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坂月さかなさん『プラネタリウム・ゴースト・トラベル』がボローニャ・ラガッツィ賞を受賞

坂月さかなさん著『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』

坂月さかなさん著『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』

2021年4月に刊行された、坂月さかなさんがコミック&イラストで綴る“ある宇宙”の物語『プラネタリウム・ゴースト・トラベル』(パイ インターナショナル)が、権威ある国際的な賞「ボローニャ・ラガッツィ賞 コミックス・ヤングアダルト部門 2023年」最優秀賞を受賞しました。

 

ボローニャ・ラガッツィ賞とは

ボローニャ・ラガッツィ賞(BolognaRagazzi Award)は、ビジュアル的な観点からすぐれた児童・青年向け書籍に贈られる賞で、国際的な専門家によって審査されます。毎年開催のボローニャ国際児童図書展に先立ち受賞作品が発表されます。

2023年はFiction, Nonfiction, Comics, Opera Prima, Photography の5部門で募集があり、59ヵ国644出版社から2,349作品応募がありました。各部門から最優秀賞1作と入選数作が選ばれます。

 
<審査員コメント>

不確かな時代を生きる人々の繊細な感情を描くために、SFの表現を用いた坂月さかな氏は、幻想的な物語のニューウェーブの第一線にいる。何と言っても、その繊細さと革新性に驚かされるのは、星々を旅する若者の絶え間ない任務と孤独を描くために、日本マンガと西洋文化の双方の要素を組み合わせる坂月氏の手法である。壮大でありながら身近な親密さをも感じさせる本書は、その物語の驚くべき発想の核心に多様なビジュアルと審美的なテキスト―短篇詩的な文章を伴うフルカラーのイラストや、物語世界を紹介するモノクロームのマンガ短篇集―で繰り返し迫っている。この革新的な作品は、先日、第1巻が刊行された坂月氏のストーリーマンガシリーズ「Star Tripper(原書『星旅少年』)」の始まりを告げるものであり、我々はボローニャ・ラガッツィ賞コミックス・ヤングアダルト部門を授賞することを誇りに思います。

※ボローニャ・ラガッツィ賞 公式サイトより引用(訳:パイ インターナショナル)
https://www.bolognachildrensbookfair.com/en/awards/bolognaragazzi-award/bolognaragazzi-award-all-the-2023-winners/comics-young-adult-2023/10911.html

 

【2023.03.25追記】著者・坂月さかなさん受賞者イベントでのコメント(一部抜粋)

「プラネタリウム・ゴースト・トラベル」がこの賞を受賞することができて、大変光栄に思います。この本で一番こだわったのは、夜の表現です。私は、孤独な夜がとても好きです。なぜなら、光が一番美しく見える時間だからです。たくさんの夜の光を描きとめたい、それを誰かと分かち合いたい、と思ったのが、この本を作るきっかけでした。この本では、全てのエピソードが「青く静かな夜」を舞台に展開されています。特に多様な青色の表現ができるよう努力しました。夜空が暗ければ暗いほど星はたくさん見えます。街ではたくさんの家や乗り物の光が見えます。星に手は届かないし、人々の顔も暗くてよく見えないけれど、遠くに誰かがいて、生活をしているのだという優しい気配だけが感じられます。夜の寂しい青を美しいと思ったことがある人ならば、どこの世界の人でも、きっとこの本を楽しんでもらえるのではないかと思います。この本がみなさんの枕元で光る小さな星になり、読んだ人の心を少しでも照らしてくれたらと願っています。

 

コミック&イラストで綴る〈ある宇宙〉の物語『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』について

『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』は、漫画・イラスト・ストーリーで綴る4章からなる〈ある宇宙〉の旅の記憶の物語です。

著者の商業初作品集であり、宝島社『このマンガがすごい!2023』オンナ編第5位にランクインした漫画『星旅少年』とリンクする前日譚的な作品としても注目を集めています。

★『星旅少年』Web連載:https://pie.co.jp/series/4858311/

第1部イラスト『星旅風景』より「星の庭、星の家」

第1部イラスト『星旅風景』より「星の庭、星の家」

第2部イラストストーリ『不眠少年 月へ行く』より

第2部イラストストーリ『不眠少年 月へ行く』より

第3部漫画『星旅少年』より「キキリリを飲む」

第3部漫画『星旅少年』より「キキリリを飲む」

第3部漫画『星旅少年』より「宇宙服を見に行く」

第3部漫画『星旅少年』より「宇宙服を見に行く」

第4部イラストストーリ『トビアスたちの旅』より

第4部イラストストーリ『トビアスたちの旅』より

 

著者プロフィール

坂月さかな(さかつき・さかな)さんは、イラストレーター・漫画家。「ある宇宙の旅の記録」をテーマに、孤独で静謐な世界を優しい筆致で描く。

『令和元年のゲーム・キッズ』(星海社)装画、『水の聖歌隊』(書肆侃侃房)装画、『少女終末旅行 公式アンソロジーコミック 2』(KADOKAWA)寄稿などで活躍。

2021年4月に商業初作品集『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』、2022年4月に商業漫画デビュー作『星旅少年』を刊行(どちらもパイ インターナショナル)。

★公式Twitter:https://twitter.com/sakatsuki_fish
★公式Instagram:https://www.instagram.com/sakanasakatsuki/

 

坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル
坂月 さかな (著)

青い夢幻世界に誘われるような作品がSNSで話題。ハマる人続出中の注目のクリエイター坂月さかなの商業初作品集。大幅に加筆修正をした同人誌発表作品に加え、パイコミックスでのWEB連載『星旅少年 塔に登る』、新規描き下ろしイラスト+ストーリー『トビアスたちの旅』等を256ページのボリュームでお届けします。漫画・イラスト・イラスト+ストーリーで綴る、静かで優しくて、どこか切ない、時代を跨ぐ3つの「ある宇宙」の旅の記録をお楽しみ下さい。

~本書 あとがきより抜粋~
4年近く前から「ある宇宙」の風最や物語を描き続けてきました。
この作品集では、異なる時代の風景を「星旅風景」 「不眠少年 月へ行く」「星旅少年」「トビアスたちの旅」の4つにわけてまとめています。
未知の風景を小さな窓から眺めるように、色々想像しながら楽しんでもらえたら嬉しいです。

 
【関連】
COMICS – Young Adult 2023

 


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