【日本ファンタジーノベル大賞2023】武石勝義さん「夢現の神獣 未だ醒めず」が受賞
新潮社は、未発表の創作ファンタジー小説を公募する「日本ファンタジーノベル大賞2023」の受賞作を発表しました。
日本ファンタジーノベル大賞2023が決定!
「日本ファンタジーノベル大賞2023」の最終選考会が10月31日に開催され、恩田陸さん、森見登美彦さん、ヤマザキマリさんの3選考委員による選考が行われました。その結果、応募総数427篇より選ばれた4作品から、圧巻の構成力を評された 武石勝義さん(応募時:武石雄由さん)の中華幻想小説「夢現の神獣 未だ醒めず(むげんのしんじゅう いまださめず)」 が大賞に決まりました。
【受賞者】
武石勝義(たけし・かつよし)さんは、1972年生まれ、東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。学生時代の創作欲が四年前になって突然再燃し、以来インターネット上の様々な小説投稿サイトを中心に、作品を公開するようになる。Jリーグなどのサッカー観戦と近所のポタリングをこよなく愛する。
【受賞の言葉】(一部抜粋)
「日本ファンタジーノベル大賞」という栄えある賞でまさかの栄誉に浴することが、未だに信じられません。何しろ学生時代に『後宮小説』に嵌まった私には、数少ない昔から知る賞のひとつなのです。それが三十年後にはその賞に応募して受賞するとは、当時の私に是非聞かせてやりたい。私の書いた物語を読んでいただいた皆様方には感謝しかありません。本当にありがとうございます。」
〔選評〕(一部抜粋)
◎恩田陸さん
「登場人物もそれぞれくっきりとした存在感があり、人間臭いところも魅力的」
◎森見登美彦さん
「主人公たちの運命を追いかけているうちに、どんどん世界が広がっていく楽しさは物語の醍醐味だろう」
◎ヤマザキマリさん
「最も登場人物たちに躍動感が感じられた作品だった」
なお、『小説新潮』2022年12月号に受賞の言葉、受賞作の抄録と詳しい選考の過程が掲載されています。単行本刊行は2023年初夏の予定です。
<最終候補作品>
武石雄由さん「夢現の神獣 未だ醒めず」
千葉也さん 「蒼穹の旅人」
上緒心理さん「天地清明」
米山柊作さん「祭囃子の音は遠く」
日本ファンタジーノベル大賞について
森見登美彦さん、畠中恵さん、西條奈加さん、古谷田奈月さんをはじめ、数々の小説家を輩出した「日本ファンタジーノベル大賞」は、日本語で書かれた自作未発表の創作ファンタジー小説を公募する文学賞です。一般財団法人「新潮文芸振興会」が主催、読売新聞社が後援。受賞作品は新潮社から単行本として刊行されます。
なお、同賞は第25回(2013年度)を機に休止していましたが、2017年に「日本ファンタジーノベル大賞 2017」として再スタート。以前は、読売新聞東京本社と清水建設(第10回までは三井不動産販売)が主催し、新潮社が後援という体制でした。
小説新潮 2022年12月号
<日本ファンタジーノベル大賞2023決定発表>選評、受賞作抄録<ファンタジー特集>「ようこそ幻想世界へ」一條次郎、岸本惟、高丘哲次、藍銅ツバメ、(インタビュー)田中達也「ミニチュアとファンタジーの切れない関係」<読み切り>一木けい、西條奈加、矢樹純<特別エッセイ>湊かなえ「『母性』が導いてくれたバンクーバー国際映画祭」 |
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