・ノンフィクション・書簡・年表のほか、高橋文樹さんによるノンフィクション「クロニック・ペイン」「コール・ミー」も同時収録。当事者が言葉にできなかった忌まわしい男性による性被害の記憶、そして、謎の病気による就職氷河期での転落を記しています。全524ページの大ボリューム。

 
【推薦コメント】

男にとって弱さとは何か。暴力とは。嘘とは。全てに疑心暗鬼になる。だが一つ言える。これは友情の永い證(あかし)だ。
――杉田俊介さん(批評家)

 

著者プロフィール

ほろほろ落花生(ほろほろらっかせい)さんは、1979年生まれ、福井県出身。地元の進学校を卒業し、東京大学に入学。詩作をはじめとした文芸創作にのめり込み、太宰治、大江健三郎さんなどの尊敬する作家の所属した仏文科に進学。 新日本製鐵の内定を得て卒業するが、原因不明の疼痛が発生。療養生活を経たのち、出社時に行方をくらまし、フランスに逃亡。パリのホテルから退社メールを提出。

高橋文樹さんと北千住で同居を開始。教員免許の取得を目指すが挫折し、福井へ戻る。翌年、地元の先輩を頼って再び上京、社会福祉法人のアルバイトをしながら保育士資格を取得。2007年、高橋文樹さんらと破滅派を結成。保育士資格取得後、社会福祉法人を辞めてフリーライターに。2010年に面倒を見てくれていたライターと対立、再び福井に戻る。福井では反出生主義へ傾倒し、文学作品への昇華を目指すが、その思想の過激さゆえ周囲と徐々に対立。2021年、コロナ禍による飲酒量の増大とともに人生の黄昏時が近づきつつあることを悟る。高橋文樹さん『アウレリャーノがやってくる』に触発され、人生を総括する書の出版を決意する。

 

編者プロフィール

高橋文樹(たかはし・ふみき)さんは、1979年生まれ、千葉県千葉市出身。1998年に千葉県立千葉高校を卒業し、東京大学文化III類に入学。私淑する大江健三郎さんのあとを追い、仏文科へ進学し、ほろほろ落花生さんと出会う。

2001年、『途中下車』で大学在学中に幻冬舎NET学生文学賞大賞を受賞しデビュー。その後、次作に恵まれず、2007年オンライン文芸誌「破滅派」を立ち上げ、また、同年「アウレリャーノがやってくる」で新潮新人賞を受賞。

2010年、株式会社破滅派を設立。オープンソースソフトウェアWordPressをベースにしたウェブ制作を行いながら、電子書籍の発刊やイベント開催、ISBNなしの書籍販売などを手がける。

2016年にはゲンロン主催大森望SF創作講座に参加し、ゲンロンSF新人賞飛浩隆賞を受賞。ワールドコンへの参加、SF同人誌『Sci-Fire』の創設、千葉市SF作家の会 Dead Channel JPの設立など、精力的に活動を続ける。

★株式会社破滅派:https://hametuha.co.jp/

 

ぼくは君がなつかしい: ほろほろ落花生全集
ほろほろ落花生 (著), 高橋文樹 (編集)

 


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