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本当のSDGsは命がけ!島村菜津さん『シチリアの奇跡』が刊行

島村菜津さん著『シチリアの奇跡 マフィアからエシカルへ』

島村菜津さん著『シチリアの奇跡 マフィアからエシカルへ』

イタリアの地元発の食や暮らしを紹介してきた、『スローフードな人生!』などで知られる島村菜津さん著『シチリアの奇跡 マフィアからエシカルへ』が新潮社より刊行されました。シチリアの地元の人々がはじめた新しい形の地域おこしを伝える一冊です。

 

イタリアに旅したい! それなら「ゴッドファーザー」の島からオーガニックの先進地へと生まれ変わったシチリアへぜひ

シチリアって、 イタリアのブーツのつま先のあたり? そう、地中海で最大の美しい島です。

高齢化の度合いや、南北に長い地理、食文化の豊かさなど、日本と共通点の多いイタリアには学ぶことが多くあります。
イタリアの南にあるシチリア、この美しく豊かな土地と社会を背景に、新しいユニークな動きが生まれつつあります。

 
映画「ゴッドファーザー」が象徴する〝マフィアの島〟が、今やオーガニックとエシカル(倫理的)消費の最先 端へ――みかじめ料不払い運動に反マフィア観光ツアー、有名ピザ屋が恐喝者を取り押さえ、押収された土地は人気の有機ワイン農場に姿を変えました。

 
日本でのブームの火付け役となった『スローフードな人生!』の著者が、10年以上の現地取材で伝える、諦めない人々のしなやかな闘いを描いたドキュメント作品です。

マフィアの恐喝を受けたこともある姉弟の有機ワイナリー「ユーデカ」の白ワイン 写真提供:島村菜津さん

マフィアの恐喝を受けたこともある姉弟の有機ワイナリー「ユーデカ」の白ワイン 写真提供:島村菜津さん

 

著者コメント

(本書のプロローグより)

歴史家たちが指摘するように、民主国家の重たい歩みにマフィアが寄生しているのならば、シチリアで今、始まった 挑戦は、真の民主主義を実現していくための草の根運動だと言える。次の世代のために故郷の島を変えていくことを諦めない、そんな彼らの姿は、新しいシチリア人像を見せてくれることだろう。そして、私がこの取材にのめり込んだの は、それが、決して不運な歴史を抱えた遠い島国の物語とは思えなかったからだ。

 

本書の構成

プロローグ 自由(リーベロ)という名の男

1章 町の負のイメージをいかに覆すか

2章 マフィアは情報と戯れる

3章 故郷のために命をかけた二人の判事

4章 さよなら、みかじめ料運動

5章 恐怖のマフィア博物館

6章 押収地をオーガニックの畑に

7章 食品偽装と震災復興

8章 もう、そんな時代じゃない

エピローグ 民主主義とエシカル消費

 

著者プロフィール

(c) Miyuki・Yamada

(c) Miyuki・Yamada

著者の島村菜津(しまむら・なつ)さんは、1963(昭和38)年生まれ、長崎出身。東京藝術大学卒業。ノンフィクション作家。

2000 年、イタリアのスローフード運動を紹介した『スローフードな人生!』(新潮社)がベストセラーに。著作に『スローフードな日本!』(新潮社)、『スローシティ』(光文社新書)など。

 

 


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