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八束澄子さんが描く〈伝統技法「金継ぎ」に彩られた出会いと修復〉の青春小説『ぼくたちはまだ出逢っていない』が刊行

八束澄子さん著『ぼくたちはまだ出逢っていない』

八束澄子さん著『ぼくたちはまだ出逢っていない』

八束澄子さん著『ぼくたちはまだ出逢っていない』がポプラ社より刊行されました。

 

「漆」に導かれてめぐりあう、中学生の陸と美雨の成長を描く!

 
【あらすじ】

イギリス人の父親と日本人の母親を持つ中3の陸は、バスケ部の豪大から何かと絡まれ、暴力を受けている。

一方、母親の再婚を機に岡山から京都に引っ越してきた中2の美雨は、学校にも、家にも、居場所がなく、京都の町をさまよい歩いては時間をつぶす毎日。いつものようにさまよい歩いていたとき、ショーウインドウに飾られた器が月明かりに一瞬きらめくのを見た美雨は、その美しさに心奪われる。そのときの胸の高鳴りが、美雨を思わぬところに誘っていく……。

それぞれに自分のアイデンティティを探すなかで辿り着く、「漆」がつなぐ陸と美雨、ふたりの出逢い。
京都を舞台に、伝統工芸の「漆」「金継ぎ」を扱いながら、子どもたちを取り巻く社会問題をも描いた青春小説。

 
<ネットギャリーで公開後、熱いコメントが続々と!>

◎「美羽も陸も最初は息苦しそうで、小さな世界でもがいている二人をハラハラしながら見ていたが、二人が少しずつ色々な世界に気づきイキイキとしていく様子に嬉しくなる。傷ついた人の心まで修復してしまう金継ぎ、その在り方がとても美しい。美羽と陸、樹の物語が重なっていく様子はまるで「呼び継ぎ」のようで、金継ぎと登場人物たちが美しく共鳴している、そんな作品だった。大好きな作品がまた増えてしまった。」

◎「繋がりのなかったそれぞれ心に悩みを持つ3人の中学生が、漆、金継ぎを通して出会い、本当の自分を出せる間柄になっていくストーリー、良かったです。漆の木のことや金継ぎの仕方、また京都の町並みなどにも興味は広がっていきます。実在の人物や場所に発想を得られているのを知り、余計興味深かったです。「~時が来たら出会うべき人に出会って、出会うべきものに出会う。それまではとにかく動きまわること。~」という所が心に残り、それを心に留め、進んでいきたいと思いました。」

◎「最近でこそ、オシャレでサステナブルな趣味としてスポットが当たることも増えてきましたが、やはりまだまだ渋いイメージのある「金継ぎ」。そこに中学生を掛け合わせるという、なかなかに特殊な角度から切り込んだ作品でしたが、伝統工芸の奥深さに爽やかさと甘酸っぱさが薫る良作だと思います。」

 

本書の目次

1.おれって、何者?
2.あたしって、自意識過剰?
3.「バス」
4.骨董屋
5.十円ハゲ
6.「月光」
7.蛇の木
8.大也
9.「バス」2
10.漆芸修復師
11.傷跡
12.ペイン、ペイン、ゴー アウェイ
13.傷だらけの木
14.出会い
15.なんか、おれ。負けてる気がする
16.マグカップ
17.勉強するのはなんのため?
18.合格祝い
19.いさかい
20.ありのまま
21.ホームパーティー
22.つなぐ
23.萌芽更新

 

著者プロフィール

著者の八束澄子(やつか・すみこ)さんは、広島県因島出身。『青春航路ふぇにっくす丸』(文溪堂)で日本児童文学者協会賞、『わたしの、好きな人』(講談社)で野間児童文芸賞を受賞。『明日のひこうき雲』『団地のコトリ』(ともにポプラ社)は国際推薦児童図書目録「ホワイト・レイブンズ」に選出。

そのほかの作品に、『明日につづくリズム』『オレたちの明日に向かって』(ともにポプラ社)、『いのちのパレード』(講談社)、『ぼくらの山の学校』(PHP研究所)など多数。

 

ぼくたちはまだ出逢っていない (teens’ best selections 62)
八束 澄子 (著)

イギリス人の父親と日本人の母親を持つ中3の陸は、バスケ部の豪大から何かと絡まれ、暴力を受けている。一方、母親の再婚を機に引っ越してきた中2の美雨は、どこにも居場所がなく、町をさまよい歩いては時間をつぶす毎日。それぞれに、自分のアイデンティティを探して辿り着いた新たな世界とは……?

 


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